変身物語

[PLAY]水を媒介に本能的な人間の根源をさぐる―『変身物語:Metamorphoses』開幕

[PLAY]水を媒介に本能的な人間の根源をさぐる―『変身物語:Metamorphoses』開幕

 

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meta18『ヒストリーボーイズ』『ピローマン』など、優れた海外戯曲を韓国に紹介してきたNO NAME THEATER COMPANYの6番目の作品となる『変身物語:Metamorphoses』のプレスコールが、4月27日に行われた。

古代ローマの詩人オウィディウスが、ギリシャ・ローマ神話に登場する神々がさまざまな生き物などに変身していくエピソードを集めた名作古典を原作に、米・演劇界の重要人物、メアリー・ジンマーマンが現代的な戯曲に仕上げた作品だ。

15のエピソードから成る『変身物語』の原作から、「1:天地創造」「2:マイダス」「3:アルキオーネとケイクス」「4:エリュシクトン」…など、10のショートストーリーを抜粋し、9人の俳優がさまざまなキャラクターに“変身”して物語が進んでいく。
原作戯曲には“水”が本作の重要なファクターだと記されているそうで、本作でもひざ上まで漬かるほどの木枠でできたプールが舞台の中心を占めている。俳優たちが身につけている白い衣装は、撥水性の高い素材を使っているが、水に動きを取られながらも、各エピソードごとに登場するキャラクターに次々と変身していく様は、観客が想像する以上に過酷であろう。今回、制作費を捻出するにあたり、クラウドファンディングが実施されたが、広いプールに張った水は、観客の投資のおかげで毎公演新しい水を入れ替えることができたそうだ。
また俳優たちの芝居のみならず、エピソードによっては現代舞踏的な振付や、ステージ後方に侍う韓国の伝統音楽、国学をベースにしたフュージョンバンド「ゴレヤ」が奏でる無国籍的サウンドが彩りを添える。水を使った舞台、というだけでも十分に破格だが、ギリシャ神話と韓国的要素のコラボレーションも楽しめる斬新な作品だ。欲望と愛憎、エロスなど、人間が本来もつ本能を具現化したような俗物的なキャラクターたちの姿から、古代ローマ時代に創作された原作が、時間と空間を超越して現代でも有効だということを思い知らされる。
meta26 5月17日まで芸術の殿堂 自由小劇場で公演後、6月19日、20日には京畿道安山(アンサン)市にある、安山芸術の殿堂でも上演される。


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【公演情報】
演劇『変身物語:Metamorphoses』(변신 이야기:Metamorphoses)
2015年4月28日~5月17日 芸術の殿堂 自由小劇場
2015年6月19日、20日 安山(アンサン)安山芸術の殿堂 月見劇場(京畿道安山市)

出演:キム・ジュンウォン、チョン・テミン、ソン・ジユン、オ・ジョンテク、イ・ヒョンフン、チョン・ソンミン、イ・ヒョリム、ユ・ジュへ、キョン・ジウンほか

原作:メアリー・ジンマーマン(Mary Zimmerman)/演出:ピョン・チョンジュ/音楽:コ・レヤ/振付:クォン・リョンウン/舞台デザイン:ヨ・シンドン/照明デザイン:イ・ドンジン/衣装デザイン:ホン・ムンギ/扮装&小道具デザイン:チャン・ギョンスク

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[PLAY]NO NAME THEATER COMPANYの新作は『変身物語』をアジア初演!

[PLAY]NO NAME THEATER COMPANYの新作は『変身物語』をアジア初演!

 

metamorphoses『ヒストリーボーイズ』『ピローマン』『ステディ・レイン』『雄鶏たちの闘い-COCK』『家族という名の部族―TRIBES』と、韓国未発表の優れた海外戯曲を卓越した演技力をもつ俳優たちとともに紹介してきたNO NAME THEATER COMPANY。6番目の作品となる『変身物語:Metamorphoses』のポスターとキャストが公開された。

原作の『変身物語』は、古代ローマの詩人オウィディウスが、ギリシャ・ローマ神話に登場する神々がさまざまな生き物などに変身していくエピソードを集めた古典文学。この作品をメトロポリタンオペラの演出なども手掛けた米・演劇界の重要人物、メアリー・ジンマーマン(Mary Zimmerman)が再構成して現代的な戯曲に仕上げた。最初はメアリーが席を置いていた学校でのトライアル公演として上演。舞台の真ん中に大きなプールを設置して、水を変身の媒介にするという驚きの演出が話題を集め、2001年にはオフブロードウェイに、翌年にはブロードウェイに進出し、トニー賞演出賞をはじめ、多数の演劇賞を受賞している。

原作では15あったエピソードのなかから10個を抜粋して、人間が元来持っている、愛と欲望によって登場人物たちが変身していく様がつづられる。今回初となる韓国公演でもステージには大きなプールがあり、俳優たちはその中に膝の深さまで浸かって演技するという。女性が水に沈められるようなポスターのイメージは、この作品世界を予告しているようだ。

劇中には、なんと75ものキャラクターが登場し、一人あたり7~8つの役をこなさねばならないそうだが、多様なキャラクターも着実に消化できそうな、本カンパニー作品にはおなじみの出演陣が揃った。

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(写真左から)キム・ジュンウォン、ソン・ジユン、チョン・テミン

キム・ジュンウォンは、NO NAME THEATER COMPANYの評価を高め、彼の代表作にもなった『ピローマン』を筆頭に3作に主演し、もはや看板俳優と呼んでも過言ではない実力派俳優だ。チョン・テミンは2012年にキム・ジュンウォンと共に『ピローマン』に出演経験あり。これまで、多くの作品で主演を張ってきたソン・ジユンは昨年『雄鶏たちの戦い-COCK』で、キム・ジュンウォンと共演済みだ。

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(写真左から)イ・ヒョンフン、チョン・ソンミン、オ・ジョンテク

イ・ヒョンフンとオ・ジョンテクは『ヒストリーボーイズ』で昨年共演済み。また、イ・ヒョンフンとチョン・ソンミンは昨年、野田秀樹の『半神』日韓公演に出演していたため、日本で2人の演技を見たという人も多いだろう。そして 『バンジージャンプする』のイ・ヒョリム、『ラブレター』のユ・ジュへら3人は、当カンパニーおよび演出家が手掛けた作品で頭角を現してきた新人たちだ。

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(写真左から)イ・ヒョリム、ユ・ジュへ、キョン・ジウン

演出は『ピローマン』『私に会いに来て』『盗まれた本』やミュージカル『ラブレター』のビョン・チョンジュ。加えて、舞台デザインのヨ・シンドン、照明デザインのイ・ドンジンとともに当カンパニー作品を多数手がけてきたスタッフだ。また、今回は音楽が重要な位置を占めるそうで、韓国の伝統楽器と現代の楽器をモダンなスタイルでミックスしているグループ「Coreyah」が、劇中ライブで演奏するそうだ。

韓国には「信じて見る」という表現があるが、本作には俳優も制作陣もまさに観客が「信じて見る」面々が揃い、期待が膨らむ『変身物語』は、4月28日から芸術の殿堂 自由小劇場で開幕する。


 

【公演情報】
演劇『変身物語:Metamorphoses』(변신 이야기:Metamorphoses)
2015年4月28日~5月17日 芸術の殿堂 自由小劇場

出演:キム・ジュンウォン、チョン・テミン、ソン・ジユン、オ・ジョンテク、イ・ヒョンフン、チョン・ソンミン、イ・ヒョリム、ユ・ジュへ、キョン・ジウンほか

原作:メアリー・ジンマーマン(Mary Zimmerman)、演出:ピョン・チョンジュ、音楽:コ・レヤ、振付:クォン・リョンウン、舞台デザイン:ヨ・シンドン、照明デザイン:イ・ドンジン、衣装デザイン:ホン・ムンギ、扮装&小道具デザイン:チャン・ギョンスク

写真提供:NO NAME THEATER COMPANY ©韓劇.com All rights reserved. 記事・写真の無断使用・転載を禁止します。