第10回「韓国ミュージカルアワード」1月19日開催

韓国ミュージカル界の1年を総括する授賞式「韓国ミュージカルアワード」。韓国ミュージカル協会が主宰する唯一の受賞式として創立され、節目となる10回目を迎えた今年は、過去最大規模となる世宗文化会館大劇場で開催される。

第10回のノミネート作は、2024年12月2日~2025年12月7日の期間上演した、韓国ミュージカル協会会員の制作会社による有料公演を行った作品のなかから選出された。

第10回「韓国ミュージカルアワード」スポット映像

大賞、作品賞、脚本賞、作曲賞など主要8部門で最多ノミネートとなったのが、『とっても面白いお嬢さんたち』。韓国で2019年に公開されたドキュメンタリー映画『漆谷のお嬢さんたち』をベースに、この作品の監督キム・ジェファンがエピソードをまとめ発表したエッセイ集『楽しく歳をとる』を組み合わせて舞台化したもの。主人公は、京尚北道にある漆谷(チルゴク)郡という田舎町で暮らす80代のおばあちゃんたち。幼い頃に学ぶ機会を与えられず読み書きが出来なかった彼女たちが、ハングルを学び、詩を書くようになって日々ときめきを取り戻してゆく姿を追った感動作だ。『マリ・キュリー』『ファンレター』などを手がけたLIVEが制作し、昨年11月に東京で開催された「K-Musical Roadshow」でもショーケースが披露されたため、観劇した方も多いだろう。

『とっても面白いお嬢さんたち』スポット映像

次点6部門ノミネートとなったのが偶然にも宇宙をテーマにした『ライカ』と『ビハインド・ザ・ムーン』。
『ライカ』は、米ソ冷戦時代の1957年にソビエトが打ち上げた宇宙船「スプートニク2号」に乗せられ、地球軌道を周回した最初の動物として知られる犬、ライカが主人公。ライカが乗った宇宙船が小惑星B612に不時着して、サン・デグジュベリの小説『星の王子さま』に登場する王子さまやバラの姿をしたエイリアンに出会う……という史実にフィクションを合わせたファンタジックな物語。『女神様が見ている』『レッド・ブック』のハン・ジョンソク脚本家、イ・ソニョン作曲家、パク・ソヨン演出家という黄金トリオが再結集し、上演前から話題を集めていた新作だ。

『ライカ』スポット映像

一方、『ビハインド・ザ・ムーン』は、1969年に人類初の月面着陸に成功したNASAの宇宙船アポロ11号の司令船操縦士であったマイケル・コリンズに光を当てた作品。月面着陸した宇宙飛行士ニール・アームストロング、バズ・オルトリンのミッションを成功させるため司令船内に残り任務を遂行し、言わばサポートに徹した男の背景を一人芝居で構成。ユ・ジュンサン、チョン・ムンソン、コ・フンジョン、コ・サンホとキャリア十分の豪華メンバーが主演している。

『ビハインド・ザ・ムーン』ハイライト映像

そして、同じく6部門ノミネートの『ザ・グレート・ギャツビー』は、ODカンパニーのシン・チュンス代表がプロデュースし、ブロードウェイのトップクリエイターを揃えてアメリカで創作。2023年に初演し、翌年の第77回トニー賞では韓国系デザイナーのリンダ・ジョーが衣装デザイン賞を受賞した。2025年にはロンドン、韓国プロダクションも上演され、今年は北米ツアーも実施される。このような制作背景に加え、原作は同名米国小説、キャストもすべて外国人ということもあり、純粋な韓国創作ミュージカルとするには疑問が残るが、長年ブロードウェイ進出にチャレンジし続けているシン代表に対する功労賞的な意味合いもあるノミネートだろう。

『ザ・グレート・ギャツビー』韓国公演スポット映像

作品部門は創作ミュージカルにノミネートが多い反面、俳優部門は海外ライセンスの大型作品や、既に評価を得た再演創作ミュージカルのノミニーが目立っている。加えて、スター俳優が徐々に世代交代していることも実感できる顔ぶれだ。そんななか、『マディソン郡の橋』は、主演賞パク・ウンテ、チョ・ジョンウン、助演賞チェ・ホジュンと、ベテラン勢がノミネートと健闘。3回目の上演にしてようやく作品の評価に繋がったことが伺える。

『マディソン郡の橋』スポット映像

授賞式は今年もMCを俳優イ・ゴンミョンが務め、音楽監督キム・ムンジョン指揮による「The M.C.オーケストラの生演奏で進行される。授賞式に華を添える祝賀公演は、アワードの10周年を記念し、『メイビー、ハッピーエンディング』をはじめ初演から10周年を迎えた創作ミュージカルに焦点を当てたスペシャルオープニングステージは必見だ。

授賞式の模様は、韓国ミュージカルアワードの公式YouTubeチャンネルで1月19日(月)午後7時半から生中継。授賞式の前には午後5時15分からレッドカーペット中継も実施される。


<第10回「韓国ミュージカルアワード」祝賀公演ラインナップ>

①『メイビー、ハッピーエンディング』楽曲:「最後まで終わりじゃない」「ありがとう、オリバー」出演:チェ・スジン、チョン・フィ、パク・セフン

②『アン(ANNE)』楽曲:「あの街角のアン」出演:ソン・ヨンミ、チョン・ダンビ、キム・ギュリ、ソン・ナヨンほか

③『ファンレター』楽曲:「彼女に会ったら』出演:キム・ギョンス、キム・リヒョン

④『小人たち』楽曲:「キリキリ」出演:リュ・ジェユン、イ・ゴニ、チェ・ミヌ、パク・シイン、キム・ドハ、ナム・ミヌ、パク・セヒム、キム・セジン

⑤『韓服を着た男』楽曲「懐かしい」出演:パク・ウンテ

⑥『シャドウ』楽曲「I will survive」「You and I」「No more living in the shadow」出演:ジン・ホ、シン・ウンチョン、チョ・ヨンフィ、パク・ミンソン、キム・チャンホ

⑦『夢遊桃源(モンユドウォン)』楽曲:「桃源の婚礼」出演:ハ・ユンジュ、キム・ソンシク、チョン・ウンヘ、パク・サンヒほか

⑧『ビートル・ジュース』楽曲「That Beautiful Sound」出演:チョン・ソンファ、ホン・ナヒョン、ユ・ミニョン、オ・ホンハク、ソ・ギョンスほか

⑨『こっそりいらして(サルチャギオプソイェ)』出演:イ・ゴンミョン、新人賞候補者(キム・セヨン、ソ・ジウ、ユン・ジウ、カン・ビョンフン、パク・ジュヒョク、ウォン・テミン)、大韓民国国際ミュージカルコンクール入賞者11名、弘益大学公演芸術学部ミュージカル専攻生10名


第10回「韓国ミュージカルアワード」候補

※候補名はすべて写真上段左上から表記

<作品部門>

大賞
『ライカ』/『ビハインド・ザ・ムーン』/『シャドウ』/『とっても楽しいお嬢さんたち』/『ザ・グレート・ギャツビー』/『韓服を着た男』
作品賞(400席以上)
『ミセス・ダウトファイア』/『アラジン』/『メイビー、ハッピーエンディング』/『ONCE』/『ザ・グレート・ギャツビー』/『韓服を着た男』
作品賞(400席未満)
『長い長い夜』/『ビハインド・ザ・ムーン』/『騒がしい私の書店にて』/『シャドウ』/『とっても楽しいお嬢さんたち』/『オストリッチ・ボーイズ』

<俳優部門>

主演賞(女性)
ミン・ギョンア『レッド・ブック』/パク・ジヨン『メイビー、ハッピーエンディング』/ソル・ガウン『長い長い夜』/チョ・ジョンウン『マディソン郡の橋』/ホン・ナヒョン『チャミ』
主演賞(男性)
キム・ソンチョル『ジキル&ハイド』/パク・ウンテ『マディソン郡の橋』/ソ・ギョンス『アラジン』/チョン・ムンソン『ビハインド・ザ・ムーン』/ファン・ジョンミン『ミセス・ダウトファイア』
助演賞(女性)
ソル・ガウン『ミセス・ダウトファイア』/イ・ボムソリ『マリ・キュリー』/チャン・ウナ『デスノート』/チェ・ジョンウォン『メンフィス』/ハン・ボラ『ライカ』/ホ・スンミ『アーモンド』
助演賞(男性)
カン・ジョンウ『とっても面白いお嬢さんたち』/キム・ギョンス『ドリアン・グレイ』/ソ・ドンジン『ライカ』/チョン・ウォニョン『アラジン』/チャ・ユネ『シラノ』/チェ・ホジュン『マディソン郡の橋』
新人賞(女性)
キム・セヨン『スワッグエイジ:叫べ、朝鮮!』/ソ・ジウ『関釜連絡船』/ユン・ジウ『名もなき約束より』/イ・ソンギョン『アラジン』/チェ・ユジョン『ブロードウェイ42番街』
新人賞(男性)
カン・ビョンフン『ベア・ザ・ミュージカル』/キム・ジュンヒョン『おかしな国のチュンジャさん』/ムン・ユガン『ドリアン・グレイ』/パク・ジュヒョク『登登曲(ドゥンドゥンゴク)』/ウォン・テミン『ドゥ・ノット・ディスターブ(Do not Disturb)』
アンサンブル賞
『ムーラン・ルージュ!』/『ブロードウェイ42番街』/『アラジン』/『エビータ』/『ONCE』

<創作部門>

プロデューサー賞
カン・ビョンウォン(LIVE)『とっても面白いお嬢さんたち』『ランボー』『マリ・キュリー』『アーモンド』/シン・チュンス(ODミュージカル)『ザ・グレート・ギャツビー』『デスノート』『ジキル&ハイド』/オム・ホンヒョン(EMKミュージカルカンパニー)『マタ・ハリ』『ファントム』『笑う男』『韓服を着た男』/イェ・ジュヨル(CJENM)『シラノ』『キンキーブーツ』『ムーラン・ルージュ!』『ウェルテル』『ブロードウェイ42番街』/イ・ソンジン(ニュープロダクション)『モーリス』『オルランドー in バージニア』『ワイルド・グレイ』『オストリッチ・ボーイズ』/チョン・ヒジン(ブルーステージ)『シャドウ』『エビータ』
脚本賞
カン・ナム『マッド・ハッタ―』/キム・へジン『とっても面白いお嬢さんたち』/キム・ハンソル『ビハインド・ザ・ムーン』/ヤン・ソヨン『長い長い夜』/オ・ミヨン『おかしな国のチュンジャさん』
作曲賞
キム・ソヨン『ビハインド・ザ・ムーン』/キム・へソン『とっても面白いお嬢さんたち』/パク・ボユン『長い長い夜』/イ・ソニョン『ライカ』/アンディ・ロビンソン『シャドウ』/ジェイソン・ハウランド『ザ・グレート・ギャツビー』
編曲・音楽監督賞
グ・ソヨン『マディソン郡の橋』/イ・ソンジュン『韓服を着た男』/ジュ・ソヨン『メイビー、ハッピーエンディング』/アンディ・ロビンソン、パク・へジョン『シャドウ』/ジェイソン・ハウランド、キム・シャンバーグ『ザ・グレート・ギャツビー』
演出賞
キム・テヒョン『マディソン郡の橋』/パク・ソヨン『ライカ』/パク・ハングン『騒がしい私の書店にて』/オ・ギョンテク『とっても面白いお嬢さんたち』/オ・ルピナ『マッド・ハッタ―』/ファン・ヒウォン『長い長い夜』
振付賞
ソ・ビョング『エビータ』/イ・ヒョンジョン『メンフィス』/チョン・ドヨン『シラノ』/ホン・ユソン『ライカ』/ドミニク・ケリー『ザ・グレート・ギャツビー』
舞台芸術賞
コ・ドンウク(映像デザイン)『ビハインド・ザ・ムーン』/グ・ユニョン(照明デザイン)『エビータ』/クォン・ジフィ(音響デザイン)『ランボー』/故パク・サンヨン(映像デザイン)『とっても面白いお嬢さんたち』/ソ・スクジン(舞台デザイン)『韓服を着た男』/チョ・ユジン(舞台デザイン)『騒がしい私の書店にて』/ポール・テート・デプー三世(舞台デザイン、映像)『ザ・グレート・ギャツビー』
児童家族ミュージカル賞
『ナンバー・ブロックス』/『愛のハチュピン』/『100階建ての家』/『海の100階建ての家』/『おばあちゃんのなつやすみ』

【公演情報】
第10回韓国ミュージカルアワード(제10회 한국뮤지컬어워즈)
2025年1月19日(月) 世宗文化会館 大劇場

●公式サイト https://awards.kmusical.kr 

写真はすべて韓国ミュージカルアワード公式インスタグラムより(©社団法人韓国ミュージカル協会)


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