マリー・アントワネット

映像で出会う韓国の舞台!無料配信を続々実施

映像で出会う韓国の舞台!無料配信を続々実施

 

他国に先駆けて新型コロナウイルス感染症の防疫対策を徹底して行ってきた韓国。その手法が世界的に評価される一方で、密閉した空間に多数の観客が集う舞台シーンにおいては、日に日に規制の厳しさが増している。上演中作品の中断や、2~4月に上演予定だった多くの作品が、中止や延期を余儀なくされている状態だ。
そんななか、現在すべての作品が上演休止されている国立劇場をはじめ、公的機関が運営する劇場を中心に、過去のアーカイブなどを期間限定で無料公開する動きが始まっている。

以下に各団体と、映像公開スケジュール、映像へのリンクを紹介する。
(作品題名のリンクは、すべて映像への直接アクセスが可能)

【国立劇場】
国立劇場は、韓国の民俗芸能パンソリと芝居を融合した歌劇「唱劇(チャングク)」を上演する国立唱劇団と、韓国伝統舞踊を基盤とする国立舞踊団が過去に上演したアーカイブ映像を公式YouTubeチャンネルで期間限定無料公開中。

●国立唱劇団『覇王別姫』(2019年作)
公開日:公開中~4月8日(水)まで

●国立舞踊団『墨香』(2017年作)
公開日:公開中~4月10日(金)まで

◆「国立劇場」公式YouTubeチャンネル⇒ https://www.youtube.com/user/ntong2/featured
「国立劇場」公式サイト⇒ https://www.ntok.go.kr


【国立劇団】
国立劇団は、4月6日(月)~17日(金)の2週間、近年上演され好評を得ていた演劇4作品を公式YouTubeチャンネルで公開する。
すべての映像は公開日の午前10時から、24時間限定で公開される。

●『ペスト』(2018年)
公開日:4月6日(月)、13日(月)
原作:アルベール・カミュ 脚色・演出:パク・グニョン(劇団コルモッキル主宰)
出演:イ・チャンウ、カン・ジウン、チョ・ヨンギュ、パク・ヒョンジュン、キム・ハン他

●『ロクサーヌのためのバラード』(2017年)
公開日:4月8日(水)、15日(水)
原作:エドモン・ロスタン『シラノ・ド・ベルジュラック』
脚色:キム・テヒョン 演出:ソ・チュンソク
出演:キム・ジフン、アン・ビョンチャン、アン・チャンファン、ハ・ユンギョン他

●『1945』(2017年)
公開日:4月9日(木)、16日(木)
原作:ぺ・サムシク 演出:リュ・ジュヨン
出演:チュ・イニョン、キム・ジョンウン、パク・ユニ、イ・ボンリョン、キム・ジョンミン他

●『ミス連発』(2016年)※邦題:『間違いの喜劇』
公開日:4月10日(金)、17日(金)
原作:ウィリアム・シェイクスピア
演出:ソ・チュンシク、ナム・グンホ
出演:アン・ビョンチャン、イム・ヨンジュン、イ・ギヒョン、ペク・ソックァン他

このほかにも、公式YouTubeチャンネルでは「短い演劇朗読会(짧은 연극 낭독회)」と題し、国立劇団で2020年に上演予定の作品『趙氏孤児、復讐の種』『満船』『ヨンジ』の朗読映像も先行公開している。

◆「国立劇団」公式YouTubeチャンネル⇒ https://www.youtube.com/user/ntckmaster
「国立劇団」公式サイト http://www.ntck.or.kr


(写真左から)ソウル芸術団の無料公開作品『早い春、遅い冬』『金襴房』『七庶』『青い目のパク・ヨン』©ソウル芸術団

【ソウル芸術団】
ソウル芸術団は「チャンネルSPAC」と題して4月6日(月)~15日(水)に全4作品をNAVER TV「公演チャンネル」とV LIVEの「V MUSICALチャンネル」を通じて公開する。
※公開時間は各日午後7時半から、すべて1回限りの公開となる。

●『早い春、遅い冬』(2015年作)
公開日:4月6日(月)午後7時30分~9時
出演:コ・ミギョン、キム・ドビン、キム・ベッキョン、キム・ソンヨン、パク・ヨンス、チョ・プンレ他

●『金襴房(クムランバン)』(2018年作)
公開日:4月8日(水)午後7時30分~9時20分
出演:キム・ゴネ、チェ・ジョンス、ソン・ムンソン、キム・ヨンハン、カン・サンジュンほか

●『七庶(チルソ)』(2017年作)
公開日:4月13日(月)午後7時半~10時
出演:パク・ヨンス、チョン・ウォニョン、パク・ガンヒョン、チェ・ジョンス他

●『青い目のパク・ヨン』(2013年作)
公開日:4月15日(水)午後7時半~9時50分
出演:イ・シフ、キム・へウォン、パク・ヨンス、チェ・ジョンス、キム・ドビン、チョ・プンレ他

◆NAVER TV 公演チャンネル⇒ https://tv.naver.com/theater
◆V MUSICALチャンネル⇒ https://channels.vlive.tv/EDE229/home
「ソウル芸術団」公式サイト⇒ http://www.spac.or.kr/


【貞洞劇場】
ソウル市庁舎近くに位置し、海外からの観光客も気軽に楽しめる韓国の伝統芸能をベースにした作品を上演している常設劇場「貞洞(チョンドン)劇場」。2月から開幕延期していた『赤壁』は正式に公演中止が発表されたが、上演を準備していた本作を公式YouTubeチャンネルで無観客上演の生中継が行われる。

●『赤壁』
4月8日(水)午後8時より
◆貞洞劇場公式YouTubeチャンネル⇒ https://www.youtube.com/jeongdongtheater
「貞洞劇場」公式サイト⇒ https://www.jeongdong.or.kr

貞洞劇場『赤壁』©貞洞劇場


【南山芸術センター】※4月7日情報追加

1960年代に開館し、韓国現代演劇のメッカとして社会問題を積極的に取り上げた新作演劇を継続的に上演。また日韓演劇交流の場としても活用されてきた南山(ナムサン)芸術センターでは、4月9日~30日まで「NAMSAN FLIX」と題し、6作品のアーカイブがソウル文化財団のNAVER TVチャンネルとYouTubeチャンネルで公開される。

4月13日(月)~15日(水)公開『全ての軍人は可哀そう』(日本公演時タイトル『哀れ、兵士』)広報映像

●『大晦日、またはあなたが世界を記憶する方式』
公開日:4月9日(木)~12日(日)
原作:チャン・ガンミョン 脚色:チョン・ジンセ 演出:カン・リャンウォン(劇団ドン)
出演:キム・ソクジュ、キム・ムニ、ユ・ウンスク、チェ・テヨン、シン・ソヨン
※「韓国が嫌いで」などで注目される若手作家チャン・ガンミョンの同名小説を舞台化。
2018年東亜演劇賞作品賞ほか、主要演劇賞を総なめした作品。

●『全ての軍人は可哀そう』(日本公演時タイトル『哀れ、兵士』)
公開日:4月13日(月)~15日(水)
作・演出:パク・グニョン(劇団コルモッキル)
出演:チャン・ヨニク、ソン・ジンファン、カン・ジウン、ソ・ドンガプ、コ・スヒ他
※芸術人ブラックリスト問題が明るみになったさなかに被害の当事者であったパク・グニョンが「国家とは何か」を問題提起した作品。を2016年に「フェスティバル/トーキョー」でも上演。

●『彼女を言います』
公開日:4月16日(木)~19日(日)
構成・演出:イ・ギョンソン(クリエイティブVaQi)
出演:チェ・ヨハン、ナ・ギョンミン、チャン・スジン、ウ・ボムジン、ソン・スヨン
※セウォル号事件で娘を失った母親にインタビューする形式で進行。クリエイティブVaQiのイ・ギョンソンはノンフィクションをベースに俳優と共同制作するスタイルの作品を多数発表している。

●『7番国道』
公開日:4月20日(月)~22日(水)
作:ペ・ヘリュル 演出:ク・ジャヘ(ここは当然、劇場)
出演:クォン・ウネ、パク・スジン、イ・リ、チョン・バクチャン、チェ・ヨハン
※サムスン半導体工場白血病事件と軍疑問死という、大きな社会問題となった事件の被害者遺族たちの闘いを取り上げた作品。

●『妻の感覚』
公開日:4月23日(木)~26日(日)
作:コ・ヨノク 演出:キム・ジョン(プロジェクト・ホワイル)
出演:ユン・ガヨン、ペク・ソックァン、イ・スミ、チェ・フェジン、ファン・スンミ他
※新作が常に話題となる女性劇作家コ・ヨノクが「三国遺事」で檀君を生んだとされるオンニョ(熊)の神話をモチーフにした創作劇。

●『青の国』
公開日:4月27日(月)~30日(木)
作・演出:キム・スジョン(劇団新世界)
出演:カン・ジヨン、クォン・ミナ、クォン・ジュヨン、キム・ドゥジン、キム・ボギョン他
※1967年アメリカで、ある高校の歴史の授業で行われた実験を基に制作。韓国社会における根本主義、他者への暴力と憎悪を取り上げた作品。

◆「ソウル文化財団」公式YouTubeチャンネル⇒ http://www.youtube.com/user/sfacmovie
◆「ソウル文化財団」NAVER TVチャンネル⇒ http://tv.naver.com/sfacmovie
「南山芸術センター」公式サイト http://www.nsac.or.kr


このほか、平素から韓国ミュージカル、演劇のオンラインストリーミングを実施しているポータルサイト運営のNAVER TVKAKAO TVでは、プレスコールの全編公開や生中継のダイジェストなど公開中の映像を見ることができる。

【NAVER】
◆NAVER TV 公演チャンネル⇒ https://tv.naver.com/theater
◆V MUSICALチャンネル⇒ https://channels.vlive.tv/EDE229/home

●ミュージカル『ドラキュラ』シッツプローブ(2020年2月14日放送分)

●ミュージカル『マリー・キュリー』プレスコールハイライト(2020年3月20日放送分)
●ミュージカル『英雄本色』プレスコール(2020年1月16日放送分)
●演劇『幻想童話』プレスコールハイライト(2019年12月26日放送分)
●ミュージカル『アイーダ』ショーケース(2019年10月28日放送分)


【KAKAO】
◆「メロンチケット公演実演チャンネル」⇒ https://tv.kakao.com/channel/3307050/video

●「第4回韓国ミュージカルアワード授賞式」(2020年1月20日放送分)

●ミュージカル『笑う男』プレスコール(2020年1月14日放送分)
●ミュージカル『マリー・アントワネット』プレスコール(2019年8月29日放送分)
●ミュージカル『シティ・オブ・エンジェル』コメンタリーライブ(2019年8月19日放送分)
●ミュージカル『エクスカリバー』プレスコール(2019年6月18日放送分)

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観客が選ぶ韓国舞台アワード「2019 SACA」結果発表① 作品編

観客が選ぶ韓国舞台アワード「2019 SACA」結果発表① 作品編

 

韓国の舞台情報サイト、ステージトーク(STAGE TALK)http://www.stagetalk.co.kr/ で、観客投票のみで優秀作品/俳優を選定するアワード「2019 STAGE TALK AUDIENCE CHOICE AWARDS」(以下「2019 SACA」)の投票結果が去る12月末に公開された。

「2019 SACA」は2019年11月15日~21日まで事前候補調査を通して作品/俳優を選定後、12月4日~11日までステージトーク会員を対象に本投票を受け付けた。
各賞は演劇とミュージカルに部門を分けて選定されているが、投票は演劇部門で3452人、ミュージカル部門で33110人の投票をもとに集計されている。

以下の投票結果は、ステージトークで発表されたデータを参照。寸評は、投票結果をもとに韓劇.comで独自の解説を執筆した。当ページでは作品部門を紹介する。

各部門投票結果1位まとめページ(STAGE TALK サイト ※韓国語)

●投票結果の詳細データページ(STAGE TALKサイト ※韓国語)

【2019最高の作品】

演劇初演1位『高慢と偏見』(©DAL COMPANY)

●演劇初演部門
1位『高慢と偏見』(오만과 편견)
2位『アナザー・カントリー』(아너더 컨트리)
3位『ドリアン・グレイの肖像』(도리안 그레이의 초상)
4位『島:1933-2019』(섬:1944-2019)

●演劇再演部門
1位『オーファンズ』
2位『R&J』(알앤제이)
3位『プライド』(프라아드)
4位『ヒストリー・ボーイズ』(히스토리 보이즈)
5位『ヴィーナス・イン・ファー』(비너스 인퍼)

演劇初演作品は、ジェーン・オースティンの小説を原作にした英国発作品『高慢と偏見』が1位となった。男優1と女優1の2人で21人ものキャラクターを性別問わず演じ分けるという斬新な手法と、ミッポペウ(믿배우=“信じて観る俳優”の略語)と呼ばれる舞台マニアに人気の高いキャストが揃っていたことも評価を得た要因だろう。

演劇再演1位『オーファンズ』(©RED & BLUE)

また2位『アナザー・カントリー』、3位『ドリアン・グレイの肖像』と、演出家イ・ジナが仕掛けた英国耽美ものの連続上演は、イケメンの新鋭が出演したこともあり、マニア観客の琴線を刺激したようだ。
海外ライセンス作品が大勢を占めるなか、初演で4位となった音楽劇『島:1933-2019』は作品を通じて社会問題に声を上げる創作集団「声(モクソリ)プロジェクト」が『テイル』に続き発表した唯一の韓国創作作品だ。日本占領下の時代にハンセン病患者を隔離収容した小鹿島の哀しい史実と、現代における発達障害児を取り巻く現状という“差別”を時代を超えて描き出した秀作だった。

再演作品は、初演から人気の高い『オーファンズ』が1位となった。今回の再演では初演からのメンバー等に加え、新たに女性キャストも起用。2019年の韓国小劇場作品でブームとなった“ジェンダー・フリー・キャスティング”の先駆者的演出家、キム・テヒョンが男優の役を女優に演じさせるという大胆な手法が関心を呼び、見事成功をおさめた。


創作ミュージカル初演1位『帰還』(©インサイトエンターテインメント)

●創作ミュージカル初演部門
1位『帰還』(귀환)
2位『エクスカリバー』(엑스칼라버)
3位『スワッグエイジ:叫べ、朝鮮!』(스웨그에이지: 외쳐, 조선!)
4位『HOPE:読まれていない本と、読まれていない人生』(호프:읽히지 않은 책과 읽히지 않은 인셍
5位『海賊』(해적)

●創作ミュージカル再演部門
1位『あの日々』(그날들)
2位『ベン・ハー』(벤허)
3位『死の賛美』(사의 찬미)
4位『もしかしてハッピーエンディング』(어쩌면 해피엔딩)

 

創作ミュージカル再演1位『あの日々』(©インサイトエンターテインメント)

創作ミュージカルは、2019年の新作としては最も制作規模が大きかった『エクスカリバー』が1位となるかと思われたが、兵役中の人気アイドルや俳優が大挙出演した陸軍ミュージカル『帰還』が1位となった。『帰還』は朝鮮戦争で犠牲となった兵士たちの遺骨発掘事業をテーマにした作品だったが、『あの日々』の制作会社が上演スタイルを踏襲し、戦争当時と現代の若者像を交差させ、歴史の重みを訴えるだけではない青春物語に仕上げてあったことが功を奏したようだ。また、投票期間に上演中で、出演者のファンたちが熱心に投票に参加したであろうことも得票を伸ばした要因ではないかと思われる。

再演で1位となったのは『あの日々』。老若男女問わず愛されているキム・グァンソクの楽曲の国民的な認知度に加え、こちらも『帰還』と同様に、キャスティングが得票のカギとなったようだ。


海外ライセンス初演1位『キングアーサー』(©R&D Works)

●海外ライセンスミュージカル初演部門
1位『キングアーサー』(킹아더)
2位『メフィスト』(메피스토)
3位『ジェントルマンズ・ガイド』(젠틀맨스 가이드 : 사랑과 살인편)
4位『シティ・オブ・エンジェル』(시티 오브 엔젤)

●海外ライセンスミュージカル再演
1位『マリー・アントワネット』(말리 앙튜아네트)
2位『エリザベート』(엘리자뱃)
3位『ジキル&ハイド』(지킬 앤 하이드)
4位『スウィーニー・トッド』(스위니 토드)
5位『ヘドウィグ』(해드윅)

 

 

ライセンスミュージカル再演1位『マリー・アントワネット』(©EMKミュージカルカンパニー)

2019年は、アーサー王伝説の物語を取り上げた大劇場ミュージカルの新作がほぼ同時期に2本上演されるという偶然が話題となっていたが、『エクスカリバー』に先んじて上演したフランス発の作品『キングアーサー』が海外ライセンスミュージカル初演1位となった。2019年は精力的に新作を舞台に上げた制作会社R&D Worksの野心作とも言える作品で、ストーリー、楽曲ともに韓国向けに大幅な脚色を加えたことが高評価に繋がったようだ。

一方、再演は韓国ミュージカル界におけるオールタイムベストな大劇場作品が並んだ。2019年はビギナーからマニアまで楽しめる強力な定番作品の再演が集中し、舞台シーンを盛り上げる牽引役となっていた。

 

文:さいきいずみ


⇒「2019 SACA」結果発表② 俳優編へ

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[MUSICAL]『笑う男』『エクスカリバー』パク・ガンヒョン、初のソロコンサートを11月開催

[MUSICAL]『笑う男』『エクスカリバー』パク・ガンヒョン、初のソロコンサートを11月開催

 

『笑う男』のグウィンプレン、『エリザベート』のルキーニ、『エクスカリバー』のランスロットと、近年大ヒットミュージカルのメインキャストとして名を連ねているパク・ガンヒョンが、初のソロコンサートを11月に開催する。

2015年に大学路の小劇場作品『ライアータイム』からミュージカル俳優としての活動をスタート。『ベア:ザ・ミュージカル』『イーヴル・デッド』に主演して注目を集め、当時“リトル チョ・スンウ”との異名がつくほど、新人ながら安定した演技力と歌唱力を誇っていたパク・ガンヒョン。以降は『光化門恋歌』『キンキーブーツ』と徐々に大劇場作品で主演を務めるようになり、2018年初演の『笑う男』では、主人公グウィンプレンとして、難易度の高いフランク・ワイルドホーン作曲のナンバーを完璧に歌いこなして一気に評価を上げた。それからはEMKミュージカルカンパニー制作作品の常連俳優となり、現在も『マリー・アントワネット』でフェルゼン役を好演中だ。着実にキャリアップを重ねてきた彼が、今回のコンサートでは、学生時代からデビュー後まで、彼に影響を与えてきた楽曲を選曲し、彼ならではの音楽世界を垣間見ることができる内容になるという。

「メロディ・イン・ブルー」(ME-lody in blue)と題されたコンサートは、『ジキル&ハイド』『フランケンシュタイン』などで舞台監督を務めるイ・ユウォンが総括演出を担当。『ランボー』『ニジンスキー』『HOPE』などを手掛けたシン・ウンギョンが音楽監督を務める。約2時間の公演を14人編成のオーケストラとともに作り上げ、観客の耳と心をガッチリと掴む予定だ。

先日『笑う男』のフィルムコンサートで初来日公演を行い、日本のミュージカルファンにもさらに知名度を上げたパク・ガンヒョンのソロコンサートは、11月26日、27日の2日間、ブルースクエア アイマーケットホールで開催。チケットは10月22日(火)午後2時からインターパーク単独で販売される。


【公演情報】
パク・ガンヒョン コンサート「メロディ・イン・ブルー」
2019年11月26日(火)、27日(水) ブルースクエア アイマーケットホール

<出演>

パク・ガンヒョン

演出:イ・ユウォン/音楽監督:シン・ウンギョン

写真提供:THE PRO ACTORS

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[MUSICAL]第9回「ザ・ミュージカルアワーズ」受賞結果発表

[MUSICAL]第9回「ザ・ミュージカルアワーズ」受賞結果発表

 

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今年のミュージカル賞『キンキーブーツ』の一場面より

韓国の2大ミュージカル賞のひとつである「ザ・ミュージカルアワーズ」の第9回受賞結果が発表された。
今年は、2014年5月から、今年4月まで上演された作品のうち、ライセンス、創作(韓国オリジナル)を含めた出品作26本のなかから選定された。昨年は、韓国フェリー沈没事故(通称:セウォル号事件)の影響で、例年行われていた華やかな受賞式は自粛されていたが、今年も韓国ミュージカル協会から、受賞結果のみが発表されることになった。

受賞結果は以下のとおり。

■今年のミュージカル賞 『キンキーブーツ』(킹키부츠)
■今年の創作ミュージカル賞 『ファリネッリ』(파리넬리)
■主演男優賞 『キンキーブーツ』カン・ホンソク
■主演女優賞 『ONCE』(원스)チョン・ミド
■助演男優賞 『プリシラ』(프리실라)コ・ヨンビン
■助演女優賞 『ブラッド・ブラザーズ』(블러드 브라더스)チェ・ユハ
■男優新人賞 『ファリネッリ』ルイス・チョイ
■女優新人賞 『Zorro(ゾロ)』(조로)キム・ヨジン
■作曲・作詞賞 『ザ・デビル』(더 데빌)Woody Park、イ・ジヘ、イ・ジナ
■脚本賞 『アガサ』(아가사)ハン・ジアン
■演出賞 『ラブレター』(러브레터)ビョン・チョンジュ
■振付賞 『Zorro』ホン・ユソン
■音楽監督賞 『ファリネッリ』キム・ウンギョン
■衣装賞 『マリー・アントワネット』(마리 앙투아네트)生澤美子(いけざわよしこ)
■照明賞 『根の深い木』(뿌리 깊은 나무)シン・ホ
■音響賞 『ザ・デビル』キム・ピルス

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『キンキーブーツ』で主演男優賞を受賞したカン・ホンソク(写真中)

今年の“顔”ともいえる作品賞は、昨年12月から今年2月まで上演した『キンキーブーツ』が獲得した。CJ E&Mががブロードウェイ作品に初めて本格投資して制作し、韓国版も見事大ヒットに導いた本作は、同名映画を原作に、倒産寸前の靴工場をドラァグクイーン御用達のきらびやかなブーツ工場に生まれ変わらせて危機を救うというヒューマンコメディだ。劇中で靴工場に革命をもたらすドラァグクイーンのローラを熱演して作品を大いに盛り上げたカン・ホンソクが主演男優賞を受賞という観客も納得の結果となった。

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主演女優賞を受賞した『ONCE』のチョン・ミド(写真右)

一方、主演女優賞は、アイルランド映画『ONCE ダブリンの街角で』が原作の『ONCE』でヒロインを演じたチョン・ミドが初受賞した。秀作と名高い映画版同様、丁寧な作品づくりと俳優たちが生演奏で繰り広げたライブ感溢れるサウンドで、『キンキーブーツ』のような派手さはないものの上質な心温まる作品に仕上がっていた。チョン・ミドは元来評価の高い演技力に加え、劇中で最も印象深い曲「Falling Slowly」を歌うシーンでピアノを弾くために、演奏をいちから学んで役に挑んだ努力も評価されたようだ。

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『ファリネッリ』で男優新人賞を受賞したルイス・チョイ

最多受賞となる3部門で受賞したのは、今年1月から行われた「創作産室」という創作ミュージカルの新作上演プロジェクトから誕生した『ファリネッリ』。去勢された男性歌手=カストラートのファリネッリの劇的な生涯を舞台化した本作は、4月末には早くも再演されるなど、プロジェクトの上演作のなかでは群を抜いた完成度を見せていた。“カストラートの再来”と呼ばれるほど、驚異の歌声を聴かせて大ヒットの立役者となったカウンターテナーの声楽家、ルイス・チョイが男優新人賞を受賞している。

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『ザ・デビル』のシーン写真より

作曲・作詞賞、音響賞受賞と、サウンド面では昨年8月から11月に上演された『ザ・デビル』が大きく評価された。『ヘドウィグ』『ジーザス・クライスト・スーパースター』など、ロックミュージカルの演出に定評のあるイ・ジナが、ゲーテの「ファウスト」を題材にオリジナル作品として制作。悪魔に魂を売って成功をものにした男と、彼を愛する女、そして二人を破滅に導くデビルの危険な関係を描き、韓国のミュージカルマニアに固い支持を得ていた作品だ。この作品に出演していたマイケル・リーが推薦したという音楽家Woody Parkの作曲によるダイナミックなロックサウンドとともに、ステージにバンドとコーラスを入れたショーミュージカル形式で上演された本作は、韓国では過去に類を見ない世界観を見せていた作品だった。

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『マリー・アントワネット』より

そして日本人にとってうれしいのは『マリー・アントワネット』の衣装デザイナー、生澤美子の衣装賞受賞だ。昨年11月から韓国初演した本作は、一時は栄華を極めながらもフランス革命のさなか、断頭台の露と消えたマリー・アントワネットの波乱の生涯を舞台化したもの。幼少期からフランス王室へ嫁ぐまでの華やかでゴージャスなドレス、革命運動が始まって囚われの身となり凋落した姿……と、マリーの栄枯盛衰を池澤は衣装で見事に表現していた。日本ではミュージカル『レディ・ベス』ですでに披露されていたが、改めて韓国でもその実力を認められる結果となった。

昨年は、セウォル号事件や制作会社の相次ぐ倒産など韓国ミュージカル界はさまざまな危機を迎えた1年と言われていたが、そんな厳しい環境のなかでも着実に成果を残した作品、および俳優が受賞を果たした内容となった。
受賞者・作品のラインナップは、公式サイト(http://www.themusicalawards.co.kr/)で確認できる。

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さいきいずみの「韓劇日誌」Vol.5 

さいきいずみの「韓劇日誌」Vol.5 

 

「“極私的” 2014年韓国公演界総括」

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演出、セット、衣装とすべてリニューアルした『モーツァルト!』

久々にコラム更新です。気が付けば前回から半年以上空いておりました(汗)。韓劇.com正式オープン後は、皆さんに大きな関心をいただきありがとうございました。まだまだ至らない部分も多いですが、2015年もよろしくお願い致します。
韓国の各メディアで年末に公演界の1年を総括する記事が上がっていたので真似してやってみようと思いました…が、普通にやっては面白くないので独断と偏見による、超私的な2014年の感想をUPしてみたいと思います。
さて、昨年1年間でいったい自分は何本舞台を見たのか? 先日チケットの半券を数えてみたところ、舞台関係のトークショーやショーケースなども入れて200本超。おお、こんなに見てたんだなぁと我ながらビックリしました。チケット代にいくらつぎ込んだのか、考えるのも恐ろしいです(笑)。
ピックアップした作品は、2014年の上演作をミュージカルについては3つのカテゴリに分け、一方、演劇は印象に残ったBEST10を紹介したいと思います。作品タイトルにはすべて公演データベースPlayDBのリンクを張りました。気になった作品があったら、調べてみてください。

【ミュージカル部門】

<大劇場 ライセンス作品編>BEST3
『モーツァルト!』
『マリー・アントワネット』
『ウィキッド』
大劇場のライセンスミュージカルは「ミュージカルは曲ありき」を再認識させられた、必殺キラーチューンを持っている作品が並びました。特に“All New”と謳った『モーツァルト!』の再演は、原作のもつ強さを改めて実感しました。新演出は、例えばコロレド大司教のトイレシーンなどベタな部分は必要最小限にし、ヴォルフガングの苦悩に焦点を当てて再構築していたので賛否両論あったと思いますが、私は良かったと思います。そして、安定のイム・テギョン、大躍進のパク・ウンテ、瑞々しさのパク・ヒョシンと、ヴォルフガング役は誰を見てもクオリティを保てていたのが凄かった。ピックアップした他2作に比べて段違いの規模である世宗文化会館での上演、という部分でも意味ある再演だったと思います。『マリー・アントワネット』と『ウィキッド』は初演でありながら、俳優たちの歌や演技、ストーリー構成とトータルで完成度が高く、観劇後の満足度が高かったです。

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2014年最高のヒット作『フランケンシュタイン』

2014年最大の話題作『フランケンシュタイン』が入ってない! と思われる方、多いと思いますが、個人的には結構シビアに見ました。韓国映画やドラマによくある幼少時のトラウマから成る話。ストーリーライン(特に2幕)はかなり大雑把な構成でしたし、音楽が耳に残らなかったです。俳優個々の歌や演技はハイレベルですし、豪華なステージなので劇場で見ているときは、とても楽しいのですが、観劇後に何か心に残るか? といったら疑問が残りました。11月から再演が決まっているので、この作品が韓国を代表する創作ミュージカルとして名を残せるかどうかは、今年が正念場だと思います。
同じく、多くの方がご覧になったであろう『ドラキュラ』は回転するセットを中心に置き、スピーディーに展開していて見ごたえはあったのですが、もっとドラマチックに盛り上がるか……というところでアッサリ終わってしまう物足りなさが残りました。また、レンフィールド役のイ・スンウォン、ルーシー役のイ・ジへなど、若き助演陣の熱演が賞賛されていましたが、裏を返せば彼らがシーンスティーラーとなってしまうほど主要キャストの描写が弱かった、ということではないでしょうか?

<中・小劇場 創作ミュージカル編>BEST3

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魂のこもった歌が、深い感動を呼ぶ『西便制』

『西便制(ソピョンジェ)』
『ザ・デビル』
『サリエリ』
声(ソリ)に人生をかける父娘の壮絶な生き様を、魂の歌パンソリに乗せて描く『西便制』は3度目の再演も変わらぬクオリティでした。特に娘ソンファを演じる本物のソリクン(=パンソリの歌い手)であるイ・チャラムの神がかったパンソリを聴いて、心を動かされない人はいないでしょう。洋もののような華やかさはないものの、一歩間違うと垢抜けないローカル感が出てしまう作品世界を韓紙を使ったシンプルなセットでスタイリッシュに見せていました。決して気楽に見られるストーリーではありませんが、こういう作品こそ、韓国を代表する創作ミュージカルとして大切に育て、公演を続けてほしいと思っています。

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独創的な作品世界で評価が分かれた『ザ・デビル』

新作では『ザ・デビル』が個人的には最も印象に残った作品でした。当初制作会社はドゥサンアートセンターで『ママ、ドント・クライ』の上演を企画していたものの、作品に対し劇場が大きすぎると判断。そこで演出イ・ジナがブロードウェイで見た『ファウスト』にインスパイアされて、新たに“ショーミュージカル”を創作しよう、ということになったのだそうです。ゴシックロックをベースにしたスコアはクオリティ高く、ライティングを駆使した立体的なセット、舞台上で生演奏を見せる演出など見どころ満載でした。しかし「ファウスト」の世界観を知らないと筋が難解なことや、演奏やコーラスが目立ちすぎ、サウンドのボリュームが大きいなどの観客の声を反映して、公演中盤からはライブ感がスポイルされてしまったのは残念。メディアでは賛否両論でしたが、こういう実験的な作品を創作・上演したこと自体を称賛したいです。グレードアップして再演する日を楽しみに待ちたいと思います。

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10月プレミアムコンサート開催!『サリエリ』

『サリエリ』は演出、衣装など色々と危なっかしい部分はありましたが、なぜか中毒性の高い作品でした。モーツァルトの才能に嫉妬するサリエリの心を具象化したジェラスが『エリザベート』におけるトートのように魅惑的に描かれていたのも面白かったです。
2013年に小劇場で大ヒットし、中劇場にランクアップして注目を浴びたのが『共同警備区域JSA』『女神様が見ている』でした。しかし、いずれも小劇場版を凌ぐことはできず。2作品ともベースはしっかりしている作品ですから大きく崩れることはなかったものの、より大衆向けにしたかったのか、説明的描写が追加されたことで作品全体の緊張感が失われてしまいました。劇場をサイズアップする際にいかに構成し直すか……小劇場創作ミュージカルが抱える課題を見た気がしました。

<惜しかったで賞編>
『ヴォイツェック』 『太陽王』 『プリシラ』
『シンギン・イン・ザ・レイン』
派手な宣伝に比べ、作品力が伴わなかった4作です。LGアートセンターで上演した『ヴォイツェック』『プリシラ』は作品に対して舞台が大きすぎると感じました。『太陽王』『シンギン・イン・ザ・レイン』は大舞台で構成可能な作品でありながら演出は小劇場方式。俳優の頑張りが作品に反映できていないのも残念でした。

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韓国版に見事に昇華した社会派ドラマ『背水の孤島』

【演劇部門】BEST10

『背水の孤島』
『少年Bが住む家』
『道を去る家族』
『マクベス』
『フランケンシュタイン』
『メフィスト』
『飛行少年KW4839』
『愉快な下女マリサ』
『私に会いに来て』
『デス・トラップ』

 

演劇では、劇団TRUSHMASTERS中津留章仁原作『背水の孤島』が個人的ベストでした。セウォル号沈没事故で韓国社会が激震中のなかで上演。演劇界で注目を集める気鋭の演出家キム・ジェヨプが、アイロニカルな作品世界を十分に読み取り、実力派俳優たちとともに韓国版に再生させた秀作でした。本作と、少年犯罪を犯した家族の苦悩を描いたCJクリエイティブマインズ発の作品『少年Bが住む家』は観劇中に涙が止まらないほど心を揺さぶられました。『背水の孤島』は公演中のアフタートークをリポートしていますので、ご興味ある方はお目通しください。
韓国のゴッホと呼ばれるイ・ジュンソプを取り上げた『道を去る家族』は演戯団コリペのイ・ユンテク作・演出作品。日本で美術を学び、才能を開花させた画家が、愛する日本人の妻や家族と別れて暮らさねばならなかった半生を知るきっかけとなりました。ジュンソプ役、チ・ヒョンジュンが劇中で描き上げる牛の絵や、絵画から飛び出してきたような舞台美術がとにかく素晴らしかったです。

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パク・ヘスが圧巻の演技!『フランケンシュタイン』

『マクベス』『フランケンシュタイン』はともにパク・ヘス主演作。ダイナミックで入魂の熱い演技を見せてくれた彼あってこその作品でした。『フランケンシュタイン』は日本でもNTLiveで公開された英国版が原作ですが、ワン・ヨンボム版の創作ミュージカルと比較すると、こちらのほうがストーリーラインがしっかり構築されていたと思います。
『メフィスト』『飛行少年KW4839』『愉快な下女マリサ』(プラス、『背水の孤島』も)は舞台美術をヨ・シンドンが担当した作品。それぞれに作品自体も面白かったのですが、独創的かつアーティスティック、反面、キッチュなポップさも持ち合わせた彼が生み出すセットは、韓国でいま一番面白く、作品のクオリティを上げるのにも一役買っていると思います。『メフィスト』については主演女優チョン・ミドの怪演も光っていました。
5年ぶりに再演した、映画『殺人の追憶』の原作でもある『私に会いに来て』、同名映画が有名な作品をキム・スロプロジェクトが初演した『デス・トラップ』は推理サスペンスでしたが、どちらも笑えるコミカルなシーンを盛り込みながら、しっかりとした推理劇に仕上げてありました。
ほかにも、イ・ジェギュンが東亜演劇賞・新人演技賞を受賞した『家族という名の部族―TRIBES』や、『アリバイ年代記』『背水の孤島』のキム・ジェヨプによる新作『なぜ私は小さなことにのみ憤慨するのか』などなど10本に収めるのが困難なほど、素晴らしい作品にたくさん出会うことが出来ました。

韓国の公演界全体を見ると、2013~14年前半までに業界を支配していた妙な高揚感は見事に消え去りました。多くの来日公演が成果を上げられず、日本で多くのメディアが展開している嫌韓的な報道がボディーブローのように効いてきているため、観光もエンタメも中国向けにシフトしています。いくつかのミュージカルが中国公演を標ぼうしているので、そのうちアイドルを起用したミュージカルなどは日本ではなく中国で公演を始めるのではないでしょうか? さらに最近危機感を覚えているのが、大型ミュージカルのチケット価格設定です。VIP席14万ウォン基準になり、今年は15万ウォンの作品も出てくるかもしれません。昨年から急激に円安が加速したこともあり、現時点のレートで1万5千円越。日本国内作品の平均価格をついに超えました。もちろん、韓国ではさまざまな割引を駆使して定価で購入する人はほとんどいませんが、韓国の平均所得を考えると割引をしても高すぎます。前売りは定価で購入するしかない私たち日本の観客にはますます厳しい状況です。ここ数年で韓国ミュージカルに魅了され、韓国まで観劇にいらっしゃっている方は多いと思います。今年は話題性のみならず、作品性もしっかりと見極めて、大劇場から小劇場まで、より幅広い作品を観てみてほしいなと思います。

2015年の公演ラインナップは近日公開予定です。一人でも多くの方が素晴らしい作品に出会えますように!

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[PHOTO]ミュージカル『マリー・アントワネット』プレスコール

[PHOTO]ミュージカル『マリー・アントワネット』プレスコール

 

10月31日 シャーロッテシアター

出演:オク・ジュヒョン、キム・ソニョン、ユン・ゴンジュ、チャ・ジヨン、ユン・ヒョンリョル、KAI、チョン・ドンソク、ミン・ヨンギ、キム・ジュンヒョン、イ・フンジン、イム・ガンヒ、パク・ソヌ、ムン・ソンヒョク、キム・ヨンジュほか

演出:ロバート・ヨハンソン 作曲:ミハイル・クンツェ 脚本・作詞:シルヴェスター・リーヴァイ

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[MUSICAL]日本版からアップグレードを目指した韓国初演『マリー・アントワネット』プレスコール

[MUSICAL]日本版からアップグレードを目指した韓国初演『マリー・アントワネット』プレスコール

 

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マリー・アントワネット役、オク・ジュヒョンとフェルゼン役のKAI

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マリー・アントワネット役キム・ソヒョンとフェルゼン役ユン・ヒョンリョル

 

2006年に日本で東宝が制作し世界初上演した『マリー・アントワネット』の韓国版初演がいよいよ開幕。初日を前に、10月31日、蚕室のシャーロッテシアターでプレスコールが開催された。
司会は女優、MCとして日本でも活躍するキム・テイが担当。スムースな進行でプレスコールを盛り上げた彼女曰く、日本初演とはかなり変わった部分が多いと語り、韓国版の期待を膨らませてくれた。

作品解説は、演出のロバート・ヨハンソン自らが登壇するという力の入れよう。もともとこの作品の原題がマリー・アントワネットとマルグリッド・アルノーのイニシャルを取った『M.A』であったこと、地位が徐々に上がっていくマリーと常に底辺で飢えているマルグリッドという対照的な2人の女性の人生が交錯していく物語であると解説していた。さらに原作の作曲家であり『エリザベート』『モーツァルト』などの名作ミュージカルを創り上げたシルヴェスター・リーヴァイと脚本・作詞家のミハイル・クンツェが登壇し、東宝の依頼で日本版を最初に制作したこと、その後ドイツで公演も実現したことを説明。今回の韓国版を制作するにあたり、マリー・アントワネットという人物によりフォーカスしようとロバート演出と試行錯誤していったとのこと。この韓国公演がワールドプレミアのようにドキドキしていると語っていた。

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・ (写真左から)脚本・作詞のミヒャエル・クンツェと作曲・編曲のシルヴェスター・リーヴァイ

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演出のロバート・ヨハンソンと”首飾り事件”のシーンに登場するネックレスのレプリカ

また、ロバートは史実である有名な“首飾り事件”の場面に登場する、ダイヤモンドのネックレスのレプリカを制作したことを発表。マリーがこの事件により民衆の反感をさらに買ってしまうシーンでの重要なピースとして制作したと語っていた。

韓国公演はマリーをひとりの人間としてとらえ、悲劇的な人生に焦点を当てるため周囲のキャラクター描写を大幅に修正。過去の公演ではもっと大きかったマルグリッドの比重を抑え、フェルゼンとの愛や、オルレアン公を重要なキャラクターに据えたりとストーリーを再構築したことが最も大変な作業だったそうだ。

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マリー・アントワネット役、オク・ジュヒョンとキム・ソヒョン

オク・ジュヒョンはマリー・アントワネットを演じるにあたり、ロバート演出家から勧められた本を読んだそうで「とても厚い本で、普段そういう本は読まないほうなのに頑張って読んだ」と語った。一方、キム・ソヒョンは愛着のあるシーンを問われ、個人的にマリーが息子を奪われるシーンが胸が痛むと、自身も息子を持つ母親らしいコメントをして注目された。

マルグリッド役、ユン・ゴンジュとチャ・ジヨン

マルグリッド役、ユン・ゴンジュとチャ・ジヨン

 

フェルゼン役、KAI、ユン・ヒョンリョル、チョン・ドンソク

フェルゼン役、KAI、ユン・ヒョンリョル、チョン・ドンソク

トリプルキャストのフェルゼン役は三人三様の個性をもつ若手俳優が揃った。なかでも今回EMK作品に初参加となるKAIはオーディションの際に衣装まで準備して挑み、見事役を勝ち取ったとのこと。「衣装で選ばれた(笑)と後で話を聞きましたが、こうして出演できて光栄です。オク・ジュヒョンさんのように分厚い本は読まなかったけど、池田理代子の『ベルサイユのばら』全巻を古本で買って読みました(笑)」と語り、笑いを呼んでいた。

オルレアン公役、ミン・ヨンギ、キム・ジュンヒョン

オルレアン公役、ミン・ヨンギ、キム・ジュンヒョン

オルレアン公役はEMK作品の常連俳優となったミン・ヨンギと本作がEMK作品初出演となるキム・ジュンヒョンが務める。「オルレアンは一言で言うと悪いヤツです(笑)」というミン・ヨンギは「オルレアンにもそうせぜるをえない理由があり、歌詞にもあるが、ルイ16世に代わり自分が王になってフランスの栄光を取り戻したいという意図があると思います」と自身が演じるキャラクターを紹介していた。

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マダムランベール役イム・ガンヒ/ジャック役パク・ソヌ/デザイナー ローズ・ベルタン役キム・ヨンジュ/ヘアデザイナー レオナール役ムン・ソンヒョク

韓国では女性が主人公の作品は集客が難しいとの懸念もあるそうだが、『ベルサイユのばら』でもおなじみのエピソードが展開すること、また衣装は『レディ・ベス』を手掛けた生澤美子と、日本の観客にとっては見どころも多い韓国版『マリー・アントワネット』。日本版をすでに見た人は変更が加えられた部分を探しながら観劇するのも一興。煌びやかな舞台と衣装、実力派キャストによる高い歌唱力も堪能できるこの冬最高の話題作になるのは間違いなさそうだ。

【公演情報】
ミュージカル『マリー・アントワネット』
11月1日~2015年2月1日 シャーロッテシアター
出演:オク・ジュヒョン、キム・ソニョン、ユン・ゴンジュ、チャ・ジヨン、ユン・ヒョンKAI、チョン・ドンソク、ミン・ヨンギ、キム・ジュンヒョン、イ・フンジン、イム・ガンヒ、パク・ソヌ、ムン・ソンヒョク、キム・ヨンジュほか

チケットはインターパークほかで発売中

⇒『マリー・アントワネット』プレスコール フォトギャラリー

さいきいずみの「韓劇日誌」Vol.1

さいきいずみの「韓劇日誌」Vol.1

 

「何見る!? 2014韓国ミュージカル」

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豪華キャストが勢ぞろい!ミュージカル「フランケンシュタイン」

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Facebookでは先行公開しておりました、今年の韓国ミュージカルラインナップです。画像をダウンロードして今年の観劇計画に役立てていただければと思います。

※無断転載、商用利用はご遠慮ください。また、表中の日程は確定したものではありませんのでご注意ください。

2013年に比べると作品数減。大型作品の新作は数えるほどしかありません。海外ライセンスの新作はEMKの「太陽王」「マリー・アントワネット」と、フランス王宮ものが目立っている一方、「プリシラ」「キンキーブーツ」というドラァグクイーンが主人公の作品が面白そうです。今年は「ヘドウィグ」「ラ・カージュ」の再演もありますので、何気に“綺麗なお兄さん(オネエさん?)”がたくさん観れる1年ですね。

韓国オリジナル作品は何と言っても「フランケンシュタイン」がキャスティング、制作規模ともに群を抜いた豪華さです。あとは作品自体のクオリティが高ければ、韓国から海外に向けて本格発信できる大型ミュージカルの先駆となれるでしょう。中、小劇場作品では「シャーロック・ホームズ2~ブラッディ・ゲーム」「共同警備区域JSA」は必見作。「~ホームズ」はパート1の日本版が2月に上演されたのでご覧になった方も多いはず。パート2は“切り裂きジャック”の話がベースになっています。「~JSA」は昨年のトライアル公演を好評に終え、劇場サイズを格上げして早くも本公演化。予習したい方は舞台版とは若干違いますが、イ・ビョンホン、ソン・ガンホらが主演した、パク・チャヌク監督の映画「JSA」(2000年)を観てお出かけください。

2014公演ラインナップmusical2再演作品では「スウィーニー・トッド」がもっともホットな話題を提供しています。初めて韓国ミュージカルの演出を手掛ける宮本亜門さんが、オーディションを実施し、「やはり声が生半可じゃない!」と韓国俳優を絶賛するツイートをされるほど。豪華キャスト発表を楽しみにしておきましょう。

そして、10年ぶりの「ブラッド・ブラザーズ」、6年ぶりの「ギャンブラー」(偶然2作とも過去にイ・ゴンミョンさんが出演)や、5年ぶりの「思春期」、かつてはこの作品がMミュージカルの代表作だった「愛は雨に乗って~サ・ビ・タ」が3年ぶりにカムバック、など久々の再演作品も気になります。また、昨年から制作予定に入っていた「嫌われ松子の一生」や今年新たにラインナップに入ってきた「ナミヤ雑貨店の奇蹟」、そして2年ぶりに再演する「深夜食堂」など、日本原作の作品は、ストーリーをご存知の方も多いと思いますので、韓国語のセリフがまだ聞き取れなくても楽しめるのではないかと思います。

すでにリピーターの方も多いですが、韓国ミュージカルは情熱的な俳優とノリの良い観客たちと一緒に楽しめる本場韓国で観るのが断然楽しいです。まだ韓劇デビューしていない方は、思い切って飛んでいらっしゃることをおすすめします!

 

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