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[MUSICAL]緑の魔女が帰ってくる!『ウィキッド』韓国版 2016年再演決定!

[MUSICAL]緑の魔女が帰ってくる!『ウィキッド』韓国版 2016年再演決定!

 

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2013年韓国プロダクションの舞台より

ブロードウェイミュージカル『ウィキッド』が、2016年に韓国初演から約3年ぶりに帰ってくる。5月から大邱(テグ)市で先行上演される地方公演を皮切りに、7月にはソウル公演を実施する。
特に、今回初めてとなる大邱の地方公演では、巨大セットや舞台メカニック、30人編成のオーケストラなど、世界中で同様に運営されている『ウィキッド』プロダクションのスケールそのままに、地方の観客もブロードウェイミュージカルの醍醐味を味わえる機会となる。

「オズの魔法使い」をベースにした『ウィキッド』は、原作ではあまりあ語られていないエルファバとグリンダという魔女を主人公に、二人の友情や恋を描く。2003年にブロードウェイで初演以来、上演した世界各都市の興行記録を塗り替えた作品だ。昨年10月にはブロードウェイで5000回公演を突破し、現在初演から11年目を迎えて『ウィキッド』の興行マジックはまだまだ現在進行形だ。

日本では2007年から劇団四季で上演されているが、韓国では2012年にまず、オリジナルプロダクションの来韓公演が行われた。翌2013年に韓国版を初演し、原作者スティーブン・シュワルツは「ブロードウェイと同じステージ構成はもちろん、感情を込めて表現する韓国俳優のレベルは最高だ」と絶賛したという。創造力溢れるストーリーに、グラミー賞受賞の音楽、きらびやかな衣装や照明、驚くべき舞台セット……トニー賞をはじめ、70の賞を総なめにしただけあって、老若男女すべてを魅了する魔法のような舞台だ。

世界最高レベルの実力を持つ俳優をそろえて2016年、再びミュージカルの神髄を披露する予定だ。


【公演情報】
ミュージカル『ウィキッド』
●大邱公演:2016年5月20日~6月 大邱・ケミョンアートセンター
●ソウル公演:2016年7月12日~8月 芸術の殿堂オペラ劇場

写真提供:ソル&カンパニー

[SPECIAL INTERVIEW]Vol.4 チョ・サンウン<前編>

[SPECIAL INTERVIEW]Vol.4 チョ・サンウン<前編>

 

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2012年~13年に初の韓国キャスト版を上演した『レ・ミゼラブル』のマリウスを演じて、一躍ライジングスターとなったチョ・サンウンさん。日本のミュージカルファンには劇団四季で活躍していた三雲肇(みくもはじめ)さんとしておなじみの若き実力派俳優です。
丸1年シングルキャストでマリウス役を演じきったあとは、昨年『ウィキッド』で、緑の魔女エルファバと恋に堕ちるフィエロ役で新たな魅力を披露。世界にその名を轟かせる2大ライセンスミュージカルのロングラン出演を経て、次に彼が出演を決めたのは意外にも大学路の中劇場で上演する岩井俊二監督の同名映画を舞台化した『ラブレター』でした。劇中では持ち前の透明感溢れる歌声を聞かせ、ヒロインの初恋の人となる高校生、藤井樹(ふじいいつき)を好演しています。
日本とは何かと縁が深い彼に一度お話を伺ってみたいと思っていたのですが、待望のインタビューが実現。取材は全編日本語で答えてくれました。

*      *      *

8L6B8366●『レ・ミゼラブル』『ウィキッド』と大劇場のライセンスミュージカルにメインキャストで出演された後に『ラブレター』に出演されると知ったときは正直驚きました。てっきり次も大劇場作品だと思っていたので(笑)。
「大学路の作品に出るのは今回が初めてですけど、自分は大劇場とか小劇場作品だとか、ぜんぜん関係ないんです。ミュージカルだけじゃなくて、演劇もチャンスがあったら絶対やりたいし、自分は基本的に俳優ですから、俳優として演技をすることはすべてやってみたいです。実際に友達や周りの人たちにも“今度は大劇場じゃないの?”と言われたりもしましたけど、そういう時は“関係ないよ”って。“主役とかそういう役(の大きさ)も関係ないよ”って言ってたんです」

●サンウンさんご自身は映画『ラブレター』に愛着があったりしたんですか?
韓国では、例えばテレビのお笑い番組なんかで「オゲンキデスカ~!」って言えば、“『ラブレター』の真似をしている”っていうのがみんな分かるくらい知られていますよね?
「韓国で公開されたのは1995年ですから、僕はまだ小学生くらい? なので大学時代に遅れて見たんですけども、だいぶ昔なのであまり記憶にはなかったです。出演を決めたのは、『ラブレター』の音楽監督さんが去年『ウィキッド』を見にいらしたときに“あなたに似合う役があるよ”と言われたんです。それと、演出家のビョン・チョンジュさんと個人的に一度仕事をしてみたかったんです。去年『私に会いに来て(날 보러와요)』という演劇を見て、良い作品だなと思って。自分はずっと外国の演出家と一緒にやってきて、やっぱり一度韓国の演出家と仕事をしてみたいな、と思っていたので、それが大きかったです。あとは今回が韓国初演だし、原作映画や台本にも力がありました。やっぱりいくら俳優が頑張っても、作品に力がないと駄目だというのは、劇団四季時代に浅利(慶太)先生から学んだことです。“舞台は台本が大事。そしてミュージカルだから音楽も大事だよ”っていうのを自分も“その通りだ”とずっと思ってきましたから」

●稽古に入ってからはどうでしたか? 大劇場ミュージカルと違う部分はありましたか?
「システムですか? うーん、システム的な部分は違うところもありますけど、稽古は同じ人間が演ることですから、そんなに違いはないですね。むしろもっと家族的な雰囲気ですごく良い部分がたくさんありました。(秋葉役の)パク・ホサンさんは、もう20年近くいろんな作品に出ている方じゃないですか? そのホサンさんが“今回の稽古場の雰囲気が一番良い”って、他の俳優さんやスタッフさんもみんな良いって言ってるんです。もちろん僕も良いなとは感じていたんですけど、それほどまでに良いとは予想してなかったです。みんな優しいし、お互い助け合いながらやっています」

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寡黙なイケメンでクラスの女子にモテモテの樹

●サンウンさんが演じている藤井樹は、不愛想でツンとした感じのミステリアスなイメージがありましたが……。
「あ、そうですか? 僕は普段は優しいですよ(笑)」

(笑)。はい、もちろん知っていますが(笑)。普段はこうしてとても優しい雰囲気なのに、樹のキャラクターはまったく逆のイメージですよね? 演じてみていかがでしたか?
「映画でも樹はあまり出てこないし、喋らないじゃないですか? だから喋れば喋るほどマイナスになるキャラクターだと思うんですけど、セリフがあって、ミュージカルだから歌も歌わなきゃいけないので、とにかく台本を読んで、この子はどんな性格かな? とか考えながらビョン演出家と一緒に作っていった感じです。でもこれで終わりじゃなくて、いまも上演しながら少しずつ変えているというよりは、感じたことをそのまま素直に表現する、もっと深く考えてみよう、と毎回やっています。それが自分でもとても面白いです」

●いち観客としては、折角サンウンさんが出演しているのに、登場するシーンも歌うシーンもあまり多くないので、それがちょっと残念でした。
「でも逆に『レミゼ』とか『ウィキッド』をずっと見てくれていた人も、“今回が一番良い。良く似合ってる”と言ってくれる人もいるんです。自分で言うのはヘンかもしれないけど、樹は神秘性もあるし、最初から最後まで全体的に藤井樹にまつわる話じゃないですか? それがとても観客の心に残るみたいです。正直、最初は色々と心配もあったんですけど、結果的には良い作品になって、評判も良いのでそれが一番うれしいです。大学路でいま上演している作品のなかで『ラブレター』が一番良いんじゃないかなと思います」

●舞台を拝見したときに、実は『バンジージャンプする』を思い出したんですよ。
「はい、そういう話も良く聞きます。原作も同じく映画ですし、雰囲気も音楽も近いものがありますよね」

8L6B8478●ダブルキャストで樹役を演じているのはカン・ギドゥンさんですね。2人はまったく違う雰囲気をお持ちですが、サンウンさんが独自の樹を表現するために、何か努力された部分はありますか?
「基本的には台本にのっとって演じていますけど、同じ表現をしても演じる人間が違うから、自然と違った魅力が出てくると思います。稽古場で見ていてもギドゥンさんはとても魅力的だし、彼はミュージカルはほぼ初めてだけど、元々演劇はたくさんやっていた人なので演技も上手いし、すごく良い俳優です。稽古のときも2人で助け合いながら、ひとつの役を創っていったという感じです」

●樹が歌うパートで、一番好きな曲はどの場面の曲ですか?
「自分がやっぱり好きなのは『ひと目惚れという言葉(첫눈에 반한다는말)』(⇒プレスコール公式映像で、大人になってからの姿で歌う曲が一番好きです。歌詞が好きなのは(樹が桜の木の下で歌う)『サクラ(벚꽃)』(⇒稽古風景公式映像です。曲の歌詞に深い意味があるんです」

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「サクラ」を歌うシーンでのサンウンさん

●チョ・サンウン演じる藤井樹の魅力、見どころを紹介するとすれば?
「自分ですか? いや~、う~~ん(笑)」

●個人的には、サンウンさん、とても学生服が似合っていると思いました(笑)。
「あ~(笑)、似合ってますか!? 最近は学生の雰囲気を出すために、髪もこういう風に切ったりして(笑)。似合っていると言ってくださってありがとうございます(笑)。本当は31歳なのに…」

●31歳で学生服がこんなに似合う人はいないのでは? と(笑)。
「もう、これが最後です(笑)。もう学生服は見られないかもしれないです(笑)」

●大学路で上演している作品は学生が主人公のものが結構多いですけど、もしオファーが来たらどうしますか?
「それは……作品が良かったら、出ますけど。でも『ラブレター』ほど制服が似合う作品は他にないんじゃないかな? ははは(笑)」

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詰襟が似合いすぎる驚異の31歳(笑)。写真右がカン・ギドゥンさん

⇒インタビュー後編 では、俳優チョ・サンウン誕生秘話に迫ります。

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[SPECIAL INTERVIEW]Vol.4 チョ・サンウン<後編>

[SPECIAL INTERVIEW]Vol.4 チョ・サンウン<後編>

 

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●韓劇.comの読者のなかには、サンウンさんが劇団四季で活動されていた時代をご存知ない方も結構いらっしゃるようなので、後半はこれまでの経歴についてお伺いしたいと思うんですが……。
釜山出身ですよね? そもそも俳優を志したきっかけは何でしたか?

「小さいときからドラマとかを見て、ずっと“俳優になりたいな”と思っていたんです。自分は他の夢を持ったことがないです。だからやらなきゃいけないんです。これしか出来ないんで」

8L6B8343●俳優になれれば、映画でもドラマでも何でも良かった?(笑)
「はい。最初は。でも、もともと歌うことも好きだったんです。高校の時には合唱団で活動したりもしました。それから大学に入ったんですけども、演技もやれる、歌も歌える、踊りも踊れるのはミュージカルじゃないか、と気づいて。そのころちょうど、2004年に初演したチョ・スンウさんの『ジキル&ハイド』を見て、自分も演りたいなと思ってからは、僕のアンテナが全部ミュージカルのほうに向いたんです」

●釜山で通っていた大学(慶星大学)にはミュージカルを学ぶ環境があったんですか?
「大学は演劇映画科で演技しか学べなかったので、歌とかは個人レッスンを受けたり、作品を観たりして自分で勉強していました」

●ミュージカルを始めたのは劇団四季の『ライオンキング』が最初になるんですよね?
「はい、そうですね。2006年に“韓国初演の『ライオンキング』のオーディションがあるよ、というのを友達から聞いて。その友達は先に劇団四季に入っていたんですけども、『ライオンキング』を見たときにシンバが出てきたら“あれ? これサンウンがやったらピッタリの役じゃない?”と思ったらしくて、連絡してくれたんです。でも僕はまだ学生だったし、準備が出来ていないと思ったんだけど、友達が“一応、受けてみて”って言うから、“よし、じゃぁわかった。受けてみるよ”って、シャーロッテ劇場でオーディションを受けたんです。そうしたら浅利(慶太)先生が、“あ、シンバだ”って言ってくださって、オーディションに合格したんです」

●へぇぇぇ! 最初からそれは凄い! あの浅利先生から。
「でも、劇団四季のシステムがありますから、アンサンブルから始めて、その後でシンバを演ったんです」

●アンサンブルとして合格したときはパク・ウンテさんなどと一緒だったんですよね?
「ウンテさんと僕がサイの前足と後足担当だったんです」

●それは今考えると豪華すぎるサイですね!(笑) ほかにアンサンブルに合格して、いま活躍している俳優はどんな方がいらっしゃいますか?
「当時は無名だったけど、いまはみんな有名になられましたね。パク・ウンテさんもそうだし、キム・ジュンヒョンさんも一緒でしたし、チャ・ジヨンさん、カン・テウルさんなど、いろんな俳優がいました」

8L6B8414●それからシンバ役を演じるようになったのは?
「2007年の初めからですね。それからその年の11月に『ライオンキング』の上演が終わって、まだ若かったから劇団四季の良いシステムの中で学びたいな、と思って、オーディションを受けて日本の劇団四季に入ったんです」

●その時はすでに日本語を話せていたんですか?
「いえ。日本に行って、イチから勉強しました。『ライオンキング』でシンバ役を半年くらいやりながら。動線や歌は韓国でずっとやっていたので分かってましたから、最初はとにかく日本語のセリフだけを覚えて、出演しながら日本語の勉強をやっていったんです」

●そして、2009年日本初演の『春のめざめ(スプリング・アウェイクニング)』に、韓国版ではチョ・ジョンソクさんなどが演じた、モリッツ役で出演されたんですね。
「実は『春のめざめ』のオーディションのときに、ブロードウェイから演出家さんもいらしたんですけど、その演出家さんはもちろん日本語が分からないじゃないですか? 僕が日本人か韓国人かなんて分からないはずだから、逆にそれは僕にとってチャンスだ。と思って、自分が持っているパッションを全部お見せしたんです。本当は候補の3番目か4番目くらいだったんですけど、演出家さんが“モリッツはサンウンに演ってほしい”と、おっしゃったらしくて、出演が決まったんです。それからはさらに頑張って日本語も勉強もしたし、役の研究もしたりと一生懸命勉強しましたね」

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『ウィキッド』では、りりしいフィエロ役で観客を魅了!(2013年11月 『ウィキッド』プレスコールより)

●その後で『コーラスライン』や『キャッツ』にも出演されたそうですが、劇団を辞めたのはいつごろでしたか?
「2012年の3月です。大きな地震があったじゃないですか? そのころは『ライオンキング』に出演してたんですけど、両親が心配したのもあって韓国に帰ってきたら、ちょうど『レ・ミゼラブル』の初演が決まっていて。まだマリウス役に合格した人がいないというのを聞いて、オーディションを受けてみないか、と誘われたんです」

●それで1年間マリウスを演じられて、『ウィキッド』のフィエロまで、と華々しい経歴が続いたわけですね。『レミゼ』も『ウィキッド』も日本でとても人気がある作品ですし、これから日本でも活動したいとは思いませんか?
「はい。日本のミュージカルに出演してみたいと僕も思っています。日本でコンサートがあるんですけど(※2月1日に終了)、これをきっかけに日本でコンサートなども、もっと出来たらいいなと思っています」

 

●日本語がお上手ですから、いまこのまま日本に行かれても、すぐ舞台に立てると思いますよ。
「いやいや、日本語はまだまだ勉強しなきゃいけないですけど、機会があったら日本の舞台にも立ちたいですね」

*      *      *

終始柔らかな笑顔が印象的だったサンウンさん。取材時には、次の出演作はまだ決めていないとのお話でしたが、彼ほどの実力があれば、いろんな作品から引く手あまたでしょう。そして最後にお話くださった、日本の舞台に立つ日もそう遠くはないかもしれません。

サンウンさんが『レ・ミゼラブル』に出演中の2013年、ミュージカル俳優のトークショー「イヤギショー」に出演されたのを見たときに、今でも忘れられないエピソードがあります。サンウンさんは『レミゼ』の稽古中、毎日毎日誰よりも早く稽古場に来て、ウォーミングアップや発声練習をしていたんだそうです。「稽古場に来ると、まずサンウンさんの声を聴くことになる」と共演者たちは冗談めかして話していましたが、こうして見えないところで人一倍の努力をしている人だからこそ、当時韓国ではほぼ無名だったにもかかわらず、マリウス役を射止めることができたんだな、と感心しました。
韓国のみならず日本でも……と、無限の可能性を秘めたサンウンさん。さらなるご活躍を期待しつつ、これからも応援していきたいと思っています。

⇒インタビュー前編へもどる

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さいきいずみの「韓劇日誌」Vol.5 

さいきいずみの「韓劇日誌」Vol.5 

 

「“極私的” 2014年韓国公演界総括」

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演出、セット、衣装とすべてリニューアルした『モーツァルト!』

久々にコラム更新です。気が付けば前回から半年以上空いておりました(汗)。韓劇.com正式オープン後は、皆さんに大きな関心をいただきありがとうございました。まだまだ至らない部分も多いですが、2015年もよろしくお願い致します。
韓国の各メディアで年末に公演界の1年を総括する記事が上がっていたので真似してやってみようと思いました…が、普通にやっては面白くないので独断と偏見による、超私的な2014年の感想をUPしてみたいと思います。
さて、昨年1年間でいったい自分は何本舞台を見たのか? 先日チケットの半券を数えてみたところ、舞台関係のトークショーやショーケースなども入れて200本超。おお、こんなに見てたんだなぁと我ながらビックリしました。チケット代にいくらつぎ込んだのか、考えるのも恐ろしいです(笑)。
ピックアップした作品は、2014年の上演作をミュージカルについては3つのカテゴリに分け、一方、演劇は印象に残ったBEST10を紹介したいと思います。作品タイトルにはすべて公演データベースPlayDBのリンクを張りました。気になった作品があったら、調べてみてください。

【ミュージカル部門】

<大劇場 ライセンス作品編>BEST3
『モーツァルト!』
『マリー・アントワネット』
『ウィキッド』
大劇場のライセンスミュージカルは「ミュージカルは曲ありき」を再認識させられた、必殺キラーチューンを持っている作品が並びました。特に“All New”と謳った『モーツァルト!』の再演は、原作のもつ強さを改めて実感しました。新演出は、例えばコロレド大司教のトイレシーンなどベタな部分は必要最小限にし、ヴォルフガングの苦悩に焦点を当てて再構築していたので賛否両論あったと思いますが、私は良かったと思います。そして、安定のイム・テギョン、大躍進のパク・ウンテ、瑞々しさのパク・ヒョシンと、ヴォルフガング役は誰を見てもクオリティを保てていたのが凄かった。ピックアップした他2作に比べて段違いの規模である世宗文化会館での上演、という部分でも意味ある再演だったと思います。『マリー・アントワネット』と『ウィキッド』は初演でありながら、俳優たちの歌や演技、ストーリー構成とトータルで完成度が高く、観劇後の満足度が高かったです。

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2014年最高のヒット作『フランケンシュタイン』

2014年最大の話題作『フランケンシュタイン』が入ってない! と思われる方、多いと思いますが、個人的には結構シビアに見ました。韓国映画やドラマによくある幼少時のトラウマから成る話。ストーリーライン(特に2幕)はかなり大雑把な構成でしたし、音楽が耳に残らなかったです。俳優個々の歌や演技はハイレベルですし、豪華なステージなので劇場で見ているときは、とても楽しいのですが、観劇後に何か心に残るか? といったら疑問が残りました。11月から再演が決まっているので、この作品が韓国を代表する創作ミュージカルとして名を残せるかどうかは、今年が正念場だと思います。
同じく、多くの方がご覧になったであろう『ドラキュラ』は回転するセットを中心に置き、スピーディーに展開していて見ごたえはあったのですが、もっとドラマチックに盛り上がるか……というところでアッサリ終わってしまう物足りなさが残りました。また、レンフィールド役のイ・スンウォン、ルーシー役のイ・ジへなど、若き助演陣の熱演が賞賛されていましたが、裏を返せば彼らがシーンスティーラーとなってしまうほど主要キャストの描写が弱かった、ということではないでしょうか?

<中・小劇場 創作ミュージカル編>BEST3

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魂のこもった歌が、深い感動を呼ぶ『西便制』

『西便制(ソピョンジェ)』
『ザ・デビル』
『サリエリ』
声(ソリ)に人生をかける父娘の壮絶な生き様を、魂の歌パンソリに乗せて描く『西便制』は3度目の再演も変わらぬクオリティでした。特に娘ソンファを演じる本物のソリクン(=パンソリの歌い手)であるイ・チャラムの神がかったパンソリを聴いて、心を動かされない人はいないでしょう。洋もののような華やかさはないものの、一歩間違うと垢抜けないローカル感が出てしまう作品世界を韓紙を使ったシンプルなセットでスタイリッシュに見せていました。決して気楽に見られるストーリーではありませんが、こういう作品こそ、韓国を代表する創作ミュージカルとして大切に育て、公演を続けてほしいと思っています。

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独創的な作品世界で評価が分かれた『ザ・デビル』

新作では『ザ・デビル』が個人的には最も印象に残った作品でした。当初制作会社はドゥサンアートセンターで『ママ、ドント・クライ』の上演を企画していたものの、作品に対し劇場が大きすぎると判断。そこで演出イ・ジナがブロードウェイで見た『ファウスト』にインスパイアされて、新たに“ショーミュージカル”を創作しよう、ということになったのだそうです。ゴシックロックをベースにしたスコアはクオリティ高く、ライティングを駆使した立体的なセット、舞台上で生演奏を見せる演出など見どころ満載でした。しかし「ファウスト」の世界観を知らないと筋が難解なことや、演奏やコーラスが目立ちすぎ、サウンドのボリュームが大きいなどの観客の声を反映して、公演中盤からはライブ感がスポイルされてしまったのは残念。メディアでは賛否両論でしたが、こういう実験的な作品を創作・上演したこと自体を称賛したいです。グレードアップして再演する日を楽しみに待ちたいと思います。

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10月プレミアムコンサート開催!『サリエリ』

『サリエリ』は演出、衣装など色々と危なっかしい部分はありましたが、なぜか中毒性の高い作品でした。モーツァルトの才能に嫉妬するサリエリの心を具象化したジェラスが『エリザベート』におけるトートのように魅惑的に描かれていたのも面白かったです。
2013年に小劇場で大ヒットし、中劇場にランクアップして注目を浴びたのが『共同警備区域JSA』『女神様が見ている』でした。しかし、いずれも小劇場版を凌ぐことはできず。2作品ともベースはしっかりしている作品ですから大きく崩れることはなかったものの、より大衆向けにしたかったのか、説明的描写が追加されたことで作品全体の緊張感が失われてしまいました。劇場をサイズアップする際にいかに構成し直すか……小劇場創作ミュージカルが抱える課題を見た気がしました。

<惜しかったで賞編>
『ヴォイツェック』 『太陽王』 『プリシラ』
『シンギン・イン・ザ・レイン』
派手な宣伝に比べ、作品力が伴わなかった4作です。LGアートセンターで上演した『ヴォイツェック』『プリシラ』は作品に対して舞台が大きすぎると感じました。『太陽王』『シンギン・イン・ザ・レイン』は大舞台で構成可能な作品でありながら演出は小劇場方式。俳優の頑張りが作品に反映できていないのも残念でした。

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韓国版に見事に昇華した社会派ドラマ『背水の孤島』

【演劇部門】BEST10

『背水の孤島』
『少年Bが住む家』
『道を去る家族』
『マクベス』
『フランケンシュタイン』
『メフィスト』
『飛行少年KW4839』
『愉快な下女マリサ』
『私に会いに来て』
『デス・トラップ』

 

演劇では、劇団TRUSHMASTERS中津留章仁原作『背水の孤島』が個人的ベストでした。セウォル号沈没事故で韓国社会が激震中のなかで上演。演劇界で注目を集める気鋭の演出家キム・ジェヨプが、アイロニカルな作品世界を十分に読み取り、実力派俳優たちとともに韓国版に再生させた秀作でした。本作と、少年犯罪を犯した家族の苦悩を描いたCJクリエイティブマインズ発の作品『少年Bが住む家』は観劇中に涙が止まらないほど心を揺さぶられました。『背水の孤島』は公演中のアフタートークをリポートしていますので、ご興味ある方はお目通しください。
韓国のゴッホと呼ばれるイ・ジュンソプを取り上げた『道を去る家族』は演戯団コリペのイ・ユンテク作・演出作品。日本で美術を学び、才能を開花させた画家が、愛する日本人の妻や家族と別れて暮らさねばならなかった半生を知るきっかけとなりました。ジュンソプ役、チ・ヒョンジュンが劇中で描き上げる牛の絵や、絵画から飛び出してきたような舞台美術がとにかく素晴らしかったです。

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パク・ヘスが圧巻の演技!『フランケンシュタイン』

『マクベス』『フランケンシュタイン』はともにパク・ヘス主演作。ダイナミックで入魂の熱い演技を見せてくれた彼あってこその作品でした。『フランケンシュタイン』は日本でもNTLiveで公開された英国版が原作ですが、ワン・ヨンボム版の創作ミュージカルと比較すると、こちらのほうがストーリーラインがしっかり構築されていたと思います。
『メフィスト』『飛行少年KW4839』『愉快な下女マリサ』(プラス、『背水の孤島』も)は舞台美術をヨ・シンドンが担当した作品。それぞれに作品自体も面白かったのですが、独創的かつアーティスティック、反面、キッチュなポップさも持ち合わせた彼が生み出すセットは、韓国でいま一番面白く、作品のクオリティを上げるのにも一役買っていると思います。『メフィスト』については主演女優チョン・ミドの怪演も光っていました。
5年ぶりに再演した、映画『殺人の追憶』の原作でもある『私に会いに来て』、同名映画が有名な作品をキム・スロプロジェクトが初演した『デス・トラップ』は推理サスペンスでしたが、どちらも笑えるコミカルなシーンを盛り込みながら、しっかりとした推理劇に仕上げてありました。
ほかにも、イ・ジェギュンが東亜演劇賞・新人演技賞を受賞した『家族という名の部族―TRIBES』や、『アリバイ年代記』『背水の孤島』のキム・ジェヨプによる新作『なぜ私は小さなことにのみ憤慨するのか』などなど10本に収めるのが困難なほど、素晴らしい作品にたくさん出会うことが出来ました。

韓国の公演界全体を見ると、2013~14年前半までに業界を支配していた妙な高揚感は見事に消え去りました。多くの来日公演が成果を上げられず、日本で多くのメディアが展開している嫌韓的な報道がボディーブローのように効いてきているため、観光もエンタメも中国向けにシフトしています。いくつかのミュージカルが中国公演を標ぼうしているので、そのうちアイドルを起用したミュージカルなどは日本ではなく中国で公演を始めるのではないでしょうか? さらに最近危機感を覚えているのが、大型ミュージカルのチケット価格設定です。VIP席14万ウォン基準になり、今年は15万ウォンの作品も出てくるかもしれません。昨年から急激に円安が加速したこともあり、現時点のレートで1万5千円越。日本国内作品の平均価格をついに超えました。もちろん、韓国ではさまざまな割引を駆使して定価で購入する人はほとんどいませんが、韓国の平均所得を考えると割引をしても高すぎます。前売りは定価で購入するしかない私たち日本の観客にはますます厳しい状況です。ここ数年で韓国ミュージカルに魅了され、韓国まで観劇にいらっしゃっている方は多いと思います。今年は話題性のみならず、作品性もしっかりと見極めて、大劇場から小劇場まで、より幅広い作品を観てみてほしいなと思います。

2015年の公演ラインナップは近日公開予定です。一人でも多くの方が素晴らしい作品に出会えますように!

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[MUSICAL]「ウィキッド」6月から新グリンダ役が登場!

[MUSICAL]「ウィキッド」6月から新グリンダ役が登場!

 

6月からグリンダ役として出演 キム・ソヒョン

6月からグリンダ役として出演 キム・ソヒョン

世界中のミュージカルファンに厚く支持されている名作ミュージカル「ウィキッド」。昨年の韓国版開幕から、愛嬌溢れるグリンダを演じて公演を牽引してきたチョン・ソナに代わり、「エリザベート」「太陽王」などで知られるキム・ソヒョンが6月から新たに投入される。

美しいソプラノと天性のキュートさをもつキム・ソヒョンはオーディション当時、海外制作チームの満場一致でグリンダ役に選出されたという。作曲家のスティーブン・シュワルツは「ラブリーな声に多くの人が魅了されるはずだ。彼女のグリンダを早く観たい」とコメント。一方キム・ソヒョンも「グリンダはデビュー後に経験してきたノウハウを総動員させて挑まなくてはいけない役」と気合十分だ。最近はミュージカル俳優の夫ソン・ジュノとともに子育てバラエティにも出演し、親しみやすい素顔を見せている彼女だけに、幅広い支持を集めることができそうだ。

6月でグリンダ役とお別れ!チョン・ソナ

6月でグリンダ役とお別れ!チョン・ソナ

 

 

なお、「オリジナルを超える」と評され、天使のような愛らしさと、パワフルな破格のコミカルなキャラクターを兼ね備えたグリンダを披露し、観客に愛されてきたチョン・ソナは、4月13日にグリンダ役100回出演を迎えた。「俳優としても個人としても特別な意味がある瞬間だった。またとない幸せな時間を、観客の皆さんに最後まで最高の舞台をお見せしたい」と語った。チョン・ソナ最後の舞台と、キム・ソヒョンの出演がスタートする6月のチケットは4月下旬に発売開始予定。

 

[MUSICAL]「ウィキッド」新エルファバ役にキム・ソニョン!

[MUSICAL]「ウィキッド」新エルファバ役にキム・ソニョン!

 

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新エルファバ役キム・ソニョン 写真提供:ソル&カンパニー

昨年11月に開幕し、すでに10万観客動員を突破して大ヒット上演中のミュージカル「ウィキッド(위키드)」。

ヒロインのエルファバ役は「エリザベート」「皇太子ルドルフ」のオク・チュヒョンと映画『冬の王国(邦題は『アナと雪の女王』)韓国版でも注目を浴びるパク・ヘナのWキャストでこれまで公演を牽引してきた。

5月上旬に降板するオク・チュヒョンに代わる、新エルファバ役としてキム・ソニョンが投入されることが10日発表された。キム・ソニョンは、オーディションの段階で当初からエルファバ役にキャスティングされていたそうだが、公演開始から約半年で電撃発表。韓国版「ウィキッド」に新たな息吹を吹き込む、ビッグサプライズが用意されていたわけだ。

「ラ・マンチャの男」「スカーレット・ピンパーネル」「エリザベート」など名だたる大作で主演を張ってきたキム・ソニョンだけに、吸引力のある魅力的な“緑の魔女”を見せてくれるに違いない。

 

公演情報:「ウィキッド」 ⇒公式サイト

11月22日~オープンラン シャルロッテシアター

出演:オク・チュヒョン、パク・ヘナ、キム・ソニョン(5月より)、チョン・ソナ、キム・ボギョン、イ・ジフン、チョ・サンウン、ナム・ギョンジュ、キム・ヨンジュほか

チケットはインターパークYes24CJ E&Mチケット などで発売中。

”オクファバ”ことオク・チュヒョンのエルファバを見られるのは4月まで! 写真提供:ソル&カンパニー

”オクファバ”ことオク・チュヒョンのエルファバを見られるのは4月まで!
写真提供:ソル&カンパニー