「新聞売りの少年たち、世界を止める!」と謳い、ブロードウェイに新風を吹き込んだディズニーミュージカル『ニュージーズ』の韓国初演がスタートし、プレスコールが開催された。
『ニュージーズ』は、1992年にディズニーが制作した同名映画が原作。『リトル・マーメイド』『アラジン』『美女と野獣』などのディズニーアニメ映画でアカデミー賞を受賞したアラン・メンケンによる作曲、トニー賞を4度受賞しているハーヴェイ・フィアスタインが脚本を手掛けるなど、豪華な制作陣により2011年に米ニュージャージーで初演された。翌年にはブロードウェイ進出を果たして1000回を超えるロングラン公演を行い、のべ100万人以上を動員したという。19世紀末のニューヨークを舞台に、ストリートで新聞売りをしながら貧しい生活をおくる“ニュースボーイ”たちが、新聞社の横暴な販売価格つり上げに反対してストを起こし、彼らが自ら社会を変えていこうとする姿を追った物語だ。
アジアでは初となる上演にあたり、有名な俳優を使わない“No Star Casting”、韓国オリジナル演出をつける“Non-Replica”方式を取り入れ、近年の韓国ミュージカル界のトレンドとは真逆をいく制作方式が話題となっていた。
3カ月にわたるオーディションをへて起用された“ニュースボーイ”こと、アンサンブルの青年たちはまだ無名の若手俳優ばかりだが、抜群の身体能力とダンスの実力を兼ね備えた“金の卵”がそろっている。なかでも2010年に韓国版を初演した『ビリー・エリオット』で主人公の少年ビリーを演じたパク・ジュンヒョンが、ビリー役で身に着けた美しいターンやタップンダンスの実力を発揮しつつ成長した姿を見せているのは『ビリー・エリオット』ファンにとっては感動せざるを得ないポイントになるだろう。
そして彼らニュースボーイを率いるジャック・ケリー役の3人にも注目だ。特に、今回ミュージカルに初挑戦となったオン・ジュワンの熱演ぶりと破格の身体能力には目を見張る。かつては東方神起のユンホの練習生時代にダンスを教えていたほどの実力をもっていただけあって、キレのある身のこなしを披露。歌の実力もなかなかのもので、今後は映画やドラマのみならず、舞台にも活動の場を広げることが期待される。また、これまでさまざまなミュージカルで少年役を演じてきたソ・ギョンスとイ・ジェギュンもそれぞれの個性を生かしてジャック役を情熱的に消化し、二人のジャックも見逃せない。加えて、ジャックを支えるディヴィ役のカン・ソンウク、クラッチー役のカン・ウニルも、今後舞台シーンでさらなる活躍は間違いなしの魅力を発揮している。
少年たちが権力者にストライキという形で立ち向かうというストーリーは、やや地味ではあるものの、それを凌駕する若い俳優たちのエネルギーとはつらつとした姿に、観劇後すがすがしい気持ちになれるはずだ。韓国ミュージカルの未来を担う若い俳優たちを応援したくなる『ニュージーズ』は7月3日まで、忠武アートホール大劇場で上演される。
【公演情報】
ミュージカル『ニュージーズ』(NEWSIES/뉴시즈)
2016年4月12日(火)~7月3日(日) 忠武アートホール 大劇場
<出演>
●ジャック・ケリー役:オン・ジュワン、ソ・ギョンス、イ・ジェギュン
●ディヴィ役:カン・ソンウク
●クラッチー役:カン・ウニル
●キャサリン役:リナ、チェ・スジン
●レス役(子役):ユン・フェリックス、イ・テギョン、ハン・ウジョン
●ジョセフ・ピューリッツァー役:ファン・マニク
●メダ・ラーキン役:チェ・ヒョンソン
●ルーズベルト役:キム・ボンファン
●ワイジュル役:カン・ソンボム
●スナイダー役:キム・ヨンファン
●ハンナ役:キム・ミョンヒ
●少女たち役:ユン・ソミ、ナムグン・へユン
●ニュースボーイたち:イ・ホジン、コ・フン、チェ・グァンヒ、シン・ウソク、パク・ジョンべ、チョン・ヨル、チョ・ヒョヌ、チャン・テクス、パク・ヒョヌ、チョ・ユンサン、チョン・チャンミン、チャン・ジェウン、ハン・チョルス、ナム・ジョンヒョン、チン・ハンビッ、パク・ジュンヒョン、パク・ジンサン(スウィング)、シム・ヒョンジュン(スウィング)
作曲:アラン・メンケン/作詞:ジャック・フェルドマン/脚本:ハーヴェイ・フィアスタイン/プロデューサー:シン・チュンス/演出・振付:デイヴィッド・スワン/音楽監督:ウォン・ミソル/舞台:オ・ピリョン/照明:イ・ウヒョン/衣装:チョ・ムンス/音響:クォン・ドギョン/ヘアメイク:キム・ソンへ/制作:イ・スンジン/技術:キム・ミギョン
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