韓国クィア映画の第一人者としても知られるキム=ジョ・グァンス監督の同名映画を舞台化した音楽劇『トゥギョルハンジャン-2度の結婚と1度の葬式』のプレスコールが10月2日、デミョン文化工場2館 ライフウェイホールで行われた。「トゥギョルハンジャン(두결한장)」とは、「2度の結婚式と1度の葬式(두 번의 결혼식과 한 번의 장례식)」の略称で、原作映画公開時から使われていたもの。制作陣には演出キム・テヒョン(『ヒストリー・ボーイズ』『模範生たち』『アガサ』ほか)、脚本チュ・ミンジュ(『パルレ(洗濯)』『悪い磁石』『クローサー』ほか)と豪華な顔ぶれが揃ったことでも注目を浴びていた作品だ。
ゲイであることをカミングアウトできていない医師のミンスが、レズビアンの同僚医師ヒョジンと偽装結婚して巻き起こる騒動を描いた本作。ミンス役にはチョン・ドンファ(『スリル・ミー』『ビースティ・ボーイズ』ほか)、パク・ソンフン(『ヒストリー・ボーイズ』『模範生たち』)。ミンスに想いを寄せるティナ役にはオ・ウィシク(『柔道少年』『私たちカラオケ行ってちょっと話さない?』)、カン・ジョンウ(『女神様が見ている』『共同警備区域JSA』)と、いま大学路で注目を浴びる旬の俳優が揃った。また、大作から小劇場作品までこなすキム・デジョン、イ・ジョンスや、演劇『容疑者Xの献身』に出演していたイ・ガプソン、リ・アンナ、ドラマ・映画でも活躍するチャ・スヨンなど、助演陣も舞台ファンを唸らせる豪華キャストとなった。
本編のダイジェスト上演に続く記者会見では総監督のキム=ジョ・グァンスも参加。前日までの台湾の映画祭に行き、『トゥギョルハンジャン』が舞台化されると地元の人たちに話したところ、「ぜひ台湾でも上演してほしい」と言われたので、公演が成功して海外でも上演できたらいいですねと語っていた。また「10年前に自分がカミングアウトした際は母親にとても心配されたが、その頃と比べると社会的認識がものすごいスピードで変わってきている。この作品が意識を変えてもらうきっかけになればいい」と希望を語った。
原作映画では、舞台俳優/ミュージシャンのソン・ヨンジンが演じていたソクという青年がミンスの恋人役だったが、この舞台版にソクは登場せず、代わりにゲイ仲間で結成したコーラスグループG-Boysの仲間だったティナがミンスに片思いするキャラクターになっている。この設定変更は脚本のチュ・ミンジュが「作家としての欲が出て」意図的に変更したそうだ。
ミンス役のチョン・ドンファは「表向きにはツンツンしているが、小心でずるい部分もあるのでどう表現するか悩んだ」そうだが、同時に出演している『スリル・ミー』につづき、男性とのキスシーンがあるキャラクターに挑んでいる。「『スリル・ミー』では彼から誘惑されるキャラで、この作品ではティナへの想いを表には出せない」という違いがあるそうだ。また、ティナ役のカン・ジョンウは自身が女性性を持っていることに驚いたそうだが、「自分が好きな相手には積極的に表現するほうではないので、ティナのような性格を演じるのが難しい」と語っていた。
楽しくてちょっとホロリとするポップなゲイムービーのテイストはそのままに、音楽劇としてリパッケージした『トゥギョルハンジャン~』は11月30日まで、大学路・DCFデミョン文化工場2館で上演される。
【公演情報】
音楽劇『トゥギョルハンジャン~2度の結婚と1度の葬式』
9月27日~11月30日 大学路・DCFデミョン文化工場2館 ライフウェイホール
出演:チョン・ドンファ、パク・ソンフン、オ・ウィシク、カン・ジョンウ、チャ・スヨン、ソン・ジユン、リ・アンナ、キム・ヒョスク、イ・ガプソン、キム・デジョン、ウ・サンウク、イ・イリム、ク・ドギュン、イ・ジョンス
チケットはインターパークほかで発売中