第9回「韓国ミュージカルアワード」1月13日開催

韓国ミュージカル協会が主催し、ミュージカル界の1年を総括する授賞式「韓国ミュージカルアワード」。9回目を迎える今年は、広津(クァンジン)区のユニバーサルアートセンターで開催される。

第9回のノミネート作は、2023年12月4日(日)~2024年12月1日の期間、上演された作品のなかから選出された。今年の注目は、最多11部門にノミネートされたODミュージカル制作の新作『イル・テノーレ』だろう。

『イル・テノーレ』は韓国で「日帝強占期」と呼ばれる、日本植民地下にあった1930年代に実在した韓国初のオペラ歌手の半生をモチーフにした創作ミュージカル。過去『バンジージャンプする』『メイビー、ハッピーエンディング』という秀作を生んだ、パク・チョンヒュ&ウィル・アロンソン コンビが初めて大型ミュージカルに挑んだ作品だ。主演賞にノミネートされているホン・グァンホをはじめ、パク・ウンテ、ソ・ギョンスが主人公ユン・イソンを演じ、キム・ジヨン、パク・ジヨンなど経験豊富な実力派俳優をそろえ、話題をさらった。

『イル・テノーレ』30秒スポット

次点の9部門ノミネートとなった『スウィング・デイズ_暗号名A』もまた、日本植民地時代を背景にした作品。アメリカCIAの前身機関、戦略諜報局(OSS)のスパイとなり、朝鮮半島で諜報活動を行った在米韓国人企業家ユ・イルハンをモデルにしたサスペンス作品だ。演出は『ファンレター』『マイ・キュリー』など日本版も上演されたヒット作を手掛けたキム・テヒョン。作曲・編曲には『ジキル&ハイド』『笑う男』『デスノート』などのフランク・ワイルドホーン作曲作品の編曲者としての活動や、日本では『生きる』『東京ラブストーリー』では作曲者として参加したジェイソン・ハウランドを起用し、ユ・ジュンサン、シン・ソンロク、ミン・ウヒョクらトップ俳優を主演に据えるなどスケールの大きさが話題となっていた作品だ。

『スウィング・デイズ_暗号名A』キャスト紹介映像 

また、小劇場作品ながら、7部門ノミネートと健闘している『紅蓮(ホンリョン)』も注目。姉・薔花(チャンファ)を継母の虐待により亡くした妹・紅蓮の復讐劇を描いた古典小説「薔花紅蓮伝」と、王族でありながら親に捨てられ、のちに朝鮮神話の代表的な神となったバリ姫の伝説譚「バリテギ」という2つの古典を組み合わせた作品だ。紅蓮とバリ姫があの世で死後裁判の被告と裁判長として出会うという驚異的な物語を、いま大学路のさまざまな作品で主演を張る女優陣が演じた話題作だ。

10年間『ドラキュラ』の興行を率いたキム・ジュンス、主演賞受賞なるか!?

俳優部門の花形となる主演賞、男性部門は『ドラキュラ』キム・ジュンス、『ヘドウィグ』チョ・ジョンソク、『ジーザス・クライスト・スーパースター』マイケル・リーなど、長年作品のヒットを牽引した面々が際立つ。対して、女性部門は『ハデスタウン』キム・スハ、『ラスト・ファイブ・イヤーズ』ミン・ギョンアをはじめ、次世代俳優が台頭してきていることがよく分かる候補者たちだ。

今年も、授賞式MCは俳優イ・ゴンミョンが務め、音楽監督キム・ムンジョン指揮による「The M.C.オーケストラをバックに、さまざまな「祝賀公演」も披露予定。プレゼンターには、毎年新人賞を授与するチョ・スンウを筆頭に、昨年の受賞者を中心とした豪華面々も参加予定だ。

授賞式の前には午後5時~6時40分までレッドカーペット中継もあり。授賞式も含め、すべてNAVER TVで生中継される。※中継URLはこちら⇒  https://tv.naver.com/l/166370

チョ・スンウは「ミュージカルを大切にしてくださる観客の皆さん! 誠にありがとうございます。喜びと希望と愛が共にする一年になることを祈ります。
第9回韓国ミュージカルアワードでお会いしましょう」とメッセージ

<第9回「韓国ミュージカルアワード」祝賀公演ラインナップ>

①オープニング「ノミネート作品メドレー」出演:イ・ゴンミョン 他新人俳優

②『スウィング・デイズ_暗号名A』楽曲:「方法を探せ」「完全な結婚式」出演:ミン・ウヒョク、チェ・ヒョンジュほか

③『CHICAGO』楽曲:「All That Jazz」出演:チョン・ソナほか

『tick, tick…BOOM!』楽曲:「Come to your senses」出演:キム・スハ

④『ラフ・へスト』楽曲:「私という物語」「君によって」出演:チェ・スジン、パク・ヨンス、キム・イフ、イム・ジンソプ

⑤『明成皇后』楽曲:「民よ立ち上がれ」出演:シン・ヨンスクほか

⑥『ウィキッド』楽曲:「Dancing Through Life」「Defying Gravity」出演:イ・ゴンミョンと新人賞候補者たち(パク・スビン、ソルジ、ヨム・ヒジン、チョン・ハヨン、チョ・ディアナ、キム・ミンソク、シン・ウンホ、イム・ジンソプ、イム・テヒョン)


第9回「韓国ミュージカルアワード」候補

※候補名はすべて写真上段左上から表記

<作品部門>

大賞
『グルーミー・サンデー』/『長い長い夜』/『スウィング・デイズ_暗号名A』
/『イル・テノーレ』/『破果(パグァ)』/『紅蓮(ホンリョン)』
作品賞(400席以上)
『ディア・エヴァン・ハンセン』/『スウィング・デイズ_暗号名A』/『イル・テノーレ』/『カム・フロム・アウェイ』/『キンキーブーツ』
作品賞(400席未満)
『長い長い夜』/『ラスト・ファイブ・イヤーズ』/『島:1933-2019』/『キキの境界性人格障害ダイアリー』/『紅蓮(ホンリョン)』

<俳優部門>

主演賞(女性)
キム・スハ『ハデスタウン』/ミン・ギョンア『ラスト・ファイブ・イヤーズ』/パク・ジヨン『イル・テノーレ』/イ・アルムソル『紅蓮(ホンリョン)』/チャ・ジヨン『破果』/ホン・ナヒョン『紅蓮(ホンリョン)』
主演賞(男性)
キム・ジュンス『ドラキュラ』/マイケル・リー『ジーザス・クライスト・スーパースター』/ユ・ジュンサン『スウィング・デイズ_暗号名A』/イム・ギュヒョン『ディア・エヴァン・ハンセン』/チョ・ジョンソク『ヘドウィグ』/ホン・グァンホ『イル・テノーレ』
助演賞(女性)
キム・ソニョン『ディア・エヴァン・ハンセン』/キム・ジウ『キンキーブーツ』/チェ・ジョンウォン『ハデスタウン』/チェ・ジヘ『パク・ヨル』/ホン・ソヨン『ディア・エヴァン・ハンセン』
助演賞(男性)
コ・ウンソン『グレート・コメット』/シン・ソンミン『イル・テノーレ』/シン・チャンジュ『紅蓮(ホンリョン)』/チ・ヒョンジュン『ハデスタウン』/チェ・ホジュン『イル・テノーレ』
新人賞(女性)
パク・スビン『グレート・コメット』/ソルジ『英雄』/ヨム・ヒジン『ディア・エヴァン・ハンセン』/チョン・ハヨン『蝶・変』/チョ・ディアナ『ベア:ザ・ミュージカル』
新人賞(男性)
キム・ミンソク『ハデスタウン』/ソン・ウヒョン『ジェントルマンズ・ガイド:愛と殺人編』/シン・ウンホ『ランボー』/イム・ジソプ『ディア・エヴァン・ハンセン』/イム・テヒョン『登登(ドゥンドゥン)曲』
アンサンブル賞
『島:1933-2019』/『CHICAGO(シカゴ)』『アニー』/『ジーザス・クライスト・スーパースター』/『カム・フロム・アウェイ』

<創作部門>

プロデューサー賞
キム・ミョンウク、イ・ソンフン、ソン・ハンセム、イム・ヤンヒョク(SHOWNOTE)/パク・ミョンソン(シンシ・カンパニー)/ソル・ドグォン、シン・ドンウォン(S&N Co.)/シン・チュンス(ODカンパニー)/イ・ヒョンジェ(NEOプロダクション)/チョン・ギョンジン
脚本賞
キム・フィジェ『スウィング・デイズ_暗号名A』/パク・チョンヒュ、ウィル・アロンソン『イル・テノーレ』/ぺ・シヒョン『紅蓮(ホンリョン)』/チャン・ウソン『島:1933-2019』/チョ・ユンジ『キキの境界性人格障害ダイアリー』
作曲賞
キム・ウニョン『ウエスタン・ストーリー』/パク・シネ『紅蓮(ホンリョン)』/パク・ジョンア『エタニティー』/ウィル・アロンソン『イル・テノーレ』/イ・ソニョン『島:1933-2019』/ジェイソン・ハウランド『スウィング・デイズ_暗号名A』
編曲・音楽監督賞
グ・ソヨン『カム・フロム・アウェイ』/キム・ムンジョン『スウィング・デイズ_暗号名A』/キム・ソンス『光化門恋歌』/ウィル・アロンソン『イル・テノーレ』/ハン・ジョンリム『ハデスタウン』
演出賞
キム・ドンヨン『イル・テノーレ』/キム・テヒョン『スウィング・デイズ_暗号名A』/パク・ソヨン『カム・フロム・アウェイ』/イ・ジュヌ『紅蓮(ホンリョン)』/イ・ジヨン『ラスト・ファイブ・デイズ』
振付賞
ソ・ビョング『光化門恋歌』/シン・ソンホ『アニー』/イ・ヒョンジョン『スウィング・デイズ_暗号名A』/コナー・ギャラガー『イル・テノーレ』/ホン・ユソン『カム・フロム・アウェイ』
舞台芸術賞
コ・ドンウク(映像)『秘密の花園』/クォン・ドギョン(音響)『イル・テノーレ』/キム・ミギョン(技術)『イル・テノーレ』/キム・ソンへ(ヘアメイク)『ドラキュラ』/アン・ヒョンジュ(衣装)『グレート・コメット』/オ・ピリョン(舞台美術)『スウィング・デイズ_暗号名A』/イ・ヨンジ(舞台美術)『LIZZY』/イ・ウォンソク(舞台監督)『ハデスタウン』/ハ・ドンソン(特殊効果)『ドラキュラ』
児童家族ミュージカル賞
『恐竜は生きている』/『Doodle Pop』/『海 100階建ての家』/『スイカのプール』/『長靴をはいた猫 ビギンズ:プレイバージョン』/『ジャングルブック』

【公演情報】
第9回韓国ミュージカルアワード(제9회 한국뮤지컬어워즈)
2025年1月13日(月) ユニバーサルアートセンター

●公式サイト https://awards.kmusical.kr 

写真はすべて韓国ミュージカルアワード公式インスタグラムより(©社団法人韓国ミュージカル協会)


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