[MUSICAL]早春にふさわしく、優美に― ソウル芸術団 歌舞劇『早い春 遅い冬』

 

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『風の国』『尹東柱、月を射る』『失った顔、1895』『根の深い木』などを上演し、歌、演技、ダンスと確かな実力をもつエリートが集う公営劇団「ソウル芸術団」の2015年度第1弾となる創作歌舞劇『早い春 遅い冬』が3月21日からアルコ芸術劇場で上演される。

歌舞劇とは、俳優チームとは別に舞踏専門チームがいる劇団最大の特長でもある、ハイレベルなダンス/舞踏を生かし、ミュージカルよりもアーティスティックなスタイルで魅せる同劇団独自の呼称だ。

新作歌舞劇として今回上演される『早い春 遅い冬』の物語は、とあるギャラリーに展示されている絵から始まるという。そこから、老婦人の話、中国の説話「裸婦春夢」、高麗時代の説話「梅と鶯」など、過去と現在を行き来しながら、梅の花にまつわるエピソードをオムニバス形式でつづる、早春の公演にふさわしい優雅で美しい作品になりそうだ。early2

『3月の雪』や『遠いところから来た女』など多数の名作戯曲を生んだペ・サムシクを脚本家に迎え、劇団「はしごの動き研究所(サダリ・ムーブメント・ラボラトリー)」の代表であるイム・ドワンが演出を務めるということで、詩的かつ深みのある作品になることが期待される。また、『西便制』『光化門恋歌』のナム・スジョンが振付を、『ファリネッリ』『グルーミーデイ』の作曲家キム・チョルファン&音楽監督キム・ウニョンのコンビが参加するなど、制作陣には注目の若手クリエイターが揃っている点も話題だ。early4

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キャストは、劇団の要であるコ・ミギョンやチェ・ジョンスを筆頭に、劇団外活動も活発な看板俳優パク・ヨンス、キム・ドビンらを中心に、全15名が出演する。

今年ソウル芸術団は、7月には『神と共に―チョ・スンピョン』、8月には『失った顔、1895』の再演、10月には『根の深い木』の再演が予定されている。ソウル芸術団の公演は、公演期間が短いのが惜しいところだが、韓国の伝統劇や音楽をベースにしたモダンかつ芸術性が高い作品が堪能できるため、韓国ミュージカルや演劇に興味がある人は一度観劇されることをおすすめしたい。


early5poster【公演情報】
ソウル芸術団 創作歌舞劇『早い春 遅い冬』(이른 봄 늦은 겨울)
2015年3月21日~29日 アルコ芸術劇場 大劇場

出演:コ・ミギョン、キム・ドビン、キム・ベッキョン、キム・ソンヨン、パク・ヨンス、パク・へジョン、パク・ジェボム、オ・ソナ、オ・ヒョンジョン、ユ・ギョンア、チョン・ユヒ、チョ・ブンレ、チェ・ジョンス、ハ・ソンジン、ヒョン・ナミほかソウル芸術団団員全15名

芸術監督:チョン・へジン、作・作詞:ペ・サムシク、演出:イム・ドワン、作・編曲:キム・チョルファン、振付:チョン・へジン/ナム・スジョン、音楽監督:キム・ウニョン、舞台、映像デザイン:チョン・ジェジン、照明デザイン:シン・ホ、音響デザイン:オ・ヨンフン、衣装デザイン:イ・ジュヒ、扮装デザイン:チェ・ソンファ、小道具デザイン:ソン・ミヨン

●ソウル芸術団ホームページ⇒http://www.spac.or.kr/
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