韓ドラ温故知新 第2回 「2023-24配信韓ドラガイド」⑥ディズニープラス編

■ ディズニープラス 編■

2023年、世界的大ヒット作となった『ムービング』
さいき
さいき

ディズニープラスはその名の通りディズニーアニメや映画を筆頭に、マーベル、ピクサーにスター・ウォーズシリーズなどがすべて見放題。米国発の映像エンタテイメント好きには垂涎のコンテンツが揃っています。
韓ドラに関しては、『キミと僕の警察学校』を皮切りに、2022年からオリジナル作品を配信。ラブコメからクライムものまでジャンルも幅広いですが、特に近年のオリジナル作品は群を抜くクオリティ。加えて強力な独占配信作も増加中でラインナップが充実してきています。

『ムービング』
それぞれに異なる特殊能力をもって生まれた3人の高校生たち。徐々にそのルーツが明かされていくなか、彼らの命を狙う者たちとの闘いが始まる。リュ・スンリョン、ハン・ヒョジュ、チョ・インソン、イ・ジョンハ、コ・ユンジョン、キム・ドフン出演。
さいき
さいき

昨年配信されるやいなや下半期韓ドラの話題を一気にさらったのが『ムービング』でした。各所で絶賛の嵐、韓国の配信コンテンツランキングサイト「Kinolights」では8週連続1位、年間総合ランキング1位を獲得していました。

Kinolightsの2023年総合ランキング
1位『ムービング』/2位『ザ・グローリー~輝かしき復讐~』/3位『浪漫ドクター キム・サブ3』/4位『恋人』/5位『イルタ・スキャンダル~恋は特訓コースで』/6位『復讐代行人~模範タクシー2』/7位『キング・ザ・ランド』/8位『医師チャ・ジョンスク』/9位『ソウルの春』(映画)/10位『犯罪都市3』(映画)
杉本
杉本

2023年の韓ドラ全体を見ても、ディズニープラスの配信作品はクオリティ高かったんじゃないですかね? 『ムービング』以降のラインナップも良かったのでディズニープラスに新規入会して見たっていう韓ドラファンが多かったと思います。

さいき
さいき

昨年は韓国テレビドラマガイドOnlineで、ディズニープラスの配信作3本の出演者インタビューを担当させてもらったので、がっつり集中してドラマを見ましたが、やはり『ムービング』が圧倒的に面白かった。私は、リュ・スンボムが1話から登場して得意なキレのいいアクションを久々に見せてる、というだけでもうブチ上がりました(笑)

リュ・スンボム、チョ・インソン、リュ・スンリョン、ヤン・ドングンなどが登場する『ムービング』アクションシーン撮影ビハインド
杉本
杉本

リュ・スンボムが演じたCIA要員のフランクは原作漫画にはないキャラだそうで。下の動画で原作者のカン・プルが兄のリュ・スンワン監督を通じて直接連絡してキャスティングしたと言っています。チョ・インソンにも直接話したらしくて、ひとりずつ丁寧にキャストを集めていったおかげか、役柄と俳優のシンクロ率が高いですよ。

人気MCジェジェの「文明特急」にゲスト出演した『ムービング』原作者・脚本家のカン・プル
さいき
さいき

チャ・テヒョンが演ってたポンゲマンの役もドラマ用に作ったキャラなんですよね。そうやって集めた各キャラクターのビハインドを1話ずつ明かしていって、全20話構成にしたっていう韓ドラのセオリーを覆した漫画的なエピソードの割り方が斬新だった。

杉本
杉本

カン・プルは、当初12話だった企画をそれでは出来ないと突っぱねたそうです。ディズニープラスを選んだのも、早送り再生機能がないからだとか。自作を映像化するにあたり、かなり慎重に作業していったみたいですよ。

『ムービング』原作&脚本カン・プル、パク・インジェ監督、イ・ソンギュVFXスーパーバイザーによるクリエイティブトーク(Movie-bee公式YouTubeより)
さいき
さいき

最初に7話まで一度に公開したのも視聴者の興味を惹けて良かったと思います。毎回微妙に余韻を残すような終わり方をしてたので、1話ずつ公開だったらストレス溜まって仕方がなかっただろうな、と(笑)

杉本
杉本

そして8話以降からググッと話が動き出すんですよね。それまで描かれていた各キャラクターの伏線が一気に回収されていくので、毎週楽しみに見ていました。

さいき
さいき

コ・ユンジョンとイ・ジョンハの初恋エピソード。ハン・ヒョジュとチョ・インソンのロマンス……とメロ要素の加減もちょうど良くて、さらに親子愛、夫婦愛などヒューマニズム要素も入ってくる。内容てんこ盛りで韓国風に言うなら「総合贈答品セット(종합선물세트)」って感じですよ。

杉本
杉本

制作発表会では、ハン・ヒョジュが劇中同様にイ・ジョンハを息子みたいにフォローしていたのが微笑ましかったです。撮影中も実際にオンマ(ママ)、アドゥル(息子)と呼んでいたとか。最初は「ハン・ヒョジュがお母さん役?」 と思っていたんですけど杞憂でした。まさにお母さんだった。

主要キャスト、監督、脚本家が揃った『ムービング』制作発表会フル映像(聯合ニュース公式YouTubeより)
さいき
さいき

インタビューはヤングチーム3人大人チーム3人を分けて取材したんですけど、みんなとても仲良さそうでした。イ・ジョンハとキム・ドフンは、年上のコ・ユンジョンをヌナ(お姉さん)と呼んでいて、ユンジョン姉さんは一見しっかりしてそうに見えるんだけど、実は結構天然キャラかな?という感じも可愛かった。
一方、リュ・スンリョン、ハン・ヒョジュ、チョ・インソンは、劇中、3人が安全企画部で演じたコミカルなシーンそのままに和気藹々とした雰囲気でしたよ。

チャ・テヒョン&チョ・インソンがお店を運営するリアルバラエティ「見習い社長の営業日誌(어쩌다 사장)」シーズン2ではハン・ヒョジュがゲスト出演。チョ・インソンとの『ムービング』夫婦ケミが見られる
杉本
杉本

世界的にもディズニープラスで最も視聴された韓国ドラマになったので、シーズン2を期待する声も多いです。韓国型ヒーローものをもっと作ろう! 的な盛り上がりも見せていますよね。

さいき
さいき

カン・プル原作・脚本の2作目となる『ライトショップ(原題)』がチュ・ジフンとパク・ボヨン主演で2024年中の配信確定しましたね。ミステリー作品だそうですが、どんな仕上がりになるのか楽しみです。
カン・プルはほかにもヒーローものをいくつか描いていて、『ムービング』には続編的な『ブリッジ』っていう作品があるんですよ。なので、シーズン2というよりもこの『ブリッジ』が映像化されるのでは? と予想しています。

『ブリッジ』(브릿지)
(韓国カカオウェブトゥーンで3話まで無料で読める)
『愛だと言って』
父の不倫により両親が離婚し、幼くして心に深い傷を負ったシム・ウジュ。13年後、突然の父の訃報と共に家を追われたウジュは自分の人生を狂わせた父の再婚相手に復讐を誓う。キム・ヨングァン、イ・ソンギョン、ソンジュン出演
さいき
さいき

『愛だと言って』はキム・ヨングァンとイ・ソンギョンというモデル出身の2人が、華やかなイメージを封印して影のある役柄を演じていたのが新鮮でした。演出は『ミョヌラギ わが嫁たちの物語』が好評だったイ・グァンヨンという女性監督。ちょっと引き気味に撮ったり、上から撮ったりする独特のカメラワークも興味深かったし、フィルターをかけて乾いた感じにした映像全体のトーンも良かった。たぶん『私の解放日誌』を好きな人は、この作品も好きだと思います。

杉本
杉本

『初対面だけど愛してます』の監督さんなので、キム・ヨングァンとは2度目の作品。すでに彼の良さを熟知していたんでしょうね。演じたドンジンのようにこんなしっとりと静かな役にもハマるんだ! という新鮮さもあって、魅せられました。彼はさりげなく相手役を引き立てることもできる俳優ですよね。

キム・ヨングァン、イ・ソンギョン、ソンジュン、キム・イェウォンによる『愛だと言って』キャラクター別TMIクイズ
さいき
さいき

イ・ソンギョンが演じたウジュのように一見ツンツンして冷酷に見えるようなキャラクターを韓国ではよく「까칠하다(カチラダ/気難しい、不愛想)」と形容しますが、実は内面にものすごい優しさをもっている。突き放したいのに、ドンジンに近づいていくほど動揺が隠せなくなっていくウジュが何とも言えず切ないんですよ。

杉本
杉本

復讐から始まりますが、完全に愛の物語ですよね。傷、重荷を背負った男女が互いの存在のおかげで癒されていく、2人のことはもちろん、周囲の人々のことも、都合よく展開しない。心の揺れや様子を端折らずに繊細に描いてあるし、セリフも響きました。OSTもロイ・キムのやさしい歌声がしみました。

『愛していると言ってくれ』
済州島で映画撮影に参加していた無名の俳優チョン・モウン。偶然知り合った聴覚障害をもつチャ・ジヌのことが忘れられずにいたが、ソウルで奇跡的に再会。モウンは少しずつ手話を覚えながらジヌと心を通わせ始める。チョン・ウソン、シン・ヒョンビン出演
さいき
さいき

繊細な心にしみるラブストーリーと言えば『愛していると言ってくれ』もそうでしたね。チョン・ウソンが版権を買って自分で主演までして……と、相当な思い入れが伝わってくる。下に貼ったように、版権を獲得して15年以上も誰にも渡さないでくれと頼んでいたという原作脚本家の北川悦吏子さんのツイートを見て驚きました。

杉本
杉本

聴覚障がいをもつ役だから当然セリフはないけど、心の声のナレーションが入るのでチョン・ウソンのイケボがものすごく映えるんですよ。実は『パラサイト 半地下の家族』が記録を塗り替えるまで長いこと、日本での韓国映画興収1位って『私の頭の中の消しゴム』(2005年日本公開)だったんです。日本原作ものと相性がいいんでしょうね。あの頃に知ったチョン・ウソンの魅力、穏やかなオーラや、醸し出す色気をこのドラマで再び浴びてる気がします。

イ・ジョンジェと共同代表を務める所属事務所「Artist Company」が公開した『愛していると言ってくれ』チョン・ウソン撮影ビハインド
さいき
さいき

昔一度インタビューしたことあるんですけど、あの大きな目で、あまり瞬きもせずジッと相手を見て話されるんですよ。その時一緒に取材した人は完全KOされてました(笑)。彼が演じているジヌは言葉を発することができないので、ジッと見つめて目で訴える。見た者を虜にするあの眼差しをこのドラマで疑似体験できると思います(笑)

チョン・ウソン&シン・ヒョンビンの息の合った様子が見られるELLE KOREAの「ケミ工作所」
杉本
杉本

『愛だと言って』や『愛していると言ってくれ』は、現在主流のロマンス×サスペンス+αといったハイブリッド作、あれこれつめこんだ作品とは一線を画すものでした。時間もゆっくりと流れていく、刺激的な要素がない作品は貴重です。こういう風に作られた作品が生まれたことにも、すごく感謝しています。

『ヴィジランテ』
警察大学でも屈指の優等生キム・ジヨンは、幼い頃に母を惨殺された辛い過去があった。事件から12年後、母殺しの犯人に報復を加え殺害したことを機に、重罪を免れた凶悪犯を次々と私的制裁しはじめる。ナム・ジュヒョク、ユ・ジテ、キム・ソジン、イ・ジュニョク出演。
さいき
さいき

昨年見たなかでは、ナム・ジュヒョクが兵役入隊前最後に出演した『ヴィジランテ』も面白かったです。ウェブトゥーン原作なんですが、原作を見るとなぜ彼が主人公にキャスティングされたのか分かると思います。イケメンキャラでめっちゃ似てるんですよ。

『ヴィジランテ』(비질란테)
(NAVERウェブトゥーンで10話まで無料で読める)
さいき
さいき

ナム・ジュヒョクって、これまで長身と甘いルックスを生かした役が多かったと思うんですけど、今作ではそういった要素をすべて封印しています。いつもは淡々とした佇まいの彼が、感情を爆発させて内面を吐露するようなシーンもあり、あ、こういう演技も出来るんだな、って彼の新境地を見た感じでした。

メインキャスト4人による『ヴィジランテ』ビハインドコメンタリー映像
杉本
杉本

ユ・ジテと顔つき合わせて演技するときも全く引けを取らない迫力でした。ユ・ジテは自分と身長がほぼ同じで体格もいいナム・ジュヒョクがキャスティングされたことで、本気でトレーニングして身体を大きくしたと言っていました。

ユ・ジテの公式YouTubeに公開された「ユ・ジテ×チョ・ホン キャラクターボディづくり」
さいき
さいき

個人的にはイ・ジュニョクを再発見したドラマでした。インタビューのときに「チョ・ガンオクはめっちゃハイテンションなキャラですよね」って訊いたら「ちょうどこういうヘンな役をやりたかった」とノリノリで返してくれて。あ、おもろい人だなと(笑)。
改めて彼のフィルモグラフィーを調べたら多作で役柄も多様。実はカメレオン俳優だと今さらながら気づきました。

杉本
杉本

『リセット~運命をさかのぼる1年~』『ダークホール-愛を奪う闇-』『裸の消防士』など、刑事や消防士が似合う人なんですよね。『秘密の森』のような悪役でも光りますが、敏腕秘書役なんかもしっくりくる。役者としての柔軟性がハンパないというか、何をやらせても出来る人だと思います。

イ・ジュニョク『ヴィジランテ』撮影ビハインド(A-STORY公式YouTubeより)
さいき
さいき

イ・ジュニョクは今年『秘密の森』のスピンオフドラマ『良いか悪いドンジェ』、ハン・ジミンと共演する『挨拶する仲』と主演ドラマが2作も控えているので、2024年下半期は大ブレイクするのでは? と予想しています。

『殺し屋たちの店』
幼い頃に両親を亡くしたチョン・ジアン。親代わりとなって育ててくれた叔父チョン・ジンマンが急死し、やがてジンマンが運営していたあるネットショップの存在を知る。店の倉庫を狙う者たちが次々とジアンの命を狙い始めるが……。イ・ドンウク、キム・ヘジュン、パク・チビン出演。
さいき
さいき

今年に入って見た新作の中で、他を圧倒する面白さだったのが『殺し屋たちの店』でした。『調査官ク・ギョンイ』で完全にイ・ヨンエを食っていたキム・ヘジュンがまたしてもやってくれたというか、こういう役をやらせたら右に出る者はいない素晴らしさでした。イ・ドンウクが裏稼業の叔父さんをミステリアスに演じているのも素敵でした。

杉本
杉本

このドラマは小説原作なんですけど、韓国のディズニープラス公式YouTubeに、珍しく原作の小説家と監督が制作ビハインドを語る動画が公開されていて興味深かったです。このハードボイルドな物語を女性作家が書いているというのに驚いたし、監督は作家の前作を原作にしたドラマ『殺人者の買い物リスト』を2022年に制作していて、コラボ2作目なんですね。

原作小説『キラーたちのショッピングモール』著者カン・ジヨンと、イ・グォン監督のコメンタリー
さいき
さいき

特に男優は兵役を経てるからかな? と勝手に思ってるんですが(笑)、昔から韓国の俳優はガンアクションが上手いんですよね。ゴツいスナイパーたちが大小あらゆる銃器を打ちまくる! 加えてボブヘアの殺し屋ミンへ役クム・ヘナの動きも凄かった。ドローン兵器に四足歩行の犬型ロボットまで登場するアクションシーンの見せ方が面白くて監督の美学を感じたし、こういうバイオレンスシーンなら痛快なので大歓迎です。

キレのいいアクションでバトルシーンを盛り上げた殺し屋ミンへのアクション集
杉本
杉本

ラスボス的に登場するチョ・ハンソンが久々にハマり役!って感じでした。名子役の代表格だったパク・チビンが、大人の俳優として一皮むけた演技を見せているのにも注目してほしいです。

さいき
さいき

ドラマを見ながら、打ち込みを多用したOSTが格好良いなぁと思っていたら、プロデューサーはなんと『D.P.』シリーズ『弱いヒーロー Class1』のOSTを手がけたプライマリーでした(納得)。インタビュー映像が公開されていたので音楽好きな人はチェックしてみてください。

音楽プロデューサー、プライマリーが語る『殺し屋たちの店』アクションシーンの音楽裏話
ELLE KOREA ファッショングラビア撮影と『殺し屋たちの店』叔父&姪のビハインドトーク
『ワンダフルワールド』
息子の命を奪ったひき逃げ犯を自ら葬り、7年の実刑判決を受けたウン・スヒョンが出所。ある事件で家族を失ったクォン・ソンニュルと出会い、同じ痛みを抱える者として何かと気にかけるようになる。キム・ナムジュ、チャウヌ出演
杉本
杉本

私の最近のおすすめは『ワンダフルワールド』です。Netflixの『ザ・グローリー』のように「命がけの復讐」が去年までのスタンダードだとしたら、今年は「どう生き直すか」という段階に進んだんじゃないかなって思った作品です。愛する者を失った人々の絶望や痛みはもちろん、周囲の人々の姿や感情が丁寧に描かれている。私は、復讐と痛み、そして再生の物語として見届けました。

さいき
さいき

チャウヌが大ベテランのキム・ナムジュにどう対峙して演じるのか、キャスト発表時から気になっていて。どう隠しても溢れ出すイケメンオーラは漂っていたものの(笑)、最初の登場シーンからこの作品に賭ける気迫が伝わってきました。

キム・ナムジュ&チャウヌ 日本の視聴者に向けたスペシャルインタビュー
杉本
杉本

私が「おぉ!」となったのは、ジャージャー麺の食べ方。ワイルドでタフな男の香りを漂わせていました。ワントーン下げた発声に、どんより曇った瞳。微笑むこともあるんですが、何か企みを秘めた顔でぞっとするんです。チャウヌの笑顔を怖いと思う日がくるとは! シリアス演技で開花した俳優チャウヌの進化をぜひ見てほしいです。

メインキャスト4人とイ・スンヨン監督による『ワンダフルワールド』1-2話コメンタリー(3-4話もあり
『サウンドトラック #2』
6年間の交際を経て、心のすれ違いが重なり別れてしまったスホとヒョンソ。4年後、青年実業家として成功したが体調が不安定なスホは、医師の勧めで音楽療法としてピアノを習うことになる。教師として現れたのは音楽家の道を諦めたヒョンソだった。クム・セロク、ノ・サンヒョン、ソン・ジョンヒョク出演。
杉本
杉本

『ヴィンチェンツォ』の演出家キム・ヒウォンが手がけるミュージックラブストーリーの2作目『サウンドトラック #2』も個人的に好きな作品でした。今回は「別れた男女の再会」がテーマ。なぜ彼らが別れたか、そしてまた惹かれるか。好きだからこそ言えないこと、勝手に誤解して傷付いたり、成功への嫉妬や焦り、気持ちの揺れだったりが丁寧に描かれています。

さいき
さいき

1作目の『#1』は「長年の親友同士のロマンス」というテーマでパク・ヒョンシクとハン・ソヒが演じたんですよね。今回は『愛と、利と』のクム・セロクと『パチンコ』のノ・サンヒョンと、注目の有望株の共演になりました。

『サウンドトラック #2』1~4話ビハインドコメンタリー
杉本
杉本

『カーテンコール』『エージェントなお仕事』でノ・サンヒョン気になってたんですよ。元カノに未練、いや、恋心ありありでもがく姿はかなり愛おしかったです。人に頼ることを極端に嫌うヒロインって韓ドラにわりと多いと思うんですけど、クム・セロクが演じたヒョンソもそうで。もっと人を信じて甘えてみたらいいのに。なんて思いながら見守っていました。

さいき
さいき

スホが才能を見出すミュージシャン、K役のソン・ジョンヒョクいいなぁと思ってたら、彼自身ネットでの活動から発掘されてデビューした歌手だと知って納得。ヌナを惑わす年下男ポジションがハマっていました。『サウンドトラック』というタイトルだけに、劇中のBGMにも注力してあって、ドラマ映像を使ったMVが韓国ディズニープラスのYouTubeで公開されているので要チェックです!

ハン・スンウ「A Song For You」ミュージックビデオ(ほか3曲のMVも公開中)
さいき
さいき

最後に、いま話題沸騰中の最新作が、韓国を代表する名優ソン・ガンホがついにドラマ初主演した『サムシクおじさん』ですね。Netflixではソル・ギョングが主演する『旋風』も配信予定ですし、今年は映画界の大御所俳優がドラマに次々と参入しています。この流れは2022年にチェ・ミンシクが『カジノ』に主演したのが大きな契機かと。配信系作品の台頭で、映画とドラマの境界がなくなってきたことと、新作がなかなか撮れなくなっている映画界の不況も背景にあると思います。

『サムシクおじさん』
戦時中にも家族を飢えさせなかったことから、通称「三食(サムシク)おじさん」と呼ばれている剛腕事業家パク・ドゥチル。次期大統領選出馬を目指す革新党党首の講演会で、米国留学で経済を学んだ国家再建局職員キム・サンの演説に共感したドゥチルは、彼を政治家に押し上げようと動き始める。ソン・ガンホ、ピョン・ヨハン出演
杉本
杉本

「ドラマは初なので新人俳優のつもりで挑んだ」というソン・ガンホのコメントがニュースになっていましたね。
休戦後の混沌とした時代に、国を豊かにしたいと切望する2人の男の熱き物語。サムシクおじさんと共闘する若き政治家キム・サンをピョン・ヨハンが演じています。久しぶりにドラマで骨太なイメージのピョン・ヨハンが見られるのも嬉しいですね。

ドラマ現場では「新人」なソン・ガンホの「偉大すぎる後輩」エピソードを共演者たちが披露した『サムシクおじさん』制作発表会フル映像(聯合ニュース公式YouTubeより)
さいき
さいき

最初に5話公開されましたが、政界、経済界と軍部、そして裏社会とが密接に絡み合って新キャラが次々と登場するので、頭のなかで関係性を整理しながら見た感じでした。1950~60年代という時代背景についても、少し前知識を入れておくと見え方が変わるかも? 地上波の時代劇みたいに、顔写真入りで人物相関図作ってくれると分かりやすいんだけどな……と思ってたらキター! 韓国公式SNSにUPされてました! やはり韓ドラファンの望むことは同じなんだなと思いました(笑)

『サムシクおじさん』第7話までの人物相関図(ディズニープラス韓国公式Xより
さいき
さいき

上↑のポスターに並ぶメインキャスト以外に、多数登場する助演俳優の顔ぶれにも感服しました。序盤だけでもパク・ヒョックォン、ムン・ジョンウォン、ノ・ジェウォン、イ・ガソプ、チ・ヒョンジュンなど、派手ではありませんが確実に演技が上手くて存在感ある俳優がぞろぞろ出てくる。今後のエピソードにどんな名優が出てくるかも楽しみに見ていきたいと思っています。

『サムシクおじさん』1~5話メイキング映像
メインキャスト6人と監督による『サムシクおじさん』ビハインドトーク #1

⇒2024年、注目の新作は?


©韓劇.com All rights reserved. 記事・写真の無断使用・転載を禁止します。

1件のコメント

ただいまコメントは受け付けていません。