韓国を代表する大型創作ミュージカル『明成皇后』が初演から20周年を迎え、記念公演の豪華キャストが発表された。
主人公、明成(ミョンソン)皇后は、朝鮮王朝26代王、高宗(コジョン)の正妃で、日本では閔妃(みんび)とも呼ばれている。朝鮮王朝は26代で滅びたことから、明成皇后は朝鮮王朝最後の王妃と呼ばれている。朝鮮王朝から大韓帝国へと国号が移行する前の1895年に起きた「乙未事変(いつびじへん)」により日本人の刺客に暗殺されるという非業の最期を遂げた人物だ。
ミュージカル『明成皇后』は、韓国では独立運動の義士と称えられている安重根(アン・ジュングン)の半生を舞台化した『英雄』も制作したACOM INTERNATIONALの代表ユン・ホジンの演出で、明成皇后の死後100年となった1995年に初演された。小説家イ・ムンヨルの「キツネ狩り」を原作に、当時としては破格の12億ウォンを投じて制作。翌年の韓国ミュージカル大賞では大賞ほか主要賞を総なめしたほか、1997年にはニューヨークのリンカーンセンターで米国公演も実施したことから、韓国ミュージカルを代表する作品として現在も君臨している。
20年間で、再演や地方公演も多数行ってきた本作だが、4年ぶりのソウル公演となる今回は、20周年記念公演を迎えるにふさわしい豪華キャストが揃った。
明成皇后役は、キム・ソニョンとシン・ヨンスクがWキャストで演じる。
キム・ソニョンは『エリザベート』『マリー・アントワネット』など近年大型作品でタイトルロールを演じているほか、テレビの子育てバラエティー番組にも出演して注目を集めている。一方のシン・ヨンスクは『モーツァルト!』『レベッカ』などで“ショーストッパー”と呼ばれるほど、究極の声をもつ実力派女優だ。
一方の男性主人公となる、乙未事変で最後まで明成皇后を守ろうとした武臣ホン・ゲフン(洪啓薰)役には、現在『ドリームガールズ』出演中、日本の『レ・ミゼラブル』でジャン・バルジャン役を演じた劇団四季出身のキム・ジュンヒョン、『風と共に去りぬ』『英雄』などで助演ながら存在感を見せてきたパク・ソングォン、『シャーロック・ホームズ』に続くミュージカル挑戦となる歌手のTeiが務める。
朝鮮王朝26代王、高宗役には『三銃士』『ジャック・ザ・リッパー』などの日本公演にも出演したミン・ヨンギと、『レベッカ』初演の紳士的なフランク役で人気を集めたポッペラ歌手のパク・ワンが演じる。声楽出身らしい抜群の歌唱力で高貴なキャラクターを多数演じてきた2人が、高宗をどう演じるのか期待されている。
そして、明成皇后殺害の首謀者とされている三浦梧楼役を、キム・ドヒョンとキム・ボムレが務める。かつて三浦役を演じた経験があるベテラン2人が、本作のキーマンとなる人物に再登場して注目を集めている。
韓国ミュージカル史上初の20周年公演となる『明成皇后』は、7月28日より芸術の殿堂オペラ劇場で開幕する。
【公演情報】
ミュージカル『明成皇后』(명성황후)
2015年7月28日~9月12日 芸術の殿堂オペラ劇場
出演:シン・ヨンスク、キム・ソヒョン、キム・ジュンヒョン、パク・ソングォン、Tei、ミン・ヨンギ、パク・ワン、キム・ドヒョン、キム・ボムレ
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