芸術の殿堂 オペラ劇場

[MUSICAL]『マタ・ハリ』を上回るスケール!『笑う男』全貌を公開

[MUSICAL]『マタ・ハリ』を上回るスケール!『笑う男』全貌を公開

 

(写真左から)美術オ・ピリョン、衣装グレゴリー・A・ポプリク、演出ロバート・ヨハンソン、オム・ホンヒョンEMK代表、キム・ジヒョンEMKプロデューサー、ヘアメイク キム・ユソン ©EMKミュージカルカンパニー

オム・ホンヒョンEMK代表/総括プロデューサー ©EMKミュージカルカンパニー

EMKミュージカルカンパニー(以下EMK)が『マタ・ハリ』に続き2番目のオリジナル作品に挑む、『笑う男』の制作陣が作品の概要を紹介する制作発表記者会見が、3月12日開催された。

準備に5年をかけ、ついに今年本公演となる『笑う男』だが、実はEMKが2016年に初の創作ミュージカルとして上演した『マタ・ハリ』よりも先に企画を進めていた作品だったという。最初に登壇したオム・ホンヒョン代表は「まだ稽古を始めてはいないが、衣装からセットまで現時点で90%以上完成させている。ワールドプレミアにふさわしく完成度の高い公演にしなくてはいけないと準備している」と挨拶し、『マタ・ハリ』以上に世界を狙う作品に仕上がりつつある自信をのぞかせた。

脚本・演出のロバート・ヨハンソン ©EMKミュージカルカンパニー

 

 

 

 

本作は『レ・ミゼラブル』『ノートルダム・ド・パリ』の原作者として知られるヴィクトル・ユゴーが1869年に発表した同名小説を原作にしている。脚本・演出のロバート・ヨハンソンが偶然飛行機の機内で見た『笑う男』のフランス版映画にいたく感動したことが制作のきっかけとなった。「機内にいるのに涙が止まらず、この作品をミュージカルにしてはどうかと思いついた。飛行機を降りてすぐに(作曲家の)フランク(・ワイルドホーン)に電話し、“この映画を見て”と伝えた。するとフランクも映画の魅力にはまって作曲に取り掛かり、数曲を仕上げてきた。それからオム代表らEMKのプロデューサーに舞台化を提案して本格的に制作が始まった」という。ロバートは振付のジェイミー・マクダニエルと共にヴィクトル・ユゴーが最後に暮らした家を訪ねるなどして準備を重ねたほか、彼が幼いころに親しんだ古典文学をコミック化した児童書シリーズの写真をスクリーンに映して「そのなかでも『笑う男』が一番好きだったことを後で思い出した」と、原作との運命的な縁も語っていた。

制作発表会の進行は、日本で女優・MCとして活躍するキム・テイが務めた。会場前方左側には、美術オ・ピリョンデザインのセットの模型も展示されていた。©EMKミュージカルカンパニー

本作の主人公は貴族の子息として生まれたが、対抗勢力に父を殺され、口角を切り割かれて顔に笑ったような傷を刻まれた青年グウィンプレン。盲目の少女デアとともに興行師に拾われ、サイドショー(見世物小屋)の芸人となり、決して幸せな境遇ではなかったが相思相愛のデアと過ごす日々を糧に生きていた。しかしある日、幼いころの彼を知る貴族が彼の存在に気づき、女王に報告。やがて貴族へ身分を回復したグウィンプレンだが、彼にはさらなる試練が待っているのだ。

作曲家フランク・ワイルドホーン インタビュー映像(EMK公式YouTubeより)

原作にもある「裕福な者たちの楽園は、貧しい人々の地獄の上に建てたものだ(부유한 자들의 낙원은 가난한 자들의 지옥으로 지은 것이다)」という一文は本作のテーマとして、台本の1ページ目にも記されているという。17世紀英国を舞台にしているが、現代の格差社会にも通じる“クラス(階級)”への鋭い批評と風刺が根底にあるこの物語で、どん底から這い上がろうとするグウィンプレンの姿は共感を呼ぶだろう。
ロバートは、昨年末に主要キャストを揃えて進行したワークショップでは「参加した皆が泣いた」と語り、物語を彩るフランク・ワイルドホーンの楽曲は「『ジキル&ハイド』以降で最高のスコア」と絶賛するなど、すでにスタッフ間でもクオリティの高さは検証済みのようだ。

作詞家ジャック・マーフィー インタビュー映像(EMK公式YouTubeより)

EMK作品を長年支えてきた音楽の要であるキム・ムンジョン音楽監督は「メインテーマ曲をはじめ、バイオリンの旋律が特徴的な楽曲となる。実際にバイオリニストが舞台に登場して、主人公の感情を代弁するような役割となるだろう」と予告。また、「フランクの楽曲の最大の魅力は大衆性。甘く抒情的なメロディーが特徴だが、今回はジプシー音楽をギターやマンドリンも入ったフルオーケストラで表現する楽曲もある」と語り、フランクのポップス作曲家としての利点も生かしたスコアが聴けそうだ。

キム・ムンジョン音楽監督(左)とオ・ピリョン舞台美術デザイナー ©EMKミュージカルカンパニー

舞台美術担当のオ・ピリョンは、台本にある一文にインスピレーションを受け“傷”をキーワードに視覚化した。「一部の金持ちの享楽のために子供の口を裂き、傷を与えて喜びを得る。貧しい者たちの世界は傷だらけだ。一方金持ちは傷があってもそれを覆い隠そうし、誇張されてより分厚くなっている」と独自の作品感を語っていた。どのシーンも世界を表す円形が特徴的なセットとなっており、会場に小型の模型も持ち込んでコンセプトを紹介していた。

主人公グウィンプレンの口を象徴するようなメイン舞台(左)と、グウィンプレンが貴族階級に復権後のシーン(右)©オ・ピリョン

『ファントム』に続き、EMK作品の衣装を担当することになったグレゴリー・A・ポプリクは、「時代を特定させたくないというロバートのリクエストに応え、バレンシアガからヴィヴィアン・ウエストウッドまでたどりつつ、様々な時代の要素を取り入れて185体の衣装を制作した」という。女王の衣装には白、金、銀などの色使いで貴族の高貴さを表現する一方、見世物小屋の芸人などにはブードゥー的イメージを持たせたモノトーンの衣装スケッチを披露していた。

衣装コンセプトを説明するグレゴリー・A・ポプリクデザイナー ©EMKミュージカルカンパニー

そしてヘアメイク担当のキム・ユソンは「最近は人の口元ばかり見ている」と話しはじめて笑いを誘った。グウィンプレンの特徴的な“割けた口”の特殊メイクのテスト版イメージ写真を公開しつつ、「俳優のカッコよさは生かしつつ、歌を歌う際の妨げにならないようにどう作るかに苦心している」と語っていた。

ドクター・コンクエスト(左)と、興行師ウルシュスの衣装スケッチ ©グレゴリー・A・ポプリク

制作費は『マタ・ハリ』の125億ウォンを上回る175億ウォンが投じられる。テレビ局SBSとインターパークが主な出資企業だそうだが、初演のみならず、今後の再演や海外へのライセンス販売などを通して収益を回収していく長期的展望があるそうだ。7月からの芸術の殿堂オペラ劇場での公演は、芸術の殿堂の開館30周年記念作のひとつとして上演。その後、9月からブルースクエア インターパークホールに会場を移して10月末まで上演される。初演作ながら、2会場で計4カ月にわたる長期公演が実施されるのは異例だが、今後大型創作ミュージカルを制作するうえで、試金石となる重要な作品となりそうだ。

キャストは4月に公開予定。会見当日も助演俳優のオーディションを終えてきたという制作陣は、主演のみならず端役までも役柄や楽曲に合う人材を探すオーディションを行い、さらに完成度を高めるために努力しているそうだ。


【公演情報】
ミュージカル『笑う男』(웃는 남자)
2018年7月10日~8月26日 芸術の殿堂オペラ劇場
2018年9月4日~10月28日 ブルースクエア インターパークホール

総括プロデューサー:オム・ホンヒョン/プロデューサー:キム・ジウォン/脚本・演出:ロバート・ヨハンソン/作曲:フランク・ワイルドホーン/作詞:ジャック・マーフィー/編曲・オーケストレーション:ジェイソン・ハウランド/韓国語歌詞・協力演出:クォン・ウナ/音楽監督・指揮:キム・ムンジョン/振付:ジェイミー・マクダニエル/協力振付:ホン・セジョン/舞台:オ・ピリョン/衣装:グレゴリー・A・ポプリク/衣装スーパーバイザー:アン・ヒョンジュ/ヘアメイク:キム・ユソン/照明:グ・ユニョン/映像:ソン・スンギュ/小道具:チョ・ユニョン/舞台監督:チョン・ウニョン

写真提供:EMKミュージカルカンパニー
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『笑う男』メインテーマ曲 ティーザー映像(EMK公式YouTubeより)

[MUSICAL]『レベッカ』新ダンヴァ―ス夫人役に『ジーザス・クライスト・スーパースター』チャン・ウナ抜擢

[MUSICAL]『レベッカ』新ダンヴァ―ス夫人役に『ジーザス・クライスト・スーパースター』チャン・ウナ抜擢

 

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ダンヴァ―ス夫人役に出演が決まったチャン・ウナ

1月6日に開幕するミュージカル『レベッカ』のソウル公演より、新たなダンヴァ―ス夫人役としてチャン・ウナの出演が発表された。

今回の再演で同役を演じる予定だった、ロックバンド紫雨林(ジャウリム)のボーカル、キム・ユナが声帯疾患により降板し、その空席を埋めるキャストに注目が集まっていた。

EMKの制作陣が『ジーザス・クライスト・スーパースター』『西便制(ソピョンジェ)』などを通してカリスマ性溢れる演技力と、高い歌唱力を披露していた彼女にオーディションを提案。チャン・ウナはわずか1日で、ダンヴァ―ス夫人のメインナンバーとなる「レベッカ」を完全に消化したオーディション映像を送ったという。その映像を見た制作陣は満場一致で彼女を新しいダンヴァ―ス夫人役に決定することになった。

韓国Mnetのサバイバルオーディション番組「ボイスコリア」のシーズン1に出演し、優れた歌唱力を知らしめたチャン・ウナは、その後ハ・ジョンウ主演の大ヒット映画『国家代表』のOSTに参加したほか、バンドW & JAS(ダブルアンドジャス)のボーカルとしても活動している。
ミュージカルでは今年『ジーザス・クライスト・スーパースター』のマリア役で注目されたほか、現在出演中の『マーダーバラッド』ではパワフルなロックボーカルを披露している。

チャン・ウナは「ダンヴァ―ス夫人はミュージカル女優なら誰もが演じたい役です。しかし誰でも消化できる役ではないので、この機会をいただいたことで、最善を尽くして観客の皆さんの期待に応えられるよう、稽古に励みます」と抱負を語っている。

チャン・ウナの合流により、ソウル公演に新風を吹き込む活躍が期待される『レベッカ』は3月6日まで、芸術の殿堂 オペラ劇場で上演される。


2016rebeccaposter【公演情報】
ミュージカル『レベッカ』(레베카)
■ソウル公演:2016年1月6日~3月6日 芸術の殿堂オペラ劇場

<出演>
●マキシム・ド・ウインター役:リュ・ジョンハン、ミン・ヨンギ、オム・ギジュン、ソン・チャンウィ
●私役:キム・ボギョン、ソン・サンウン
●ダンヴァ―ス夫人役:シン・ヨンスク、チャ・ジヨン、チャン・ウナ
●ジャック・ファヴェル役:チェ・ミンチョル、イ・シフ
●ヴァン・ホッパー夫人役:キム・ヒウォン、ハン・ジヨン
●ベアトリス役:イ・ジョンファ
●ジャイルズ役:チョン・スハン
●フランク・クロウリ―役:ユン・ソニョン
●ベン役:キム・スンテク
●コロネル・ジュリアン大佐役:イ・ジュンムン、ホ・ジョンギュ

写真提供:EMKミュージカルカンパニー ©韓劇.com All rights reserved. 記事・写真の無断使用・転載を禁止します。

[MUSICAL]紫雨林キム・ユナ、『レベッカ』大田・ソウル公演を降板

[MUSICAL]紫雨林キム・ユナ、『レベッカ』大田・ソウル公演を降板

 

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『レベッカ』降板が決まったダンヴァ―ス夫人役のキム・ユナ

釜山公演を皮切りに、地方ツアーから来年1月のソウル公演を実施しているミュージカル『レベッカ』。今年の再演の目玉キャストの一人であった、ロックバンド紫雨林(ジャウリム)のボーカル、キム・ユナが、ダンヴァ―ス夫人役を降板することが発表された。

キム・ユナは、ミュージカル舞台への初挑戦のため、熱心に稽古に励んでいたが、開幕を控えて咽頭炎と診断され、治療を受けながら去る12月4日の釜山公演に臨んだ。だが、公演後、自ら声をコントロールすることができないほどの状況となり、その語の釜山と光州公演をキャンセルした。
以来、EMKミュージカルカンパニー側とともに、以降の大田(テジョン)、ソウル公演に向けてさまざまな試みをしたが、症状が好転しないことから、専門医に精密検査を受けた結果、声帯の筋肉の調整が難しく声の震えが生じると診断され、回復には7週間以上必要との所見となった。この状況では、今後キム・ユナの歌手活動にも支障をきたす恐れががあると判断され、『レベッカ』の降板が決定したという。

EMK側は「キャスト変更のために、観客の皆さんに心配をおかけして申し訳ありません。やむを得ず降板となりましたが、観客の皆さんが失望されないよう最善を尽くします」と伝えた。そしてキム・ユナは「あらゆる治療法を試し、良いコンディションで舞台に戻れる日を心待ちにしていましたが、降板となってしまい、観客の皆さんにはあまりにも申し訳ないです。しっかりと治療してまたいい姿をお見せしたいです」とコメントを出した。

キム・ユナの降板により、『レベッカ』のダンヴァ―ス夫人役はシン・ヨンスクとチャ・ジヨンの二人で出演スケジュールを調整しつつ、新たにダンヴァ―ス夫人役を演じる俳優の出演を調整中とのこと。

1月5日から開幕するソウル公演のキャスト出演スケジュールは、12月22日(火)に改めて発表予定だ。


2016rebeccaposter【公演情報】
ミュージカル『レベッカ』(레베카)
■大田(テジョン)公演:2015年12月24日~27日 大田芸術の殿堂アートホール
■ソウル公演:2016年1月6日~3月6日 芸術の殿堂オペラ劇場

<出演>
●マキシム・ド・ウインター役:リュ・ジョンハン、ミン・ヨンギ、オム・ギジュン、ソン・チャンウィ
●私役:キム・ボギョン、ソン・サンウン
●ダンヴァ―ス夫人役:シン・ヨンスク、チャ・ジヨン
●ジャック・ファヴェル役:チェ・ミンチョル、イ・シフ
●ヴァン・ホッパー夫人役:キム・ヒウォン、ハン・ジヨン
●ベアトリス役:イ・ジョンファ
●ジャイルズ役:チョン・スハン
●フランク・クロウリ―役:ユン・ソニョン
●ベン役:キム・スンテク
●コロネル・ジュリアン大佐役:イ・ジュンムン、ホ・ジョンギュ

写真提供:EMKミュージカルカンパニー ©韓劇.com All rights reserved. 記事・写真の無断使用・転載を禁止します。

[MUSICAL]緑の魔女が帰ってくる!『ウィキッド』韓国版 2016年再演決定!

[MUSICAL]緑の魔女が帰ってくる!『ウィキッド』韓国版 2016年再演決定!

 

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2013年韓国プロダクションの舞台より

ブロードウェイミュージカル『ウィキッド』が、2016年に韓国初演から約3年ぶりに帰ってくる。5月から大邱(テグ)市で先行上演される地方公演を皮切りに、7月にはソウル公演を実施する。
特に、今回初めてとなる大邱の地方公演では、巨大セットや舞台メカニック、30人編成のオーケストラなど、世界中で同様に運営されている『ウィキッド』プロダクションのスケールそのままに、地方の観客もブロードウェイミュージカルの醍醐味を味わえる機会となる。

「オズの魔法使い」をベースにした『ウィキッド』は、原作ではあまりあ語られていないエルファバとグリンダという魔女を主人公に、二人の友情や恋を描く。2003年にブロードウェイで初演以来、上演した世界各都市の興行記録を塗り替えた作品だ。昨年10月にはブロードウェイで5000回公演を突破し、現在初演から11年目を迎えて『ウィキッド』の興行マジックはまだまだ現在進行形だ。

日本では2007年から劇団四季で上演されているが、韓国では2012年にまず、オリジナルプロダクションの来韓公演が行われた。翌2013年に韓国版を初演し、原作者スティーブン・シュワルツは「ブロードウェイと同じステージ構成はもちろん、感情を込めて表現する韓国俳優のレベルは最高だ」と絶賛したという。創造力溢れるストーリーに、グラミー賞受賞の音楽、きらびやかな衣装や照明、驚くべき舞台セット……トニー賞をはじめ、70の賞を総なめにしただけあって、老若男女すべてを魅了する魔法のような舞台だ。

世界最高レベルの実力を持つ俳優をそろえて2016年、再びミュージカルの神髄を披露する予定だ。


【公演情報】
ミュージカル『ウィキッド』
●大邱公演:2016年5月20日~6月 大邱・ケミョンアートセンター
●ソウル公演:2016年7月12日~8月 芸術の殿堂オペラ劇場

写真提供:ソル&カンパニー

[MUSICAL]リュ・ジョンハン、オム・ギジュンら豪華キャストで『レベッカ』再演

[MUSICAL]リュ・ジョンハン、オム・ギジュンら豪華キャストで『レベッカ』再演

 

2016rebeccaミュージカル『レベッカ』が、3度目の再演を迎えて初演を上回るような超豪華キャストが公開された。

本作は、英国の女流作家ダフネ・デュ・モーリアが1938年に発表した小説が原作。アルフレッド・ヒッチコック監督の同名映画が有名だが、『エリザベート』『モーツァルト!』『マリー・アントワネット』というウイーン発の傑作ミュージカルを生み出した名コンビ、ミヒャエル・クンツェ(脚本・作詞)&シルベスター・リーヴァイ(作曲)による秀作だ。

物語はモナコのモンテカルロにあるホテルから始まる。イギリスの大富豪マキシム・ド・ウインターに見初められた“私”が、妻レベッカを亡くしたマキシムの後妻となるも、レベッカの見えない影におびえ、追い詰められていく。ミュージカルでは希少なサスペンスタッチのストーリーながら、秀逸な劇中歌と相まって見ごたえある作品になっている。
2006年にウイーンで初演された本作は、韓国版は2013年に初演。タイトルチューンである「レベッカ」をはじめ、ドラマチックかつキャッチーなメロディーが観客を魅了して、リピーター続出の大ヒットを記録している。

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マキシム役の4人(上段左からリュ・ジョンハン、オム・ギジュン、下段左からミン・ヨンギ、ソン・チャンウィ)

究極のジェントルマンだが、どこか影を感じさせるマキシム役には初演で見せたノーブルな姿が好評だったリュ・ジョンハンが待望のカムバック。そして昨年の再演で興行を率いたオム・ギジュンとミン・ヨンギ。さらに今回初参加となるソン・チャンウィの4人が務める。歌声も演技のスタイルもまったく違う彼らだけに、リピート観劇を誘発する絶妙なキャスティングとなっている。

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私役のキム・ボギョン(左)とソン・サンウン

ヴァン・ホッパー夫人の付き人から、マキシムの後妻となるシンデレラストーリーもつかの間、ダンヴァ―ス夫人との葛藤やレベッカの死の謎におびえる“私”役は、初演で同役を好演したキム・ボギョンと今回初出演となるソン・サンウン。透明感あふれる歌声と、永遠の少女のようなルックスをもつ二人が、可憐なヒロイン像を披露してくれそうだ。

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2016rebecca3ウインター家のすべてを取り仕切るダンヴァ―ス夫人役には、ベテランロックバンド、ジャウリム(紫雨林)のヴォーカル、キム・ユナとミュージカル俳優チャ・ジヨンが初めて挑む。そしてダンヴァ―ス夫人と言えばこの歌声、とも言われるほど初演から役柄を完璧に消化して喝采を浴びているシン・ヨンスクが三度目の出演を果たす。
歌唱力はお墨付きの3人による、本作を象徴するナンバー「レベッカ」を聴き比べるのも一興だろう。

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ジャック・ファヴェル役のチェ・ミンチョル(左)とイ・シフ

生前のレベッカと愛人関係にあった従弟と自称するジャック・ファヴェル役には、初演で艶のある歌声とともに悪役がハマり役だったチェ・ミンチョルがカムバック。そして、ソウル芸術団団員として長年活躍してきた実力派イ・シフが退団後初の外部作品に挑む。

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そのほか、“私”のよき理解者となるマキシムの姉ベアトリス役にはこの役を初演から単独で演じているEMK作品ではおなじみのイ・ジョンファ。レベッカの死の秘密を知るベン役には2015年版『エリザベート』で皇太子ルドルフを演じていたキム・スンテク。“私”とマキシムの出会いのきっかけをつくるヴァン・ホッパー夫人役はベテランのキム・ヒウォンとハン・ジヨン。マキシムの友人で“わたし”にも紳士的に接するフランク・クロウリー役はユン・ソニョン。ベアトリスの夫ジャイルズ役はチョン・スハン。レベッカの死亡事件を捜査するジュリアン大佐役には今夏『デスノート』に出演していたイ・ジュンムンと、昨年も同役を演じたホ・ジョンギュが務める。

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ヴァン・ホッパー夫人役のキム・ヒウォン(左)とハン・ジヨン

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ジャイルズ役のチョン・スハン(左)とフランク・クロウリ―役のユン・ソンヨン

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コロネル・ジュリアン大佐役のイ・ジュンムン(左)とホ・ジョンギュ

新旧の強力キャストを揃えた2015年版『レベッカ』は、12月2日からの釜山公演を皮切りに、光州、大田と12月は地方公演を実施する。ソウル公演は、来年1月6日より芸術の殿堂オペラハウスで開幕する。


2016rebeccaposter【公演情報】
ミュージカル『レベッカ』(레베카)
■釜山公演:2015年12月2日~6日 ソヒャンシアターロッテカードホール
■光州公演:2015年12月11日~13日 光州文化芸術会館大劇場
■大田公演:2015年12月24日~27日 大田芸術の殿堂アートホール
■ソウル公演:2016年1月6日~3月6日 芸術の殿堂オペラ劇場

<出演>
●マキシム・ド・ウインター役:リュ・ジョンハン、ミン・ヨンギ、オム・ギジュン、ソン・チャンウィ
●私役:キム・ボギョン、ソン・サンウン
●ダンヴァ―ス夫人役:キム・ユナ、シン・ヨンスク、チャ・ジヨン
●ジャック・ファヴェル役:チェ・ミンチョル、イ・シフ
●ヴァン・ホッパー夫人役:キム・ヒウォン、ハン・ジヨン
●ベアトリス役:イ・ジョンファ
●ジャイルズ役:チョン・スハン
●フランク・クロウリ―役:ユン・ソニョン
●ベン役:キム・スンテク
●コロネル・ジュリアン大佐役:イ・ジュンムン、ホ・ジョンギュ

写真提供:EMKミュージカルカンパニー ©韓劇.com All rights reserved. 記事・写真の無断使用・転載を禁止します。

[PHOTO]ミュージカル『風と共に去りぬ』プレスコール

[PHOTO]ミュージカル『風と共に去りぬ』プレスコール

 

ミュージカル『風と共に去りぬ』(바람과 함께 사라지다)プレスコール
2015年1月13日 芸術の殿堂 オペラ劇場
出演:キム・ボムレ、チュ・ジンモ、イム・テギョン、パダ、ソヒョン、ハム・ヨンジ、
マイケル・リー、チョン・サンユン、キム・ボギョン、ユ・リア、
チョン・ヨンジュ、パク・ジュンミョン、パク・ソングォン、ハン・ドングンほか

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[MUSICAL]壮大な大河ドラマを舞台化―『風と共に去りぬ』プレスコール

[MUSICAL]壮大な大河ドラマを舞台化―『風と共に去りぬ』プレスコール

 

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レット・バトラー役のチュ・ジンモ(写真右)とスカーレット・オハラ役のパダ

2015年の幕開けにふさわしい、豪華キャストを揃えたミュージカル『風と共に去りぬ』のプレスコールが1月13日、芸術の殿堂 オペラ劇場で開催された。マーガレット・ミッチェルの小説を原作に、ヴィヴィアン・リー、クラーク・ゲーブルが主演した同名映画があまりにも有名だが、フランスで『ロミオとジュリエット』『モーツァルト・オペラ・ロック』などを手掛けた制作陣が2003年に初演したミュージカルをアジアでは初の上演となる点でも注目を浴びている。

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キャラクター研究はカンペキ! ソヒョン

物語の舞台は、南北戦争が勃発した1860年代のジョージア州・タラ。類まれなる美貌をもつ、勝気で情熱的な農場主の娘、スカーレット・オハラを主人公に、劇的な彼女の半生を通して南北戦争により白人貴族社会が崩壊していき、奴隷解放へ向かう壮大なドラマが舞台で再現される。

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スカーレットの求愛に揺れるアシュリー役のチョン・サンユン(写真左)とパダ

プレスコールでは、6場面、12曲のダイジェストシーンが公開された。まずスカーレット役で登場したのは少女時代のソヒョン。「動きから行動まで、普段からスカーレットになりきろうとしました。映画や鏡を見ながら“私はスカーレット”と自分に言い聞かせました」と言っていただけに、プライドの高そうな表情やしぐさなど、随所でヴィヴィアン・リーを彷彿とさせる見事なシンクロぶりを見せていた。
一方、「スカーレット役を演じるのは運命のよう」というパダは「S.E.S時代に、アンケートでスカーレットに似合うメンバー1位に選ばれてとても嬉しかったのを覚えています。そして私はカトリックなんですが、洗礼名が“ヴィヴィアン”ということもあり、幼い頃から憧れていたヴィヴィアン・リーが演じた役を、今回、こうして演じることになってとても光栄です」と、思い入れたっぷりに彼女ならではのエピソードを披露していた。

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目に涙をためて熱唱!アシュリー役のマイケル・リー

対するレット・バトラー役でまず登場したのは大型ミュージカル初挑戦となるチュ・ジンモ。「すべての俳優が稽古場に集まって練習するのがとても新鮮で楽しい経験でした。公演初日には楽屋で準備しながら、これまで感じたことがない緊張感を味わったし、カメラの前ではまったく緊張したことないのに、客席を前にしたら震えていたことしか記憶にないです(笑)」と語っていたが、舞台の上ではダンディなレット役を、落ち着いてしっかりとこなしていた。
また、劇中で愛する妻を亡くした哀しみを歌う「死んだ」を圧倒的な歌唱力で披露したのは、アシュリー役のマイケル・リー。「今回が韓国で3作目のフランスミュージカル出演です。ロマンチックで情熱的なラブストーリーが盛り込まれている部分が、パッション溢れる韓国の観客の感性に合うのではないでしょうか?」と韓国でフランスミュージカルが愛されている理由を分析していた。

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内心はドキドキ!? ダンディなレット・バトラー役のチュ・ジンモ

なお、スカーレット役の2人は、相手役となるレット・バトラーを演じる3人の俳優を評して……
キム・ボムレ=「先輩はバトラー役のリーダーで、舞台でもカリスマ性に溢れています」(パダ)/「まるで本物のバトラーがいるようで安心感を与えてくれる」(ソヒョン)
チュ・ジンモ=「初めてのミュージカルだけにとても誠実に取り組まれていて、1シーン1シーンに最善を尽くされているのを感じます」(パダ)/「目つきを見ただけでもバトラーみたいで(彼に翻弄されるスカーレットのように)腹が立ってきます(笑)」(ソヒョン)
イム・テギョン=「皆さんもご存知なように、声を聴いただけでも癒されます」(パダ)/「とても柔らかく見えて、微笑みがまるですべてを見透かされているような感じがします」(ソヒョン)
などと語り、3人それぞれに魅力が違うので、舞台で体感してほしいとアピールしていた。

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奴隷役のアンサンブルとともにチョン・ヨンジュ、ハン・ドングンが熱唱する「黒いということ」は圧巻!

個性豊かなメインキャストの競演だけでなく、女奴隷ママや奴隷長を中心としたゴスペルのようなパワフルな歌や、フランスミュージカルならではのアンサンブルによるアクロバティックな群舞も魅力の『風と共に去りぬ』は、ソウルでわずか1カ月の公演を経て、3月17日~23日には釜山公演も予定されている。


 

뮤지컬 바람과 함께 사라지다 한국포스터【公演情報】
ミュージカル『風と共に去りぬ』(바람과 함께 사라지다)
2015年1月8日~2月15日 芸術の殿堂 オペラ劇場
出演:キム・ボムレ、チュ・ジンモ、イム・テギョン、パダ、ソヒョン、ハム・ヨンジ(オルタネート)、マイケル・リー、チョン・サンユン、キム・ボギョン、ユ・リア、チョン・ヨンジュ、パク・ジュンミョン、パク・ソングォン、ハン・ドングンほか

チケットはインターパークほかで発売中。

⇒『風と共に去りぬ』フォトギャラリー