[PLAY]イ・サンの母の壮絶な生涯―『恵慶宮洪氏』プレスリハーサル

 

DSC_0522劇団「演戯団コリペ」を主催し、国立劇場の芸術監督なども務めたイ・ユンテクの作・演出で昨年初演され、好評を得ていた演劇『恵慶宮洪氏』(ヘギョングン ホンシ)が1年ぶりに再演。プレスリハーサルが12月15日、国立劇団 ペク・ソンヒ チャン・ミンホ劇場で行われた。

恵慶宮洪氏は、韓国の時代劇にもよく登場し、暴君として知られる思悼世子(サドセジャ)の妻。イ・ビョンフン監督による07年のドラマ『イ・サン』の主人公、正祖(チョンジョ)の母と言えば、ピンとくる人も多いだろう。本作では、父王である英祖(ヨンジョ)の怒りを買い、米びつに閉じ込められて非業の死を遂げた夫君・思悼世子を慕いながらも、生涯ぬぐえない孤独感と闘う女の生き様が描かれている。イ・ユンテク演出曰く、「歴史上の悲劇ではなく、家族の悲劇として描いた」作品だそうだ。

主演は演戯団コリペの看板女優キム・ソヒ。10歳で思悼世子に嫁いだ純真な娘時代から、夫の放蕩~死、そして息子、正祖と対峙する老後の姿までを見事に演じ分ける。皮膚病もちで世子や女官に背中を掻いてもらうなど、世子嬪(セジャビン)とは思えないほど人間臭い一面を覗かせるシーンもあり、キム・ソヒならではの個性的な恵慶宮を見せてくれる。

また、英祖役のユン・ヨソンや、恵慶宮の父、ホン・ボンハン役のチョン・テファなど演劇界の重鎮俳優を筆頭に実力派俳優がズラリと揃う。なかには、ドラマ『未生(ミセン)』に出演して注目を浴びたファン・ソクジョンがハン尚宮役に、今年、野田秀樹『半神』に出演したイ・ヒョンフンが軍官や内侍などを一人多役で演じるなど、硬軟演じ分けられる柔軟な演技力をもつ俳優たちのアンサンブルも面白い。重い史劇というよりも、マクチャンホームドラマを見ているようなエンターテイメント作品に仕上げてあり、韓国時代劇好きはもれなく楽しめるはずだ。


【公演情報】
演劇『恵慶宮洪氏』
2014年12月16日~28日 国立劇団ペク・ソンヒ チャン・ミンホ劇場
出演:キム・ソヒ、ユン・ヨソン、チョン・テファ、パク・ヒョンスク、ファン・ソクジョン、イ・サンフン、イ・ギドン、イ・ドンジュン、ペク・ソックァン、キム・シホン、イ・ヒョンフンほか
チケットはインターパークほかで発売中


<フォトギャラリー>
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