共同警備区域JSA

[MUSICAL]『共同警備区域JSA』イ・ジョンヨル&チョン・サンユン 追加キャスティング!

[MUSICAL]『共同警備区域JSA』イ・ジョンヨル&チョン・サンユン 追加キャスティング!

 

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追加発表されたジグ・ベルサミ役のイ・ジョンヨル(左)とキム・スヒョク役のチョン・サンユン

2015年も実力派キャストを揃えて再演に臨むミュージカル『共同警備区域JSA』に、昨年の本公演に出演していたイ・ジョンヨルとチョン・サンユンの追加キャストが発表された。

『共同警備区域JSA』は、イ・ビョンホン、ソン・ガンホらが主演したパク・チャヌク監督の映画『JSA』(2000年)の原作にもなった小説家パク・サンヨンのベストセラー「DMZ」をもとに舞台化したもの。現在も冷戦状態が続く南北朝鮮半島分断の象徴でもある板門店を中心に、この一帯は共同警備区域(JSA=Joint Securiry Area)とされている。このJSAで起きた北朝鮮人民軍の兵士が射殺される事件の謎を紐解きながら、その背景にある南北5人の兵士たちの秘めた友情物語が描かれる。

今回追加キャストとして発表されたイ・ジョンヨルは、殺人事件を捜査するために中立国停戦監視委員会の参加国であるスイスから派遣された韓国系将校のジグ・ベルサミ役。そしてチョン・サンユンは、事件のカギを握り、ベルサミから事情聴取を受ける韓国軍の兵士キム・スヒョクを演じる。チョン・サンユンは2013年のショーケース公演から、イ・ジョンヨルは昨年の本公演から同役を演じており、ともに観客に高い支持を受けていた二人の参加が作品のクオリティを一層高めると期待されている。

また『共同警備区域JSA』は開幕に先立ち、2015年版の魅力を観客に体感してもらうための特別な舞台を用意している。観客を 「広報兵 」に任命して、普段は見て楽しむだけだった公演の様子を直接撮影もできる「JSA広報兵の日」だ。司会には昨年の本公演で北朝鮮兵のオ・ギョンピル役を演じたイ・ソクジュンが担当する。このイベントの参加権を含むパッケージチケットは、先ごろ発売され、開始1分で全席完売するほど、作品への関心の高さを証明した。ちなみに 「JSA広報兵の日」は、9月21日(月)午後8時に実施される予定だ。

万全のキャストを揃った2015年版『共同警備区域JSA』は9月18日にDCFデミョン文化工場1館で開幕する。


JSA2015poster【公演情報】
ミュージカル『共同警備区域JSA』(공동경비구역 JSA)
2015年9月18日~12月6日 DCFデミョン文化工場1館 ビバルディホール

<出演>
●ジグ・ベルサミ役:イ・ゴンミョン、イム・ヒョンス
●キム・スヒョク三兵役:キム・スンデ、カン・ジョンウ、ヒョンソン(BOYFRIEND)
●オ・ギョンピル三等兵役:チェ・ミョンギョン、ホン・ウジン
●ナム・ソンシク一兵役:イ・ギソプ、ペ・スンギル
●チョン・ウジン戦士:チョン・スンウォン、チュ・ジンハ

原作:パク・サンヨン(小説「DMZ」)/脚本:イ・ヒジュン/作曲:メン・ソンヨン/プロデューサー・演出:チェ・ソンシン/制作:キム・ミヨン/音楽監督:イ・ナヨン/編曲:ピ・ジョンフン/振付:キム・ジュンテ/舞台:シム・ジェウク/照明:キム・ヨンビン/音響:クォン・ジフィ/衣装:キム・ドヨン/小道具:カン・ミンスク/ヘアメイク:チョ・ミヨン/舞台監督:グ・ボングァン

写真提供:ミュージカルJSAプロダクション ©韓劇.com All rights reserved. 記事・写真の無断使用・転載を禁止します。

[MUSICAL]イ・ゴンミョンら新キャストを迎え『共同警備区域JSA』帰還!

[MUSICAL]イ・ゴンミョンら新キャストを迎え『共同警備区域JSA』帰還!

 

JSA2015poster2013年に初演し、観客から熱い支持を得た創作ミュージカル『共同警備区域JSA』が9月から再演が決定。新旧の顔ぶれが揃う2015年版キャストが公開された。

ミュージカル『共同警備区域JSA』は、イ・ビョンホン、ソン・ガンホらが主演したパク・チャヌク監督の映画『JSA』(2000年)の原作にもなった小説家パク・サンヨンの小説「DMZ」をもとに舞台化したもの。2013年のショーケース公演では、この作品に企画段階から関わってきたヤン・ジュンモらが主演。完成度の高さと俳優たちの名演が評判となり、連日完売を記録するほどの人気となっていた作品だ。

朝鮮戦争以降、現在も冷戦状態が続く南北分断の象徴でもある板門店を中心にこの一帯は共同警備区域(JSA=Joint Securiry Area)とされている。このJSAで北朝鮮人民軍の兵士が、韓国軍の兵士に射殺される事件が起き、そのビハインドストーリーを紐解いていくという、ミステリアスなフィクションになっている。事件の裏には、ひょんなことから交流をもつことになった5人の兵士たちの秘めた友情物語があり、南北統一へのメッセージも込められた感動のストーリーが見事に作品化されているのだ。骨太かつ人間味あふれるストーリーが評価され、昨年の「第8回ザ・ミュージカルアワード」では脚本賞など2部門受賞の快挙を成し遂げている。

今年の再演では、一部シーンや楽曲が再構成され、よりスケール感のある内容にグレードアップされているそうだが、それに劣らぬ豪華なキャストが揃い、期待を膨らませている。

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ジグ・ベルサミ役のイ・ゴンミョン(左)とイム・ヒョンス

JSAで起きた殺人事件を捜査するため、中立国停戦監視委員会の参加国であるスイスから派遣されてきた将校、ジグ・ベルサミを演じるのは、今回初出演となるイ・ゴンミョンと、初演から同役で重厚な存在感を見せてきたイム・ヒョンス。映画版ではイ・ヨンエが演じていたため女性のイメージが強いが、舞台版では原作に忠実に男性キャラクターが登場するため、一段とリアリティを感じられるはずだ。

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キム・スヒョク役のキム・スンデ(左)、カン・ジョンウ(中)、ヒョンソン(BOYFRIEND)

そして映画版ではイ・ビョンホンが演じていた韓国軍兵士キム・スヒョク三兵役を昨年の本公演から演じているカン・ジョンウに加え、新キャストにキム・スンデと、ミュージカル初挑戦となるBOYFRIENDのヒョンソンが出演する。なかでもヒョンソンは昨年、オーディションを受けてこの役を勝ち取ってからは、演技や歌の個人レッスンも受け、稽古にも熱心に臨んでミュージカルデビューに備えているそうだ。

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オ・ギョンピル役のチェ・ミョンギョン(左)とホン・ウジン

映画版ではソン・ガンホが演じていた朝鮮人民軍のオ・ギョンピル三等兵役は、初演から味のある演技で見事にキャラクターを消化したと評判になっていたチェ・ミョンギョンと、今年は『ロ・ギス』に続くミュージカル出演となるホン・ウジンが同役に初挑戦する。

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ナム・ソンシク役のイ・ギソプ(左)とペ・スンギル

映画版ではキム・テウが演じていた韓国軍兵士ナム・ソンシク一兵役は、純朴なキャラクターを初演から体現しているイ・ギソプと、2013年に国軍が制作したミュージカル『プロミス』にも出演していたペ・スンギルが初めて参加する。

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チョン・ウジン役のチョン・スンウォン(左)とチュ・ジンハ

最後に、映画版ではシン・ハギュンが演じていたオ・ギョンピルの部下チョン・ウジン戦士役は、ともに初出演となる『ロ・ギス』で好演していたチョン・スンウォンと前作『望ましい青少年』に主演して注目を浴びた新星チュ・ジンハが挑む。

今秋の開幕作のなかでも、要注目の創作ミュージカルである『共同警備区域JSA』は、9月18日に大学路(テハンノ)のDCFデミョン文化工場で開幕。1次スケジュールのチケットは8月20日より発売される。


JSA2015poster【公演情報】
ミュージカル『共同警備区域JSA』(공동경비구역 JSA)
2015年9月18日~12月6日 DCFデミョン文化工場1館 ビバルディホール

<出演>
●ジグ・ベルサミ役:イ・ゴンミョン、イム・ヒョンス
●キム・スヒョク三兵役:キム・スンデ、カン・ジョンウ、ヒョンソン(BOYFRIEND)
●オ・ギョンピル三等兵役:チェ・ミョンギョン、ホン・ウジン
●ナム・ソンシク一兵役:イ・ギソプ、ペ・スンギル
●チョン・ウジン戦士:チョン・スンウォン、チュ・ジンハ

原作:パク・サンヨン(小説「DMZ」)/脚本:イ・ヒジュン/作曲:メン・ソンヨン/プロデューサー・演出:チェ・ソンシン/制作:キム・ミヨン/音楽監督:イ・ナヨン/編曲:ピ・ジョンフン/振付:キム・ジュンテ/舞台:シム・ジェウク/照明:キム・ヨンビン/音響:クォン・ジフィ/衣装:キム・ドヨン/小道具:カン・ミンスク/ヘアメイク:チョ・ミヨン/舞台監督:グ・ボングァン

写真提供:ミュージカルJSAプロダクション ©韓劇.com All rights reserved. 記事・写真の無断使用・転載を禁止します。

[MUSICAL]『共同警備区域JSA』9月再演!全キャストオーディション実施

[MUSICAL]『共同警備区域JSA』9月再演!全キャストオーディション実施

 

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2014年公演より、千秋楽の模様

2013年に初演し、作品性の高さと個性豊かな俳優たちの熱演が高い評価を受けたミュージカル『共同警備区域JSA』。昨年は中劇場にランクアップして再演し、話題を呼んだ作品が、今年9月、早くも再演を果たす。それに先立ち、新たな主役を発掘するオーディションが実施されることとなった。

2013年のショーケースは客席占有率95%という破格の興行記録を打ち立て、翌年中劇場にアップグレードして本公演が行われた。同年の「第8回ザ・ミュージカルアワード」では脚本賞と振付賞を受賞する快挙を成し遂げている。

JSAposter『共同警備区域JSA』は、ソン・ガンホ、イ・ビョンホン主演のパク・チャヌク監督による映画が有名だが、原作は作家パク・サンヨンが1997年に発表した「DMZ」という小説だ。朝鮮半島の軍事境界線にある板門店、北朝鮮人民軍側の国境守備隊警戒所で人民軍兵士2人の死体が発見され、事件を捜査するため中立国捜査委員会からスイス軍の将校が板門店に送り込まれ、事件の背景が明らかになっていく。ミステリータッチのストーリー、北と南の兵士が、国境を越えた友情を築く点は映画版と同じだが、主人公の韓国系スイス人将校を女優イ・ヨンエが演じていたが、ミュージカル版では、原作小説に準じ、将校ジグ・ベルサミは男優が演じている点も話題となった。

今回のオーディションは全配役を対象に行われ、年齢、キャリアを問わず実力と才能溢れる人材を発掘するものになるとのこと。受付は4月12日に締め切られ、書類審査、実技審査を経てキャストを確定させる。

新キャストとともにストーリーラインがどう再構築されるのか、期待が高まるミュージカル『共同警備区域JSA』は、大学路のデミョン文化工場1館で9月12日から上演予定。

写真提供:ミュージカルJSAプロダクション ©韓劇.com All rights reserved. 記事・写真の無断使用・転載を禁止します。

さいきいずみの「韓劇日誌」Vol.5 

さいきいずみの「韓劇日誌」Vol.5 

 

「“極私的” 2014年韓国公演界総括」

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演出、セット、衣装とすべてリニューアルした『モーツァルト!』

久々にコラム更新です。気が付けば前回から半年以上空いておりました(汗)。韓劇.com正式オープン後は、皆さんに大きな関心をいただきありがとうございました。まだまだ至らない部分も多いですが、2015年もよろしくお願い致します。
韓国の各メディアで年末に公演界の1年を総括する記事が上がっていたので真似してやってみようと思いました…が、普通にやっては面白くないので独断と偏見による、超私的な2014年の感想をUPしてみたいと思います。
さて、昨年1年間でいったい自分は何本舞台を見たのか? 先日チケットの半券を数えてみたところ、舞台関係のトークショーやショーケースなども入れて200本超。おお、こんなに見てたんだなぁと我ながらビックリしました。チケット代にいくらつぎ込んだのか、考えるのも恐ろしいです(笑)。
ピックアップした作品は、2014年の上演作をミュージカルについては3つのカテゴリに分け、一方、演劇は印象に残ったBEST10を紹介したいと思います。作品タイトルにはすべて公演データベースPlayDBのリンクを張りました。気になった作品があったら、調べてみてください。

【ミュージカル部門】

<大劇場 ライセンス作品編>BEST3
『モーツァルト!』
『マリー・アントワネット』
『ウィキッド』
大劇場のライセンスミュージカルは「ミュージカルは曲ありき」を再認識させられた、必殺キラーチューンを持っている作品が並びました。特に“All New”と謳った『モーツァルト!』の再演は、原作のもつ強さを改めて実感しました。新演出は、例えばコロレド大司教のトイレシーンなどベタな部分は必要最小限にし、ヴォルフガングの苦悩に焦点を当てて再構築していたので賛否両論あったと思いますが、私は良かったと思います。そして、安定のイム・テギョン、大躍進のパク・ウンテ、瑞々しさのパク・ヒョシンと、ヴォルフガング役は誰を見てもクオリティを保てていたのが凄かった。ピックアップした他2作に比べて段違いの規模である世宗文化会館での上演、という部分でも意味ある再演だったと思います。『マリー・アントワネット』と『ウィキッド』は初演でありながら、俳優たちの歌や演技、ストーリー構成とトータルで完成度が高く、観劇後の満足度が高かったです。

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2014年最高のヒット作『フランケンシュタイン』

2014年最大の話題作『フランケンシュタイン』が入ってない! と思われる方、多いと思いますが、個人的には結構シビアに見ました。韓国映画やドラマによくある幼少時のトラウマから成る話。ストーリーライン(特に2幕)はかなり大雑把な構成でしたし、音楽が耳に残らなかったです。俳優個々の歌や演技はハイレベルですし、豪華なステージなので劇場で見ているときは、とても楽しいのですが、観劇後に何か心に残るか? といったら疑問が残りました。11月から再演が決まっているので、この作品が韓国を代表する創作ミュージカルとして名を残せるかどうかは、今年が正念場だと思います。
同じく、多くの方がご覧になったであろう『ドラキュラ』は回転するセットを中心に置き、スピーディーに展開していて見ごたえはあったのですが、もっとドラマチックに盛り上がるか……というところでアッサリ終わってしまう物足りなさが残りました。また、レンフィールド役のイ・スンウォン、ルーシー役のイ・ジへなど、若き助演陣の熱演が賞賛されていましたが、裏を返せば彼らがシーンスティーラーとなってしまうほど主要キャストの描写が弱かった、ということではないでしょうか?

<中・小劇場 創作ミュージカル編>BEST3

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魂のこもった歌が、深い感動を呼ぶ『西便制』

『西便制(ソピョンジェ)』
『ザ・デビル』
『サリエリ』
声(ソリ)に人生をかける父娘の壮絶な生き様を、魂の歌パンソリに乗せて描く『西便制』は3度目の再演も変わらぬクオリティでした。特に娘ソンファを演じる本物のソリクン(=パンソリの歌い手)であるイ・チャラムの神がかったパンソリを聴いて、心を動かされない人はいないでしょう。洋もののような華やかさはないものの、一歩間違うと垢抜けないローカル感が出てしまう作品世界を韓紙を使ったシンプルなセットでスタイリッシュに見せていました。決して気楽に見られるストーリーではありませんが、こういう作品こそ、韓国を代表する創作ミュージカルとして大切に育て、公演を続けてほしいと思っています。

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独創的な作品世界で評価が分かれた『ザ・デビル』

新作では『ザ・デビル』が個人的には最も印象に残った作品でした。当初制作会社はドゥサンアートセンターで『ママ、ドント・クライ』の上演を企画していたものの、作品に対し劇場が大きすぎると判断。そこで演出イ・ジナがブロードウェイで見た『ファウスト』にインスパイアされて、新たに“ショーミュージカル”を創作しよう、ということになったのだそうです。ゴシックロックをベースにしたスコアはクオリティ高く、ライティングを駆使した立体的なセット、舞台上で生演奏を見せる演出など見どころ満載でした。しかし「ファウスト」の世界観を知らないと筋が難解なことや、演奏やコーラスが目立ちすぎ、サウンドのボリュームが大きいなどの観客の声を反映して、公演中盤からはライブ感がスポイルされてしまったのは残念。メディアでは賛否両論でしたが、こういう実験的な作品を創作・上演したこと自体を称賛したいです。グレードアップして再演する日を楽しみに待ちたいと思います。

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10月プレミアムコンサート開催!『サリエリ』

『サリエリ』は演出、衣装など色々と危なっかしい部分はありましたが、なぜか中毒性の高い作品でした。モーツァルトの才能に嫉妬するサリエリの心を具象化したジェラスが『エリザベート』におけるトートのように魅惑的に描かれていたのも面白かったです。
2013年に小劇場で大ヒットし、中劇場にランクアップして注目を浴びたのが『共同警備区域JSA』『女神様が見ている』でした。しかし、いずれも小劇場版を凌ぐことはできず。2作品ともベースはしっかりしている作品ですから大きく崩れることはなかったものの、より大衆向けにしたかったのか、説明的描写が追加されたことで作品全体の緊張感が失われてしまいました。劇場をサイズアップする際にいかに構成し直すか……小劇場創作ミュージカルが抱える課題を見た気がしました。

<惜しかったで賞編>
『ヴォイツェック』 『太陽王』 『プリシラ』
『シンギン・イン・ザ・レイン』
派手な宣伝に比べ、作品力が伴わなかった4作です。LGアートセンターで上演した『ヴォイツェック』『プリシラ』は作品に対して舞台が大きすぎると感じました。『太陽王』『シンギン・イン・ザ・レイン』は大舞台で構成可能な作品でありながら演出は小劇場方式。俳優の頑張りが作品に反映できていないのも残念でした。

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韓国版に見事に昇華した社会派ドラマ『背水の孤島』

【演劇部門】BEST10

『背水の孤島』
『少年Bが住む家』
『道を去る家族』
『マクベス』
『フランケンシュタイン』
『メフィスト』
『飛行少年KW4839』
『愉快な下女マリサ』
『私に会いに来て』
『デス・トラップ』

 

演劇では、劇団TRUSHMASTERS中津留章仁原作『背水の孤島』が個人的ベストでした。セウォル号沈没事故で韓国社会が激震中のなかで上演。演劇界で注目を集める気鋭の演出家キム・ジェヨプが、アイロニカルな作品世界を十分に読み取り、実力派俳優たちとともに韓国版に再生させた秀作でした。本作と、少年犯罪を犯した家族の苦悩を描いたCJクリエイティブマインズ発の作品『少年Bが住む家』は観劇中に涙が止まらないほど心を揺さぶられました。『背水の孤島』は公演中のアフタートークをリポートしていますので、ご興味ある方はお目通しください。
韓国のゴッホと呼ばれるイ・ジュンソプを取り上げた『道を去る家族』は演戯団コリペのイ・ユンテク作・演出作品。日本で美術を学び、才能を開花させた画家が、愛する日本人の妻や家族と別れて暮らさねばならなかった半生を知るきっかけとなりました。ジュンソプ役、チ・ヒョンジュンが劇中で描き上げる牛の絵や、絵画から飛び出してきたような舞台美術がとにかく素晴らしかったです。

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パク・ヘスが圧巻の演技!『フランケンシュタイン』

『マクベス』『フランケンシュタイン』はともにパク・ヘス主演作。ダイナミックで入魂の熱い演技を見せてくれた彼あってこその作品でした。『フランケンシュタイン』は日本でもNTLiveで公開された英国版が原作ですが、ワン・ヨンボム版の創作ミュージカルと比較すると、こちらのほうがストーリーラインがしっかり構築されていたと思います。
『メフィスト』『飛行少年KW4839』『愉快な下女マリサ』(プラス、『背水の孤島』も)は舞台美術をヨ・シンドンが担当した作品。それぞれに作品自体も面白かったのですが、独創的かつアーティスティック、反面、キッチュなポップさも持ち合わせた彼が生み出すセットは、韓国でいま一番面白く、作品のクオリティを上げるのにも一役買っていると思います。『メフィスト』については主演女優チョン・ミドの怪演も光っていました。
5年ぶりに再演した、映画『殺人の追憶』の原作でもある『私に会いに来て』、同名映画が有名な作品をキム・スロプロジェクトが初演した『デス・トラップ』は推理サスペンスでしたが、どちらも笑えるコミカルなシーンを盛り込みながら、しっかりとした推理劇に仕上げてありました。
ほかにも、イ・ジェギュンが東亜演劇賞・新人演技賞を受賞した『家族という名の部族―TRIBES』や、『アリバイ年代記』『背水の孤島』のキム・ジェヨプによる新作『なぜ私は小さなことにのみ憤慨するのか』などなど10本に収めるのが困難なほど、素晴らしい作品にたくさん出会うことが出来ました。

韓国の公演界全体を見ると、2013~14年前半までに業界を支配していた妙な高揚感は見事に消え去りました。多くの来日公演が成果を上げられず、日本で多くのメディアが展開している嫌韓的な報道がボディーブローのように効いてきているため、観光もエンタメも中国向けにシフトしています。いくつかのミュージカルが中国公演を標ぼうしているので、そのうちアイドルを起用したミュージカルなどは日本ではなく中国で公演を始めるのではないでしょうか? さらに最近危機感を覚えているのが、大型ミュージカルのチケット価格設定です。VIP席14万ウォン基準になり、今年は15万ウォンの作品も出てくるかもしれません。昨年から急激に円安が加速したこともあり、現時点のレートで1万5千円越。日本国内作品の平均価格をついに超えました。もちろん、韓国ではさまざまな割引を駆使して定価で購入する人はほとんどいませんが、韓国の平均所得を考えると割引をしても高すぎます。前売りは定価で購入するしかない私たち日本の観客にはますます厳しい状況です。ここ数年で韓国ミュージカルに魅了され、韓国まで観劇にいらっしゃっている方は多いと思います。今年は話題性のみならず、作品性もしっかりと見極めて、大劇場から小劇場まで、より幅広い作品を観てみてほしいなと思います。

2015年の公演ラインナップは近日公開予定です。一人でも多くの方が素晴らしい作品に出会えますように!

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さいきいずみの「韓劇日誌」Vol.1

さいきいずみの「韓劇日誌」Vol.1

 

「何見る!? 2014韓国ミュージカル」

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豪華キャストが勢ぞろい!ミュージカル「フランケンシュタイン」

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Facebookでは先行公開しておりました、今年の韓国ミュージカルラインナップです。画像をダウンロードして今年の観劇計画に役立てていただければと思います。

※無断転載、商用利用はご遠慮ください。また、表中の日程は確定したものではありませんのでご注意ください。

2013年に比べると作品数減。大型作品の新作は数えるほどしかありません。海外ライセンスの新作はEMKの「太陽王」「マリー・アントワネット」と、フランス王宮ものが目立っている一方、「プリシラ」「キンキーブーツ」というドラァグクイーンが主人公の作品が面白そうです。今年は「ヘドウィグ」「ラ・カージュ」の再演もありますので、何気に“綺麗なお兄さん(オネエさん?)”がたくさん観れる1年ですね。

韓国オリジナル作品は何と言っても「フランケンシュタイン」がキャスティング、制作規模ともに群を抜いた豪華さです。あとは作品自体のクオリティが高ければ、韓国から海外に向けて本格発信できる大型ミュージカルの先駆となれるでしょう。中、小劇場作品では「シャーロック・ホームズ2~ブラッディ・ゲーム」「共同警備区域JSA」は必見作。「~ホームズ」はパート1の日本版が2月に上演されたのでご覧になった方も多いはず。パート2は“切り裂きジャック”の話がベースになっています。「~JSA」は昨年のトライアル公演を好評に終え、劇場サイズを格上げして早くも本公演化。予習したい方は舞台版とは若干違いますが、イ・ビョンホン、ソン・ガンホらが主演した、パク・チャヌク監督の映画「JSA」(2000年)を観てお出かけください。

2014公演ラインナップmusical2再演作品では「スウィーニー・トッド」がもっともホットな話題を提供しています。初めて韓国ミュージカルの演出を手掛ける宮本亜門さんが、オーディションを実施し、「やはり声が生半可じゃない!」と韓国俳優を絶賛するツイートをされるほど。豪華キャスト発表を楽しみにしておきましょう。

そして、10年ぶりの「ブラッド・ブラザーズ」、6年ぶりの「ギャンブラー」(偶然2作とも過去にイ・ゴンミョンさんが出演)や、5年ぶりの「思春期」、かつてはこの作品がMミュージカルの代表作だった「愛は雨に乗って~サ・ビ・タ」が3年ぶりにカムバック、など久々の再演作品も気になります。また、昨年から制作予定に入っていた「嫌われ松子の一生」や今年新たにラインナップに入ってきた「ナミヤ雑貨店の奇蹟」、そして2年ぶりに再演する「深夜食堂」など、日本原作の作品は、ストーリーをご存知の方も多いと思いますので、韓国語のセリフがまだ聞き取れなくても楽しめるのではないかと思います。

すでにリピーターの方も多いですが、韓国ミュージカルは情熱的な俳優とノリの良い観客たちと一緒に楽しめる本場韓国で観るのが断然楽しいです。まだ韓劇デビューしていない方は、思い切って飛んでいらっしゃることをおすすめします!

 

コラム第2回→