[MUSICAL]ヤン・ジュンモ『レ・ミゼラブル』で日本ミュージカルデビュー!

 

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ジャン・バルジャン役のヤン・ジュンモ ©Toho Theatrical Div.

『オペラ座の怪人』『ジキル&ハイド』『スウィーニー・トッド』をはじめ、韓国で多数の大作に主演してきたヤン・ジュンモ。パッション溢れる演技と声楽出身ならではの伸びのある歌唱力が持ち味だ。韓国ミュージカル界になくてはならない存在だが、現在は母国での活動を一時休止して、『レ・ミゼラブル』のジャン・バルジャン役で日本の舞台に立っている。昨年、キャスト発表された際には、日本で活動歴のない彼が主役を射止めたことは大抜擢と話題を呼んだが、4月13日から始まったプレビュー公演を経て迎えた17日の初日から、圧倒的な存在感を見せて目の肥えた日本のミュージカルファンも魅了している。

制作会社、東宝のプロデューサー、坂本義和は「プロローグシーンの稽古を最初に見たときの 衝撃は忘れられない。怒り、絶望、不安、そして再生への小さな希望を歌うジャン・バルジャンの姿が目に浮かぶほどリアリティを持って消化する力が圧倒的だった。初日が終わった後は、 長い歴史を持つ日本の『レ・ミゼラブル』にこれまでとは違う新しいジャン・バルジャンの登場を確信した」と語り、絶賛を惜しまなかったという。

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声楽で培った強く、伸びのある歌声が魅力 ©Toho Theatrical Div.

日本への出発前には「台詞や歌詞のみ日本語を覚えて練習した」と謙遜していたヤン・ジュンモだが、日本語での芝居経験がまったくなかったのが信じられないほど、劇中で1曲1曲しっかりと歌いこなしている点には注目だ。「感情表現が豊か」「まだ日本語が流暢ではないと知って驚いた」など、日本の観客も驚きをもって彼を迎えているようだ。また、4月16日のプレビュー公演最終日には、コンサートのために初来日中だった初代ジャン・バルジャンとして知られる、リビングレジェンド、コルム・ウィルキンソンが観劇に訪れてヤン・ジュンモら出演者たちと感動の対面も果たしている。

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ヤン・ジュンモとコルム・ウィルキンソン ©Toho Theatrical Div.

yjm3ヤン・ジュンモは初日を終えた所感をこう述べたという。
「カーテンコールで、観客の皆さんから長いスタンディングオベーションをいただき、これまで半年間苦労しながら準備してきたことが思い出されて涙が止まらなかったです。これから残りの公演期間も、この名作がもつメッセージを日本の観客にしっかりと伝えられるように努力したいです。日韓関係が良くない時期に出演が決まり、プレッシャーも大きかったですが、頑張って文化的和解ができるように微力ながら助けになるよう努めたいです」
まさに演技と歌を通して、日韓ミュージカルの架け橋となるべく頑張っている“ヤンバルジャン”の今後に期待したい。

『レ・ミゼラブル』は、6月1日に千秋楽を迎える東京公演のあと、名古屋、福岡、大阪、富山、静岡と9月下旬まで全国ツアーが行われる。
また韓国では、昨年ヤン・ジュンモが初演出&出演もこなして好評を得た、小劇場オペラ『リタ』を11月14日、15日に忠武アートホール 中劇場ブラックで再演予定だ。


yjm5【公演情報】
ミュージカル『レ・ミゼラブル』(日本版)
●2015年4月17日~6月1日 東京・帝国劇場(プレビュー公演:4月13日~16日)
●6月10日~30日 名古屋・中日劇場
●7月8日~8月1日 福岡・博多座
●8月8日~8月29日 大阪・梅田芸術劇場メインホール
●9月5日~9月7日 富山・オーパード・ホール
●9月17日~9月24日 静岡・静岡市清水文化会館 マリナート

⇒東宝公式サイト

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