『ベテラン』『思悼(サド)』『黒い司祭たち』など、大ヒット映画に次々と起用され、韓国映画界の超大型新人女優として注目を浴びているパク・ソダムが演劇に初挑戦する『レット・ミー・イン』のキャストが公開された。
『レット・ミー・イン』は、2010年に公開されたクロエ・モレッツ主演映画『モールス』の原作となったスウェーデンの作家ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト(John Ajvide Lindqvist)の小説「Let the Right One In」をベースにした舞台作品。原作小説は『モールス』に先駆けて、2008年にスウェーデンで映画化されている(邦題は『ぼくのエリ 200歳の少女』)。
現在この作品は、ジャニーズWESTメンバーの小瀧望主演で『MORSE-モールス-』というタイトルで東京・大阪にて日本版が上演中だ。
物語の舞台はスウェーデンの首都ストックホルム郊外。学校ではいじめられ、母子家庭の孤独な10代の少年オスカーの周囲で、残忍な殺人事件が次々と起きる。やがて隣に引っ越してきた少女イーライと知り合うが、彼女は学校にも行かず、日中は外出さえしない。そんな彼女に惹かれ始めるオスカーだが、イーライには彼がまだ知らない秘密があったのだ。
今回の韓国初演は、スコットランド国立劇団が制作した作品を“レプリカ・プロダクション”(オリジナルプロダクションをすべて踏襲する公演形態)で上演される。ミュージカル『ONCE』の韓国版・オリジナル来韓公演も手掛けた演出家ジョン・ティファニーをはじめ、のオリジナル版のスタッフたちが直接創り上げるという。
主人公には、オーディションに応募した約600人のなかから、まだ20代前半の新人が選ばれた。ヒロイン、イーライ役には忠武路(チュンムロ=映画界)の怪物新人パク・ソダムと、小劇場演劇で演技を磨いていた新人イ・ウンジ。オスカー役には少年のような童顔をもち、演劇『飛行少年KW4839』などに出演したアン・スンギュンと、ナムアクターズに所属する新人オ・スンフンの4人だ。そしてイーライの父ホーカン役は、映画、舞台で活躍するチュ・ジンモをはじめ、11人のキャストが出演する。
特にパク・ソダムはもともとミュージカル俳優を夢見て演技を志したという。韓国芸術総合学校で演技科を専攻している彼女だけに、オーディションでもヴァンパイア少女の姿を見事に披露して、演出家は惜しみない賛辞を贈ったという。
ヴァンパイアと人間の恋というと、世界中で大ヒットした『トワイライト』シリーズが有名だが、本作の原作小説や映画ではかなり残忍な場面も登場する。ジョン・ティファニー演出家は「ホラー的なシーンを舞台に移すという発想が面白かった。この作品では愛も扱います。純粋な恋は現実的な愛となるか? という質問も投げかけていて、ヴァンパイアを素材にこのような話をできることが興味深かった」と語っており、この作品世界を、才能あふれる若き俳優たちとともにどう創り上げるのかに注目だ。
『レット・ミー・イン』は1月21日から、芸術の殿堂CJトウォル劇場で開幕する。
【公演情報】
演劇『レット・ミー・イン』(렛미인)
2016年1月21日~2月28日 芸術の殿堂CJトウォル劇場
(1月21、22日はプレビュー公演)
<出演>
●イーライ(エリ)役:パク・ソダム、イ・ウンジ
●オスカー役:オ・スンフン、アン・スンギュン
●ホーカン役:チュ・ジンモ
●オスカーの母役:パク・ジウォン
●ジミー役:イム・ジョンワン
●ジョニー役:パク・ミンギュ
●ミッキー役:イム・ヒチョル
●俳優1役:パク・シボム
●俳優2役:アン・チョンファン
脚本:ジャック・ソーン(Jack Thorne)/演出:ジョン・ティファニー(John Tiffany)/協力演出:イ・ジヨン/振付:スティーヴン・ホゲット(Steven Hoggett)/音楽:オラフ・アルナルド(Olafur Arnalds)/舞台:クリスティン・ジョーンズ(Christine Jones)/照明:シャイン・ヤブロヤン(Chahine Yavroyan)/音響:ガレス・フライ(Gareth Fry)
<公式トレイラー>
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