韓ドラ温故知新 第2回 「2023-24配信韓ドラチェック」④ U-NEXT編

■ U-NEXT編 ■

『ワンダフルデイズ』
キスをすると犬になってしまう呪いにかかったハン・ヘナは高校教師。彼女の呪いを唯一解くことができる同僚のチン・ソウォンは犬が大の苦手だった……。パク・ギュヨン、チャウヌ、イ・ヒョヌ出演。
杉本
杉本

『ワンダフルデイズ』は、U-NEXTの韓流・アジアジャンルで、初週視聴ランキング1位および週間視聴ランキング1位と、史上最多の視聴者数を獲得して盛り上がった作品なんです。U-NEXTは『女神降臨』といい、チャウヌ主演作をはじめとするラブコメディで当ててるイメージがありますね。やっぱラブコメ最強!イケメンは正義!ですね。

さいき
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このドラマも原作はウェブトゥーンなんですね。原題は『今日も愛らしく(오늘도 사랑스럽)』。本来は最後に“게(ケ)”っていう文字が入るところに、犬を意味する“개(ケ)”が入ってる。だから邦題は『“ワン”ダフルデイズ』になってると。ヒロインの”ヘナ”が変身したワンコの”ケナ”が可愛いですね~♥

さいき
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ところで、あの……白状していいですか。私ね、これまでチャウヌ出演のドラマをまともに見たことなかったんですよ。イケメン俳優は決して嫌いではないんですが……あまりにもビジュアルが完璧すぎて、芝居に集中できない(笑)。それで今回が初チャウヌでした(笑)

杉本
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(笑)。まぶしすぎちゃうんですよね。チャウヌが出演していた映画『デシベル』の監督さんにインタビューしたとき「俳優チャウヌには無限の魅力があります。ただ、顔がとてもハンサムで、それゆえに、むしろその魅力が隠れる傾向があるようです」と少し残念そうにおっしゃてたのが印象的でした。

さいき
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「イケメンすぎて損してる俳優」って、昔ならチャン・ドンゴンやチュ・ジンモなどがそんな風に評価されてた気がします。イケメンすぎて役が狭まると。チャウヌも完全無欠のイケメン役が多いですからね。下に貼ったシーンなんて、まさしく”マンチッナム(만찢남화를고 나온 자/漫画から飛び出してきたような男=イケメン)”じゃないですか。

杉本
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『ワンダフルデイズ』はチャウヌのホームグラウンドともいえそうな胸キュンものですが、肩の力がぐっと抜けた感じがしました。表情も豊かで、瞬間瞬間がチャーミング。それと、今回のキスシーンがまあ素晴らしくって。あれでときめかない人はいないと思います。チャウヌは映画『アイランド』『デシベル』と、いろんなジャンルに挑戦して自信がついたんじゃないかしら。役者としての魅力が倍増していると思います。

さいき
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『セレブリティ』のパク・ギュヨンが等身大ヒロインを自然体で演じているのもいいですね。以前はモデルもやってたそうですし、新世代のワナビーアイコンとして彼女のヘアスタイルやファッションを真似したい人も多いのでは? と思いました。

杉本
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私も『ダリとカムジャタン』で大好きになった女優さんなんで、今回もかわいらしくて、2人を眺めているだけでも十分幸せでした。

『昼に昇る月』
“国民の彼氏”と呼ばれる人気スターのハン・ジュノは名誉消防士の広告撮影中に意識を失い、ロケに参加していた消防士のカン・ヨンファに助けられるが死亡。だがその直後、新羅時代の将軍ドハが彼に憑依して生還するが……。キム・ヨンデ、ピョ・イェジン、オン・ジュワン出演。
さいき
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キム・ヨンデは『ペントハウス』シリーズでブレイク以降、凄まじい勢いで主演作が続いてます。チャウヌがキラキラ系イケメンだとしたら、キム・ヨンデはちょっと影のあるところが魅力のイケメンかな。でも『昼に昇る月』では名実ともに人気スターなのに軟派なキャラを演じているのが新鮮でした。

杉本
杉本

この作品で演じているジュノは、新羅時代の将軍に憑依された人気スター。だから、トップスター役だった『流れ星』と、時代劇で王様を演じた『禁婚令、朝鮮婚礼禁止令』での経験をうまく役に反映している気がしました。本人はちょっと天然な魅力がある人なので、実はコメディも似合うのでは? と思っていたのですが、今作はまさに適役!という感じ。私も楽しく見ました。

さいき
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チャウヌの『ワンダフルデイズ』も、この『昼に昇る月』も主人公が現代と古代を行き来しながら運命の愛を育む転生モノですよね。原作のウェブトゥーン界でこういう作品が多いんでしょうけど、ドラマとして作りやすいのかも? 韓ドラってひとつヒット作が出ると類似作がドドドッと作られては次のブームに移行することを繰り返してきたので、そろそろ新しいトレンドが出てくるのでは? と思っています。

『ソンジェ背負って走れ』
事故で半身不随となったイム・ソルは、バンドECLIPSEのVo.リュ・ソンジェの推し活をすることで生きる糧にしていた。だが不慮の事故でソンジェが急逝。訃報を信じられずにいたソルは、以前ファンオークションで手に入れたソンジェの腕時計を握りしめると、突然時間が戻り始めて……。ピョン・ウソク、キム・へユン主演
さいき
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最近、U-NEXTで話題の新作が『ソンジェ背負って走れ』ですね。『明日は一番』というウェブ小説を原作に、『女神降臨』、『トップスター・ユベク』のイ・シウン脚本家が台本を執筆した最新作とあって、期待していた方も多いと思います。

杉本
杉本

『偶然見つけたハル』や、『御史<オサ>とジョイ』で逆境にも負けないポジティブヒロインを好演していたキム・へユンが、今作では推しを救うために孤軍奮闘するソルを熱演しています。タイムスリップした約15年前の高校生時代、実は推しと運命的な出会いをしていた……というストーリーは、憧れの存在がいる人にとっては夢のようなお話ではないですか!

さいき
さいき

ピョン・ウソクは『青春の記録』など、これまでもメインキャストだった作品は多いんですが単独主演は今回が初。以前韓国で『コッパダン~恋する仲人~』のキャスト取材があったときにインタビューしたことがあるんですよ。モデル出身だけあって長身でスタイル抜群。ものすごいイケメンオーラを醸し出しているのに、いざ話し出すとかなり天然な弟キャラって感じで回答も面白い。ギャップ萌えした記憶があります(笑)

ソンジェをガチで背負った!? 息もピッタリに『ソンジェ背負って走れ』裏話を披露したELLE KOREAキム・へユン&ピョン・ウソクインタビュー
杉本
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前作の『力の強い女 カン・ナムスン』ではサイコパスキャラの悪役を演じていましたが、今作では爽やかイケメンな彼の魅力が生きていますよね。今後配信される後半エピソードで、ソンジェとソルの時空を超えた恋の行方を楽しみに見ていこうと思います!

『完璧な結婚のお手本』
夫セヒョクの裏切りを知った直後、交通事故で瀕死の重傷を負ったハン・イジュ。その後養母ジョンへの手により亡き者にされるが、意識が回復すると1年前に戻っていた。イジュは夫に破談を宣告し、自分を陥れた者たちへ復讐を開始する。チョン・ユミン、ソンフン、チン・ジヒ出演。
さいき
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配信サイトでドラマを観ていると、どうしても“ジャンルもの”って呼ばれる特殊な設定の作品が多いじゃないですか。だから『完璧な結婚のお手本』は、なんだかひさびさに地上波の週末ドラマ的な作品を見たな、って感じで面白かったです。このドラマは韓国でMBNっていう中高年向き番組が多いチャンネルで放送されたんですね。なので愛憎劇+家族ドラマっていうオーソドックスなフォーマットは視聴者層にドンピシャだったんですよ。

杉本
杉本

まるで日日(イルイル)ドラマのようでしたね。悪女に陥れられて命の危機にさらされたヒロインが悪女となって復讐する。その復讐を無条件で助け、支える騎士(ナイト)が登場する。出生の秘密に親世代の因縁と、THE韓ドラネタのオンパレード! そんな100話でも描けそうなネタを12話で駆け抜けていくのが痛快でした。

さいき
さいき

しかも主演はマダムに大人気なソンフンですし。プロポーズするシーンで、野草を摘んで指輪代わりにしてはめてあげてたんですけど、『イヴのすべて』でヒロインにひざまずいてアンクレットをはめてあげてたチャン・ドンゴンを思い出しました(笑)。「うわ! 未だにこんなことやってハマる俳優いるんだ!」と思って、ブワッと鳥肌立ちましたよ(笑)

『完璧な結婚のお手本』1-2話撮影ビハインド映像
『豚の王』
女性の変死体が発見され、現場には被害者の夫ファン・ギョンミンによる刑事チョン・ジョンソクに宛てたメッセージが。20年前の中学時代、唯一の親友だった2人。だがギョンミンは追跡をかわすように自分をいじめた同級生たちに次々と報復を遂行していく。キム・ドンウク、キム・ソンギュ、チェ・ジョンアン出演。
さいき
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『豚の王』は遅ればせながら最近になって見てみました。映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』やNetflixドラマ『地獄が呼んでいる』『寄生獣-ザ・グレイ-』のヨン・サンホ監督が2011年に発表したアニメを実写化した作品なんですね。ただ原作アニメとはだいぶ展開が違ってるみたいですけど。

杉本
杉本

私も見始めたら面白くて一気観しました。というか、目を逸らすことができなかったと言ったほうが正しいかも。テンポもいいですし、次第に明らかになる事実も衝撃的、ミステリーやスリラーとして、優秀な作品でした。

さいき
さいき

主演のキム・ドンウクは『コーヒープリンス1号店』の可愛らしいハリム役のころから思えば、すっかり貫禄ある名優になりましたね。
主人公2人は中学の同級生という設定ですが、キム・ソンギュが演じたジョンソクの子役俳優が、2017年のミュージカル『ビリー・エリオット』韓国版でビリー役の一人だったシム・ヒョンソ君だったので驚きました! このドラマは少年時代の回想シーンを巧妙に差し込んでいて子役たちの熱演が重要な役割を果たしているんですよ。

『豚の王』1話予告映像。トップ画像左から2人目が『ビリー・エリオット』出身のシム・ヒョンソ
杉本
杉本

見れば見るほど、胸が締めつけられていく。傷を背負って生きてきた者の悲鳴が聞こえてくるようでした。復讐者キム・ドンウクはもちろんですが、むしろ、事件を追いながら追い詰められていく刑事役のキム・ソンギュから目が離せなかったです。

さいき
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とにかく、編集と展開の上手さに終始感嘆しつつ見てました。大掛かりな撮影シーンもなく、VFXなどの特殊効果を使わずともここまで見ごたえがあるものを作れるんだなぁと。この作品もいじめを起点にした暴力描写が多いし、決して万人受けする内容ではないですけど、こういう隠れた良作が、もう少し多くの人に見られるといいなと思います。

『こうなった以上、青瓦台に行く』
韓国の文化芸術やスポーツ等を司る政府機関「文化体育観光部」を舞台に、射撃の元金メダリストが初の女性長官になったことで巻き起こる政争や側近たちの奮闘を描いたブラックコメディ。キム・ソンリョン、イ・ハクジュ、ぺ・へソン、ペク・ヒョンジン出演。
さいき
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『こうなった以上、青瓦台に行く』の舞台になっている文化体育観光部は略して文体部(ムンチェブ 문체부)と呼ばれてるんですが、キム・ソンリョン演じるイ・ジョンウンが前長官の不祥事で、棚ぼた的に文体部長官に就任するんです。政治家の”足りない”部分を秘書や側近が補おうとするのはどこの国でも同じみたいで(笑)、そのドタバタぶりをシュールに描いています。2021年のマイベスト作だったんですが、ようやく昨年配信開始されたので「U-NEXTさん、配信してくれてありがとう!!」 とお礼を申し上げたいくらい(笑)

『こうなった以上、青瓦台に行く』メインキャラクター紹介映像
杉本
杉本

キム・スジン秘書役で人気になったイ・ハクジュはこれ以降、ディズニープラスの『刑事ロク』シリーズや、MBC時代劇『恋人』でも活躍していましたし、このドラマで注目度が上がった俳優が結構いますね。いかに当時韓国で話題になったのかが分かります。

さいき
さいき

政治ドラマと並行して、拉致されたジョンウンの夫ソンナムの追跡劇にもなっているんです。特に後半部分は、演じていたペク・ヒョンジンのワンマンショー状態になるのでドラマとしては賛否が分かれるところですが、私はこういうニッチなキャラ大好物で(笑)。一見、真面目そうなのにエキセントリックなキャラがホント可笑しいんですよ。彼独特のオフビートな演技は『ガウス電子』『良くも、悪くも、だって母親』『ムービング』でも見られるので気になった方はチェックしてみてほしいです。

画家、ミュージシャンなどマルチアーティストとして活躍する彼は素のトークもかなりユニーク!『こうなった以上、青瓦台に行く』制作発表会ペク・ヒョンジンコメントハイライト

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