2011年初演、“創作ミュージカル”と呼ばれている韓国オリジナルミュージカルに「サスペンスジャンル」を確立して各方面から高い評価を受けた『シャーロック・ホームズ』シリーズ。その第1弾となる『シャーロック・ホームズ~アンダーソン家の秘密~』が、11月より5度目の再演を行う。その開幕を前にキャストが一堂に会した『シャーロック・ホームズ ミュージカル・コンサート』が10月15日、ユニバーサルアートセンターで開催された。
初演からホームズ役を務めるソン・ヨンジンとキム・ドヒョンを筆頭に、歴代キャストから今年の新キャストまで15名が出演。13人編成のオーケストラと50人以上のコーラスを従え、キャストたちは劇中歌を次々と披露するというゴージャスな一夜となった。
コンサートの目玉となったのは、今年1月に日本版の『シャーロック・ホームズ~アンダーソン家の秘密』でホームズ役を演じた橋本さとしがスペシャルゲストとして出演したこと。橋本は『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』など数々の大ヒットミュージカルで主演を務めてきたが、韓国の舞台に立つのは今回が初めてとなった。
橋本が登場したのはコンサートの中盤。今年の『~アンダーソン家の秘密』でホームズを演じるソン・ヨンジン、キム・ドヒョン、アン・ジェモの3人が橋本を紹介してステージに迎え入れた。いままで演じた役と比較したキャラクターの魅力、日本の観客の反応、好きなシーンなどについて3人から質問が飛ぶと、橋本は“本能で謎を解く”と捉えたキャラクターへのアプローチや共演者とのエピソードなど、日本版の制作裏話を軽妙なトークで披露していた。
トークの最後には「このミュージカル『シャーロック・ホームズ』が生まれた韓国の地に来られた事を、本当に光栄に思います。エンタテインメントを通じてこうして皆さんと一緒になれるということは、僕にとって本当に喜びです。日本へは、皆様の熱い”キモチ”と、本場の“キムチ”をお土産にしたいと思います!」と語呂合わせのジョークを交えてメッセージ。そして『~アンダーソン家の秘密』のクライマックスでホームズが歌う「悲しい真実」(韓国題は「아픈 진실」⇒キム・ドヒョン版公式動画)日本語バージョンを披露した。圧倒的な日本版ホームズの熱唱に、観客からは惜しみない大きな拍手と喝采が贈られた。
加えてこの日、今年3月に韓国で初演したシリーズ第2弾『シャーロック・ホームズ2~ブラッディゲーム』の日本版を2015年4月に上演するというビッグニュースを橋本が発表した。歴史に名を残すシリアルキラー“切り裂きジャック(Jack the Ripper)”をモチーフにした第2弾は、ホームズが巧妙な犯人の手口により捜査の壁にぶち当たり葛藤する。彼がさまざまな困難を克服し、いかに事件を解決に導いていくかが見どころだ。物語はスリラー性を増し、独特のメロディーラインはさらに複雑化。演じ手にとっては一段と難易度が上がったパート2に、橋本ホームズと一路真輝演じるワトソンがどう挑むのか期待される。
原作者・演出のノ・ウソンによれば、同シリーズは3部作で、すでに昨年から第3弾も構想中。韓国では今後もパート1、2をバージョンアップしながら再演を継続し、パート3に繋げていく予定だそうだ。『シャーロック・ホームズ』シリーズの理想的な日韓コラボレーションが、さらに発展することを祈りつつ、まずは今年から来年に向けた韓国版パート1の再演と、日本版パート2の初演を楽しみたい。
【公演情報】
ミュージカル「シャーロック・ホームズ アンダーソン家の秘密」
11月13日~2015年2月8日 ドゥサンアートセンター ヨンガンホール
出演:ソン・ヨンジン、キム・ドヒョン、アン・ジェモ、キム・ウンジョン、パク・ヘナ、イ・ジュグァン、Tei、イ・チュンジュ、チョン・ダヨン、ムン・ジナほか
※チケットはインターパークほかで発売中
<日本版>ミュージカル「シャーロック・ホームズ2~ブラッディゲーム」 2015年4月上演
出演:橋本さとし、一路真輝ほか
●日本版公式サイト http://www.s-holmes.com/
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