レ・ミゼラブル

[MUSICAL]ヤン・ジュンモ 日本に続き韓国『レ・ミゼラブル』でジャン・バルジャンに!

[MUSICAL]ヤン・ジュンモ 日本に続き韓国『レ・ミゼラブル』でジャン・バルジャンに!

 

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韓国でも”ヤンバルジャン”が見られる! ©Les Misérables Korea Photo by Random Visual

今春から日本の2015年版『レ・ミゼラブル』でジャン・バルジャン役に初挑戦し、そのパワフルな歌唱力と演技が各方面で絶賛されていたヤン・ジュンモが、10月から始まる韓国版でも同役を演じることが発表された。

フランスの文豪ヴィクトル・ユゴーの同名小説を原作に、1985年の英国ウエストエンドで初演。日本では1987年から上演され続けている定番作品だが、韓国では2012年~2013年にかけて初の韓国版が上演された。以来、約3年ぶり、2度目となる『レ・ミゼラブル』の主人公ジャン・バルジャン役に、2012年公演に続き出演するチョン・ソンファとともに、ヤン・ジュンモが主演することになった。

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日本版『レ・ミゼラブル』舞台写真より ©Toho Theatrical Div.

日本公演に出演を続けながら日韓を行き来してオーディションを受けたというヤン・ジュンモは、オリジナルプロデューサーであるキャメロン・マッキントッシュにより、韓国版のジャン・バルジャンに再び選ばれたという。
「個人的に、ひとりの人間の人生を変えるほどの偉大な作品だと思っています。ミュージカル俳優としてこの作品に参加することができるのは最高の栄誉です。この作品を韓国で再び上演できるのは、大きな幸せだと思います。その幸せを、いま韓国で複数の多くの方々と分かち合いたいと思います」と所属事務所を通じて所感を伝えている。

そのほか2015年韓国版には、日本の2013年版でジャン・バルジャンを演じていたキム・ジュンヒョンが、今度はジャベール役で出演。そして韓国初演時にはアンジョルラスを演じたキム・ウヒョンが同役にWキャストで出演する。
ヒロインのファンテーヌ役には、初演に続き出演するチョ・ジョンウンと、2013年の英国版で初の韓国系キャストとして同役に抜擢されたチョン・ナヨンが韓国版に初出演する。
新キャストとなるマリウス役のユン・ソホ、アンジョルラス役のミン・ウヒョクは大学路を中心とした小・中劇場作品でチケットパワーをもつイケメン人気俳優。初演でも新人が抜擢されていたコゼット役のイ・ハギョンは、今後の成長が楽しみなホープだ。また、初演でエボニーヌを好演し、多数の新人賞を受賞したパク・ジヨンの再登板は『レミゼ』ファンにとってうれしい報せに。
最後に、劇中シーンスティーラーとなるテナルディエ夫妻には初出演のイム・ギホンと、前回も同役を演じたパク・ジュンミョン。ともに抜群のコメディセンスをもつ名優が揃い、客席に大きな笑いをもたらしてくれるはずだ。

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日本版『レ・ミゼラブル』舞台写真より ©Toho Theatrical Div.

9月下旬まで『レ・ミゼラブル』日本ツアーに出演しているヤン・ジュンモは、その間、韓国では出演舞台がなかったため、約1年ぶりの凱旋帰国とも言えるカムバックに大きな期待が寄せられている。
2015-16年の『レ・ミゼラブル』韓国版は、10月21日から大邱市のケミョンアートセンターで約2週間公演。その後、11月28日から舞台をソウルに移し、ブルースクエアサムソン電子ホールで上演される。大邱公演のチケットは8月18日から発売予定だ。

 


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©Les Misérables Korea Photo by Random Visual

【公演情報】
ミュージカル『レ・ミゼラブル』(레미제라블) 韓国版
●大邱公演:2015年10月21日~11月15日 ケミョンアートセンター(大邱市)
●ソウル公演:2015年11月28日~2016年3月6日(予定) ブルースクエアサムソン電子ホール

<出演>
●ジャン・バルジャン役:チョン・ソンファ、ヤン・ジュンモ
●ジャベール役:キム・ジュンヒョン、キム・ウヒョン
●ファンテーヌ役:チョン・ナヨン、チョ・ジョンウン
●マリウス役:ユン・ソホ
●アンジョルラス役:ミン・ウヒョク
●エボニーヌ役:パク・ジヨン
●コゼット役:イ・ハギョン
●テナルディエ役:イム・ギホン
●マダム・テナルディエ役:パク・ジュンミョン

写真提供:BLUESTAGE ©韓劇.com All rights reserved. 記事・写真の無断使用・転載を禁止します。

 

[MUSICAL]ヤン・ジュンモ『レ・ミゼラブル』で日本ミュージカルデビュー!

[MUSICAL]ヤン・ジュンモ『レ・ミゼラブル』で日本ミュージカルデビュー!

 

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ジャン・バルジャン役のヤン・ジュンモ ©Toho Theatrical Div.

『オペラ座の怪人』『ジキル&ハイド』『スウィーニー・トッド』をはじめ、韓国で多数の大作に主演してきたヤン・ジュンモ。パッション溢れる演技と声楽出身ならではの伸びのある歌唱力が持ち味だ。韓国ミュージカル界になくてはならない存在だが、現在は母国での活動を一時休止して、『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャン役で日本の舞台に立っている。昨年、キャスト発表された際には、日本で活動歴のない彼が主役を射止めたことは大抜擢と話題を呼んだが、4月13日から始まったプレビュー公演を経て迎えた17日の初日から、圧倒的な存在感を見せて目の肥えた日本のミュージカルファンも魅了している。

制作会社、東宝のプロデューサー、坂本義和は「プロローグシーンの稽古を最初に見たときの 衝撃は忘れられない。怒り、絶望、不安、そして再生への小さな希望を歌うジャン・バルジャンの姿が目に浮かぶほどリアリティを持って消化する力が圧倒的だった。初日が終わった後は、 長い歴史を持つ日本の『レ・ミゼラブル』にこれまでとは違う新しいジャン・バルジャンの登場を確信した」と語り、絶賛を惜しまなかったという。

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声楽で培った強く、伸びのある歌声が魅力 ©Toho Theatrical Div.

日本への出発前には「台詞や歌詞のみ日本語を覚えて練習した」と謙遜していたヤン・ジュンモだが、日本語での芝居経験がまったくなかったのが信じられないほど、劇中で1曲1曲しっかりと歌いこなしている点には注目だ。「感情表現が豊か」「まだ日本語が流暢ではないと知って驚いた」など、日本の観客も驚きをもって彼を迎えているようだ。また、4月16日のプレビュー公演最終日には、コンサートのために初来日中だった初代ジャン・バルジャンとして知られる、リビングレジェンド、コルム・ウィルキンソンが観劇に訪れてヤン・ジュンモら出演者たちと感動の対面も果たしている。

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ヤン・ジュンモとコルム・ウィルキンソン ©Toho Theatrical Div.

yjm3ヤン・ジュンモは初日を終えた所感をこう述べたという。
「カーテンコールで、観客の皆さんから長いスタンディングオベーションをいただき、これまで半年間苦労しながら準備してきたことが思い出されて涙が止まらなかったです。これから残りの公演期間も、この名作がもつメッセージを日本の観客にしっかりと伝えられるように努力したいです。日韓関係が良くない時期に出演が決まり、プレッシャーも大きかったですが、頑張って文化的和解ができるように微力ながら助けになるよう努めたいです」
まさに演技と歌を通して、日韓ミュージカルの架け橋となるべく頑張っている“ヤンバルジャン”の今後に期待したい。

『レ・ミゼラブル』は、6月1日に千秋楽を迎える東京公演のあと、名古屋、福岡、大阪、富山、静岡と9月下旬まで全国ツアーが行われる。
また韓国では、昨年ヤン・ジュンモが初演出&出演もこなして好評を得た、小劇場オペラ『リタ』を11月14日、15日に忠武アートホール 中劇場ブラックで再演予定だ。


yjm5【公演情報】
ミュージカル『レ・ミゼラブル』(日本版)
●2015年4月17日~6月1日 東京・帝国劇場(プレビュー公演:4月13日~16日)
●6月10日~30日 名古屋・中日劇場
●7月8日~8月1日 福岡・博多座
●8月8日~8月29日 大阪・梅田芸術劇場メインホール
●9月5日~9月7日 富山・オーパード・ホール
●9月17日~9月24日 静岡・静岡市清水文化会館 マリナート

⇒東宝公式サイト

写真提供:ブルーステージ ©韓劇.com All rights reserved. 記事・写真の無断使用・転載を禁止します。

[SPECIAL INTERVIEW]Vol.4 チョ・サンウン<前編>

[SPECIAL INTERVIEW]Vol.4 チョ・サンウン<前編>

 

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2012年~13年に初の韓国キャスト版を上演した『レ・ミゼラブル』のマリウスを演じて、一躍ライジングスターとなったチョ・サンウンさん。日本のミュージカルファンには劇団四季で活躍していた三雲肇(みくもはじめ)さんとしておなじみの若き実力派俳優です。
丸1年シングルキャストでマリウス役を演じきったあとは、昨年『ウィキッド』で、緑の魔女エルファバと恋に堕ちるフィエロ役で新たな魅力を披露。世界にその名を轟かせる2大ライセンスミュージカルのロングラン出演を経て、次に彼が出演を決めたのは意外にも大学路の中劇場で上演する岩井俊二監督の同名映画を舞台化した『ラブレター』でした。劇中では持ち前の透明感溢れる歌声を聞かせ、ヒロインの初恋の人となる高校生、藤井樹(ふじいいつき)を好演しています。
日本とは何かと縁が深い彼に一度お話を伺ってみたいと思っていたのですが、待望のインタビューが実現。取材は全編日本語で答えてくれました。

*      *      *

8L6B8366●『レ・ミゼラブル』『ウィキッド』と大劇場のライセンスミュージカルにメインキャストで出演された後に『ラブレター』に出演されると知ったときは正直驚きました。てっきり次も大劇場作品だと思っていたので(笑)。
「大学路の作品に出るのは今回が初めてですけど、自分は大劇場とか小劇場作品だとか、ぜんぜん関係ないんです。ミュージカルだけじゃなくて、演劇もチャンスがあったら絶対やりたいし、自分は基本的に俳優ですから、俳優として演技をすることはすべてやってみたいです。実際に友達や周りの人たちにも“今度は大劇場じゃないの?”と言われたりもしましたけど、そういう時は“関係ないよ”って。“主役とかそういう役(の大きさ)も関係ないよ”って言ってたんです」

●サンウンさんご自身は映画『ラブレター』に愛着があったりしたんですか?
韓国では、例えばテレビのお笑い番組なんかで「オゲンキデスカ~!」って言えば、“『ラブレター』の真似をしている”っていうのがみんな分かるくらい知られていますよね?
「韓国で公開されたのは1995年ですから、僕はまだ小学生くらい? なので大学時代に遅れて見たんですけども、だいぶ昔なのであまり記憶にはなかったです。出演を決めたのは、『ラブレター』の音楽監督さんが去年『ウィキッド』を見にいらしたときに“あなたに似合う役があるよ”と言われたんです。それと、演出家のビョン・チョンジュさんと個人的に一度仕事をしてみたかったんです。去年『私に会いに来て(날 보러와요)』という演劇を見て、良い作品だなと思って。自分はずっと外国の演出家と一緒にやってきて、やっぱり一度韓国の演出家と仕事をしてみたいな、と思っていたので、それが大きかったです。あとは今回が韓国初演だし、原作映画や台本にも力がありました。やっぱりいくら俳優が頑張っても、作品に力がないと駄目だというのは、劇団四季時代に浅利(慶太)先生から学んだことです。“舞台は台本が大事。そしてミュージカルだから音楽も大事だよ”っていうのを自分も“その通りだ”とずっと思ってきましたから」

●稽古に入ってからはどうでしたか? 大劇場ミュージカルと違う部分はありましたか?
「システムですか? うーん、システム的な部分は違うところもありますけど、稽古は同じ人間が演ることですから、そんなに違いはないですね。むしろもっと家族的な雰囲気ですごく良い部分がたくさんありました。(秋葉役の)パク・ホサンさんは、もう20年近くいろんな作品に出ている方じゃないですか? そのホサンさんが“今回の稽古場の雰囲気が一番良い”って、他の俳優さんやスタッフさんもみんな良いって言ってるんです。もちろん僕も良いなとは感じていたんですけど、それほどまでに良いとは予想してなかったです。みんな優しいし、お互い助け合いながらやっています」

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寡黙なイケメンでクラスの女子にモテモテの樹

●サンウンさんが演じている藤井樹は、不愛想でツンとした感じのミステリアスなイメージがありましたが……。
「あ、そうですか? 僕は普段は優しいですよ(笑)」

(笑)。はい、もちろん知っていますが(笑)。普段はこうしてとても優しい雰囲気なのに、樹のキャラクターはまったく逆のイメージですよね? 演じてみていかがでしたか?
「映画でも樹はあまり出てこないし、喋らないじゃないですか? だから喋れば喋るほどマイナスになるキャラクターだと思うんですけど、セリフがあって、ミュージカルだから歌も歌わなきゃいけないので、とにかく台本を読んで、この子はどんな性格かな? とか考えながらビョン演出家と一緒に作っていった感じです。でもこれで終わりじゃなくて、いまも上演しながら少しずつ変えているというよりは、感じたことをそのまま素直に表現する、もっと深く考えてみよう、と毎回やっています。それが自分でもとても面白いです」

●いち観客としては、折角サンウンさんが出演しているのに、登場するシーンも歌うシーンもあまり多くないので、それがちょっと残念でした。
「でも逆に『レミゼ』とか『ウィキッド』をずっと見てくれていた人も、“今回が一番良い。良く似合ってる”と言ってくれる人もいるんです。自分で言うのはヘンかもしれないけど、樹は神秘性もあるし、最初から最後まで全体的に藤井樹にまつわる話じゃないですか? それがとても観客の心に残るみたいです。正直、最初は色々と心配もあったんですけど、結果的には良い作品になって、評判も良いのでそれが一番うれしいです。大学路でいま上演している作品のなかで『ラブレター』が一番良いんじゃないかなと思います」

●舞台を拝見したときに、実は『バンジージャンプする』を思い出したんですよ。
「はい、そういう話も良く聞きます。原作も同じく映画ですし、雰囲気も音楽も近いものがありますよね」

8L6B8478●ダブルキャストで樹役を演じているのはカン・ギドゥンさんですね。2人はまったく違う雰囲気をお持ちですが、サンウンさんが独自の樹を表現するために、何か努力された部分はありますか?
「基本的には台本にのっとって演じていますけど、同じ表現をしても演じる人間が違うから、自然と違った魅力が出てくると思います。稽古場で見ていてもギドゥンさんはとても魅力的だし、彼はミュージカルはほぼ初めてだけど、元々演劇はたくさんやっていた人なので演技も上手いし、すごく良い俳優です。稽古のときも2人で助け合いながら、ひとつの役を創っていったという感じです」

●樹が歌うパートで、一番好きな曲はどの場面の曲ですか?
「自分がやっぱり好きなのは『ひと目惚れという言葉(첫눈에 반한다는말)』(⇒プレスコール公式映像で、大人になってからの姿で歌う曲が一番好きです。歌詞が好きなのは(樹が桜の木の下で歌う)『サクラ(벚꽃)』(⇒稽古風景公式映像です。曲の歌詞に深い意味があるんです」

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「サクラ」を歌うシーンでのサンウンさん

●チョ・サンウン演じる藤井樹の魅力、見どころを紹介するとすれば?
「自分ですか? いや~、う~~ん(笑)」

●個人的には、サンウンさん、とても学生服が似合っていると思いました(笑)。
「あ~(笑)、似合ってますか!? 最近は学生の雰囲気を出すために、髪もこういう風に切ったりして(笑)。似合っていると言ってくださってありがとうございます(笑)。本当は31歳なのに…」

●31歳で学生服がこんなに似合う人はいないのでは? と(笑)。
「もう、これが最後です(笑)。もう学生服は見られないかもしれないです(笑)」

●大学路で上演している作品は学生が主人公のものが結構多いですけど、もしオファーが来たらどうしますか?
「それは……作品が良かったら、出ますけど。でも『ラブレター』ほど制服が似合う作品は他にないんじゃないかな? ははは(笑)」

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詰襟が似合いすぎる驚異の31歳(笑)。写真右がカン・ギドゥンさん

⇒インタビュー後編 では、俳優チョ・サンウン誕生秘話に迫ります。

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[SPECIAL INTERVIEW]Vol.4 チョ・サンウン<後編>

[SPECIAL INTERVIEW]Vol.4 チョ・サンウン<後編>

 

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●韓劇.comの読者のなかには、サンウンさんが劇団四季で活動されていた時代をご存知ない方も結構いらっしゃるようなので、後半はこれまでの経歴についてお伺いしたいと思うんですが……。
釜山出身ですよね? そもそも俳優を志したきっかけは何でしたか?

「小さいときからドラマとかを見て、ずっと“俳優になりたいな”と思っていたんです。自分は他の夢を持ったことがないです。だからやらなきゃいけないんです。これしか出来ないんで」

8L6B8343●俳優になれれば、映画でもドラマでも何でも良かった?(笑)
「はい。最初は。でも、もともと歌うことも好きだったんです。高校の時には合唱団で活動したりもしました。それから大学に入ったんですけども、演技もやれる、歌も歌える、踊りも踊れるのはミュージカルじゃないか、と気づいて。そのころちょうど、2004年に初演したチョ・スンウさんの『ジキル&ハイド』を見て、自分も演りたいなと思ってからは、僕のアンテナが全部ミュージカルのほうに向いたんです」

●釜山で通っていた大学(慶星大学)にはミュージカルを学ぶ環境があったんですか?
「大学は演劇映画科で演技しか学べなかったので、歌とかは個人レッスンを受けたり、作品を観たりして自分で勉強していました」

●ミュージカルを始めたのは劇団四季の『ライオンキング』が最初になるんですよね?
「はい、そうですね。2006年に“韓国初演の『ライオンキング』のオーディションがあるよ、というのを友達から聞いて。その友達は先に劇団四季に入っていたんですけども、『ライオンキング』を見たときにシンバが出てきたら“あれ? これサンウンがやったらピッタリの役じゃない?”と思ったらしくて、連絡してくれたんです。でも僕はまだ学生だったし、準備が出来ていないと思ったんだけど、友達が“一応、受けてみて”って言うから、“よし、じゃぁわかった。受けてみるよ”って、シャーロッテ劇場でオーディションを受けたんです。そうしたら浅利(慶太)先生が、“あ、シンバだ”って言ってくださって、オーディションに合格したんです」

●へぇぇぇ! 最初からそれは凄い! あの浅利先生から。
「でも、劇団四季のシステムがありますから、アンサンブルから始めて、その後でシンバを演ったんです」

●アンサンブルとして合格したときはパク・ウンテさんなどと一緒だったんですよね?
「ウンテさんと僕がサイの前足と後足担当だったんです」

●それは今考えると豪華すぎるサイですね!(笑) ほかにアンサンブルに合格して、いま活躍している俳優はどんな方がいらっしゃいますか?
「当時は無名だったけど、いまはみんな有名になられましたね。パク・ウンテさんもそうだし、キム・ジュンヒョンさんも一緒でしたし、チャ・ジヨンさん、カン・テウルさんなど、いろんな俳優がいました」

8L6B8414●それからシンバ役を演じるようになったのは?
「2007年の初めからですね。それからその年の11月に『ライオンキング』の上演が終わって、まだ若かったから劇団四季の良いシステムの中で学びたいな、と思って、オーディションを受けて日本の劇団四季に入ったんです」

●その時はすでに日本語を話せていたんですか?
「いえ。日本に行って、イチから勉強しました。『ライオンキング』でシンバ役を半年くらいやりながら。動線や歌は韓国でずっとやっていたので分かってましたから、最初はとにかく日本語のセリフだけを覚えて、出演しながら日本語の勉強をやっていったんです」

●そして、2009年日本初演の『春のめざめ(スプリング・アウェイクニング)』に、韓国版ではチョ・ジョンソクさんなどが演じた、モリッツ役で出演されたんですね。
「実は『春のめざめ』のオーディションのときに、ブロードウェイから演出家さんもいらしたんですけど、その演出家さんはもちろん日本語が分からないじゃないですか? 僕が日本人か韓国人かなんて分からないはずだから、逆にそれは僕にとってチャンスだ。と思って、自分が持っているパッションを全部お見せしたんです。本当は候補の3番目か4番目くらいだったんですけど、演出家さんが“モリッツはサンウンに演ってほしい”と、おっしゃったらしくて、出演が決まったんです。それからはさらに頑張って日本語も勉強もしたし、役の研究もしたりと一生懸命勉強しましたね」

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『ウィキッド』では、りりしいフィエロ役で観客を魅了!(2013年11月 『ウィキッド』プレスコールより)

●その後で『コーラスライン』や『キャッツ』にも出演されたそうですが、劇団を辞めたのはいつごろでしたか?
「2012年の3月です。大きな地震があったじゃないですか? そのころは『ライオンキング』に出演してたんですけど、両親が心配したのもあって韓国に帰ってきたら、ちょうど『レ・ミゼラブル』の初演が決まっていて。まだマリウス役に合格した人がいないというのを聞いて、オーディションを受けてみないか、と誘われたんです」

●それで1年間マリウスを演じられて、『ウィキッド』のフィエロまで、と華々しい経歴が続いたわけですね。『レミゼ』も『ウィキッド』も日本でとても人気がある作品ですし、これから日本でも活動したいとは思いませんか?
「はい。日本のミュージカルに出演してみたいと僕も思っています。日本でコンサートがあるんですけど(※2月1日に終了)、これをきっかけに日本でコンサートなども、もっと出来たらいいなと思っています」

 

●日本語がお上手ですから、いまこのまま日本に行かれても、すぐ舞台に立てると思いますよ。
「いやいや、日本語はまだまだ勉強しなきゃいけないですけど、機会があったら日本の舞台にも立ちたいですね」

*      *      *

終始柔らかな笑顔が印象的だったサンウンさん。取材時には、次の出演作はまだ決めていないとのお話でしたが、彼ほどの実力があれば、いろんな作品から引く手あまたでしょう。そして最後にお話くださった、日本の舞台に立つ日もそう遠くはないかもしれません。

サンウンさんが『レ・ミゼラブル』に出演中の2013年、ミュージカル俳優のトークショー「イヤギショー」に出演されたのを見たときに、今でも忘れられないエピソードがあります。サンウンさんは『レミゼ』の稽古中、毎日毎日誰よりも早く稽古場に来て、ウォーミングアップや発声練習をしていたんだそうです。「稽古場に来ると、まずサンウンさんの声を聴くことになる」と共演者たちは冗談めかして話していましたが、こうして見えないところで人一倍の努力をしている人だからこそ、当時韓国ではほぼ無名だったにもかかわらず、マリウス役を射止めることができたんだな、と感心しました。
韓国のみならず日本でも……と、無限の可能性を秘めたサンウンさん。さらなるご活躍を期待しつつ、これからも応援していきたいと思っています。

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