2012年の開館以来、オリジナル作品やショーケース公演、トークイベントなど、若手制作者や俳優を起用して独創的な作品を上演し続けている劇場、プロジェクトBOX Seeyaで、ミュージカル『SEE WHAT I WANNA SEE』が7年ぶりに上演される。
『SEE WHAT I WANNA SEE』は、“巨匠スティーブン・ソンドハイムの正統派継承者”と評されている米国の作曲家・作詞家、マイケル・ジョン・ラキウサ(Michael John LaChiusa)が、芥川龍之介の短編小説「藪の中」「袈裟と盛遠(けさともりとう)」「竜」をベースに、2004年に創作。幕間劇「袈裟と盛遠」、1幕「羅生門」、幕間劇「袈裟と盛遠」そして最後に2幕「栄光の日」という副題がついた4章で構成される。観客に「私が見たことは果たして真実なのか」という質問を投げかける、ユニークな構成と哲学的なテーマが話題となり、翌年にはオフブロードウェイで初演。「ミュージカル史上最もインテリジェントな作品」「ミュージカルの限界を超えた作品」と高い評価を受けている。
韓国では、キム・ソニョン、チャ・ジヨン、ヤン・ジュンモ、カン・ピルソク、ホン・グァンホ、チョン・サンユンなどトップクラスの豪華キャストを集結させ、2008年に初演している。当時「シワッマニア(See What Mania)」と呼ばれる熱狂的なファンを生んだことでも知られる伝説的作品だ。
観客から再演の要望が絶えず、満を持して7年ぶりに再演する今回は、『ファリネッリ』『スプリング・アウェイクニング(春のめざめ)』などを演出し、初演当時は協力演出を務めたキム・ミンジョンが演出。音楽監督は『SEE WHAT I WANNA SEE』で第14回韓国ミュージカル大賞を受賞したイ・ナヨンが再び参加する。
そして旬の若手注目株を集めたキャストも大きな話題を呼びそうだ。『ジーザス・クライスト・スーパースター』のマリア役や『マーダーバラッド』『ザ・デビル』など近年の話題作でヒロインを演じてきたチャン・ウナが1幕では妻役を、幕間劇では袈裟役と2幕には女優役を務める。また1幕では夫役、幕間劇では盛遠役、2幕では会計士を演じるのは『ドラキュラ』『ドリームガールズ』『皇太子失踪事件』など大劇場から小劇場まで多彩な作品で存在感を見せているパク・ウンソクが演じる。
そして1幕では警備員を、2幕では司祭を演じるのは『ファリネッリ』の兄リカルド役や『女神様が見ている』のヨンボム役で注目を集めたイ・ジュニョクが、1幕では霊媒師を、2幕では司祭モニカの叔母を演じるのは『ヘドウィグ』のイツァーク役や『壁抜け男』などに出演したチョ・ジナが演じる。
また、1幕の強盗役と2幕でニュース記者役は『ジーザス・クライスト・スーパースター』でジーザスとユダの2役を演じたチェ・ジェリムと、『エリザベート』のルドルフ皇太子役や『スリル・ミー』の私役などを演じたペク・ヒョンフンというブライテストホープがWキャストで務める。
豪華キャストとともに7年ぶりに上演する『SEE WHAT I WANNA SEE』は、10月30日から約2週間上演。チケットは9月18日より発売開始される。
【公演情報】
ミュージカル『SEE WHAT I WANNA SEE』(씨왓아이워너씨)
2015年10月30日~11月15日 プロジェクトBOX Seeya
<出演>
●袈裟/妻/女優役:チャン・ウナ
●盛遠/夫/会計士役:パク・ウンソク
●霊媒師/司祭モニカの叔母役:チョ・ジナ
●警備員/司祭役:イ・ジュニョク
●強盗/ニュース記者役:チェ・ジェリム、ペク・ヒョンフン
原作:芥川龍之介/脚本・作曲:マイケル・ジョン・ラキウサ/演出:キム・ミンジョン/音楽監督:イ・ナヨン/舞台・小道具:チェ・ヨンウン/照明:シン・サンフン/音響:カン・グクヒョン/映像:イ・スギョン/衣装:ドヨン/ヘアメイク:キム・ナムソン/制作:カン・ヒョジン/制作助手:ソル・ガミン/技術:ウ・ジュンサン/舞台監督:キム・テクソン/プロデューサー:パク・ヨンホ、ソ・ミジョン
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