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さいきいずみの「韓劇日誌」Vol.4

さいきいずみの「韓劇日誌」Vol.4

 

「韓国創作ミュージカルの課題①」 ライセンス作品にはない“違和感”

column

「韓国創作ミュージカルはここまできたか!」と各方面で大絶賛!
2014年上半期最高の話題作「フランケンシュタイン」プレスコールより

今年の韓国ミュージカル界は「フランケンシュタイン」の大ヒットや「シャーロック・ホームズ」「ブラック メリー・ポピンズ」の日本版上演などで、“創作ミュージカル(창작뮤지컬)”と呼ばれる韓国オリジナル作品の話題でもちきり。昨日ノミネートが発表された「ザ・ミュージカルアワーズ」を筆頭に、今年のミュージカル関係の授賞式では創作ミュージカルに多数の賞が与えられることでしょう。

すでにお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、近年制作・上演された創作ミュージカルには共通する3つのキーワードがあります。

①タイトルロールが海外の歴史的著名人
②サスペンス仕立てのストーリー
③事件の発端はトラウマ

①については実在する、しないを問わず、その名を聞けば世界中の誰もがキャラクターをイメージできる人物がタイトルロールになっています。

「フランケンシュタイン」
「シャーロック・ホームズ」
「アガサ」(アガサ・クリスティ)
「ブラック メリー・ポピンズ」
「アルセーヌ・ルパン」
「ジャック・ザ・リッパー」(切り裂きジャック)

などなど。下半期にEMKが上演するのは、歴史に名を残す女スパイの物語「マタ・ハリ」ですし。

②については、上でズラリと挙げた作品すべてが殺人や事件の背景を追っていくサスペンスものであり、その発端はキーワード③の「トラウマ」が背景にある作品が多いんです。

近年の韓国ミュージカル界は、いくつかの海外ライセンスミュージカルのヒットによって、市場の拡大を印象づけた一方で、例えば、実はオリジナル作品がそれほど評価を得られていなかった作品を買い、韓国版を上演していたりして、版権ビジネスのターゲットになった印象があります。
加えて、日本では頭打ちなドラマやK-POPに次ぐ、第3の韓流を狙った韓国ミュージカルの上演が増加。海外ライセンス作品は日本での上演が困難な作品が多いことから、韓国オリジナル作品を制作してライセンスを売る側に転じようとする動きに拍車がかかったわけです。しかし最近では日本での上演はあくまでステップに過ぎず、いま韓国エンタメ業界のすべてが目を向けている中国市場での展開が最終目標、と言われるようになってきました。

海外の著名なキャラクターを主人公に据えれば、衣装やセットの世界観なども含め、作品を作りやすいというのはあるでしょう。これまで海外ライセンス作品を制作してきたノウハウの蓄積で、雰囲気は出せていると思います。しかし、創作ミュージカルを見ていると海外ライセンス作品や海外の演出家を招聘した作品などにはない違和感を時折覚えるんです。時代設定があまり考慮されていないようなセットや衣装。劇中にいきなりローカルな展開が盛り込まれる~~例えば、叱られて反省するときに両手を挙げて正座する、など韓国でしか通用しない所作がヨーロッパを舞台にした作品に登場したりするわけです。もちろん、お遊び的に入るのは楽しくていいと思うんですが、それが結構、真剣に、無意識に、行われている。これを演出家も役者も気づいていないのはどうかな、と思います。

設定や登場人物に違いがあるとはいえ、似通ったサスペンスやスリラー作品が多いのも気がかりです。既存の韓国映画やドラマを見ても、過去のトラウマに起因するダークでウエットな物語を作るのは得意中の得意。復讐劇などネガティブなストーリーのほうが、韓国の観客たちもカタルシスを得やすいんだろうな、と思います。ただ個人的には、観劇中は面白くても見終わった後に深い感動まで得られる作品は少ないです。ほかにも海外ライセンス作品に登場した、“既視感”のあるセットやシーンが多い……とか、欲を言えば、セットデザインはひたすらモノや装飾を投入してデコラティブにするんじゃなくて、照明の効果を上手く利用した、もっとシンプルでモダンな感じにできないかな……とか。ついつい色々と考えながら観劇してしまっています。

いまはとにかく創作ミュージカルの制作規模を拡大させている過渡期ですから、しばらくはヒット作をロールモデルにした類似作が量産されるでしょう。しかし、今後は観劇後に温かな気持ちにさせてくれるようなロマンチックコメディや重厚で見ごたえあるヒューマンドラマなど、作品性を多様化させたり、革新的な衣装やセットが楽しめる作品が増えることを期待しています。

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さいきいずみの「韓劇日誌」Vol.1

さいきいずみの「韓劇日誌」Vol.1

 

「何見る!? 2014韓国ミュージカル」

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豪華キャストが勢ぞろい!ミュージカル「フランケンシュタイン」

2014公演ラインナップmusical1

 

Facebookでは先行公開しておりました、今年の韓国ミュージカルラインナップです。画像をダウンロードして今年の観劇計画に役立てていただければと思います。

※無断転載、商用利用はご遠慮ください。また、表中の日程は確定したものではありませんのでご注意ください。

2013年に比べると作品数減。大型作品の新作は数えるほどしかありません。海外ライセンスの新作はEMKの「太陽王」「マリー・アントワネット」と、フランス王宮ものが目立っている一方、「プリシラ」「キンキーブーツ」というドラァグクイーンが主人公の作品が面白そうです。今年は「ヘドウィグ」「ラ・カージュ」の再演もありますので、何気に“綺麗なお兄さん(オネエさん?)”がたくさん観れる1年ですね。

韓国オリジナル作品は何と言っても「フランケンシュタイン」がキャスティング、制作規模ともに群を抜いた豪華さです。あとは作品自体のクオリティが高ければ、韓国から海外に向けて本格発信できる大型ミュージカルの先駆となれるでしょう。中、小劇場作品では「シャーロック・ホームズ2~ブラッディ・ゲーム」「共同警備区域JSA」は必見作。「~ホームズ」はパート1の日本版が2月に上演されたのでご覧になった方も多いはず。パート2は“切り裂きジャック”の話がベースになっています。「~JSA」は昨年のトライアル公演を好評に終え、劇場サイズを格上げして早くも本公演化。予習したい方は舞台版とは若干違いますが、イ・ビョンホン、ソン・ガンホらが主演した、パク・チャヌク監督の映画「JSA」(2000年)を観てお出かけください。

2014公演ラインナップmusical2再演作品では「スウィーニー・トッド」がもっともホットな話題を提供しています。初めて韓国ミュージカルの演出を手掛ける宮本亜門さんが、オーディションを実施し、「やはり声が生半可じゃない!」と韓国俳優を絶賛するツイートをされるほど。豪華キャスト発表を楽しみにしておきましょう。

そして、10年ぶりの「ブラッド・ブラザーズ」、6年ぶりの「ギャンブラー」(偶然2作とも過去にイ・ゴンミョンさんが出演)や、5年ぶりの「思春期」、かつてはこの作品がMミュージカルの代表作だった「愛は雨に乗って~サ・ビ・タ」が3年ぶりにカムバック、など久々の再演作品も気になります。また、昨年から制作予定に入っていた「嫌われ松子の一生」や今年新たにラインナップに入ってきた「ナミヤ雑貨店の奇蹟」、そして2年ぶりに再演する「深夜食堂」など、日本原作の作品は、ストーリーをご存知の方も多いと思いますので、韓国語のセリフがまだ聞き取れなくても楽しめるのではないかと思います。

すでにリピーターの方も多いですが、韓国ミュージカルは情熱的な俳優とノリの良い観客たちと一緒に楽しめる本場韓国で観るのが断然楽しいです。まだ韓劇デビューしていない方は、思い切って飛んでいらっしゃることをおすすめします!

 

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