さいきいずみの「韓劇日誌」Vol.2

 

「2014春 注目の新作韓ドラ<地上波編>」

SBS月火ドラマ「神の贈り物-14日」ハイライト映像(SBS公式YouTubeチャンネルより)

韓国ではいま、春ドラマの改変時期。すでに3月上旬から地上波を中心に新作が次々と始まっていますが、いやぁ~もう、気が付けばサスペンスドラマだらけですね(笑)。

韓劇.comとして注目したいのは、ミュージカル界のカリスマ俳優チョ・スンウのテレビドラマ2作目となるSBS月火ドラマ「神の贈り物-14日」です……が、実はこの作品、「君の声が聞こえる」で2013年SBS演技大賞まで獲り、ただいま公私ともに絶好調のイ・ボヨン主演で、物語も彼女を中心に進みます。イ・ボヨン扮する放送作家スヒョンの娘セッピョルの誘拐事件が発生。結局娘は死体で発見され、スヒョンはその発見現場である池に飛び込み自殺を図ろうとします。時同じくして、探偵のキ・ドンチャン(チョ・スンウ)がやくざによって池に沈められ、死刑囚だったドンチャンの兄の死刑が執行。そこで魂の奇跡が起き、事件発生の14日前に戻るのです。(前フリ長い~!)

現時点で4話まで放送が終わり、ストーリーの背景や伏線を説明し終え、14日後の記憶があるスヒョンとドンチャンが、事件を未然に防ごうと動きはじめたところです。チョ・スンウの演技が見たい人(私ですが^^)には物足りない露出具合で、名優がある意味贅沢な使われ方をしています。「一枝梅~イルジメ」のチェ・ラン脚本家が6年ぶりに執筆する新作だけに、今後の展開には期待したいですが、果たして?

SBS水木ドラマ「3days」ハイライト映像(SBS公式YouTubeチャンネルより)

また、SBSはパク・ユチョン主演で水木ドラマ「3days」を放送中。失踪した大統領を救おうと奮闘する警護員の活躍を描く作品で、つまりユチョンは韓国のキーファー・サザーランドa.k.a「24」ジャック・バウアーなワケです(笑)。脚本のキム・ウニはパク・シニャン主演の「サイン」やソ・ジソブ主演「ファントム」と欧米のクライムドラマを彷彿とさせる作品でスマッシュヒットを飛ばした売れっ子作家。前2作がお好きな方は作品のトーンが似ているので楽しめるかと思います。それにしても作品ごとに俳優としてどんどん凄くなっていくユチョンに感心。そしてヒロインのパク・ハソンが化粧っ気のない巡査役を演じ、女優として新境地を見せているのがかなり良いですよ。

この2大話題作に、KBS2で放送中のユン・ゲサンハン・ジヘ主演「太陽がいっぱい」も、4月からKBS2水木ドラマ枠で放送のキム・ガンウオム・ギジュン出演の「ゴールデンクロス」もサスペンスタッチの復讐劇です。こうしたサスペンス作品が増えてきたのは「3days」で大統領を演じているソン・ヒョンジュが2012年に主演した「追撃者-ザ・チェイサー」が当たってから。ただ、サスペンス作品の弱点は欠かさず放送を見ないと話についていけないことで、同時期に似た作品が集中するとクオリティの差が際立ち、よほど面白くないと重い内容の作品を見続けるには忍耐力が必要になってくるんですよね。加えて特に日本では、ドラマの主な視聴者層である女性にはあまりウケないというのも悩ましいところです。

 今後放送が始まる作品のなかで個人的に期待している作品をいくつか紹介します。

「神の贈り物-14日」の後続で4月下旬から放送予定のSBS月火ドラマ「ドクター異邦人(仮)」は脱北した天才医師が韓国の病院に勤務するストーリーだそうで、新ジャンルの医療ドラマとなるか? 主演にいまをときめくチョ・ジョンソク×「主君の太陽」「シティハンター」のチン・ヒョク監督ということで、ヒットは堅いですね。

4月14日からKBS2で始まる月火ドラマ「ビックマン」は昨年SBSの「金の化身」でさらなる評価を得たカン・ジファンが再び挑む復讐劇。共演に、近年ますます安定した演技が光るチェ・ダニエルと「君の声が聞こえる」「秘密」で好演して株を上げたイ・ダヒと、派手ではないですが万全の布陣で面白いドラマになりそうです。

4月下旬放送スタート予定のMBC水木ドラマ「改過遷善(かいかせんぜん/韓国語では개과천선 ケグァチョンソン)(仮)」は「ゴールデンタイム」「愛の選択~産婦人科の女医~」とヒューマンドラマの良作を生んでいるチェ・ヒラ脚本家の新作。現在、キム・ミョンミンが出演を検討中というこのドラマは、冷酷な弁護士だった主人公が事故で記憶喪失となり、かつて所属していた弁護士事務所と対立することになるという。まさにタイトル通り“過ちを認めて善に還る”物語のようです。また、 5月スタート予定のイ・ボムス主演のMBC月火ドラマ「トライアングル(仮)」には、映画『弁護人』で破格の演技を披露したZE:Aシワンの出演が決まり、俳優としてステップアップできるか注目です。

個人的には、最近ドラマはもっぱらケーブルテレビチャンネルの作品にハマるものが多いのですが、春の新作も興味をひかれるものが多数。ケーブルドラマについてはまた後日別記事で紹介したいと思います。

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