[コラム]EMKの新作創作ミュージカル『ベートーヴェン』がついに動き出す!

 

韓国ミュージカル『ベートーヴェン』オーディション告知(EMKミュージカルカンパニー公式インスタグラム より)

EMKミュージカルカンパニー(以下EMK)が『マタ・ハリ』『笑う男』『エクスカリバー』に次いで制作する4作目のオリジナル作品『ベートーヴェン(베토벤)』のオーディション告知が公式SNSに公開されました。
『モーツァルト!』『エリザベート』『レベッカ』『マリー・アントワネット』など、日本で先行して上演後、韓国に上陸し多くのミュージカルファンに賞賛された名作を生んだクリエイターコンビ、ミヒャエル・クンツェ(脚本)&クリストファー・リーヴァイ(作曲)の新作です。

SNSではオーディション実施内容に加え、上演日程や登場するキャラクター名も公開。
2023年1月13日~3月26日(予定)芸術の殿堂オペラ劇場で世界初演となります。
5月中に主要キャスト、子役、アンサンブルを公募~選定し、11月から稽古を開始予定とのこと。

韓国ミュージカル『ベートーヴェン』オーディション募集キャラクター(EMKミュージカルカンパニー公式インスタグラム より)

オーディションで募集されているキャラクターは以下のとおり。

●ルードヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン 루드비히 반 베토벤
●アントニー・ブレンターノ(慈善家/不滅の恋人?)안토니 브렌타노
●ベッティーナ・ブレンターノ(作家/フランツの妹)베티나 브렌타노
●フランツ・ブレンターノ(哲学者/アントニーの夫)프란츠 브렌타노
●カスパール・ヴァン・ベートーヴェン(ルードヴィヒの弟)카스파 반 베토벤
●バプティスト・ピチョク(?)밥티스트 피초크
●フェルディナンド・キンスキー侯爵(貴族/パトロン)페르디난드 킨스키 군주
●ヨハンナ・ライス(カスパールの妻)요한나 리이스
●フランツ・グリルパルツァー(劇作家)프란츠 그릴파르처
●シュミット教授(主治医)슈미트 교수
●ユリア(?)율리아
●ダンサー 음악의 혼령들(音楽の霊魂たち)
●子役 토니의 이이(トニーの子供)

※(かっこ)内はベートーヴェンを中心とした人間関係を調べてみました。(?)の部分がどんな人か分かる方、いらっしゃいましたら教えてください。

2019年にクンツェ&リーヴァイ両氏をゲストに行われた記者会見では、当初2021年にワールドプレミア予定とのことでしたが、コロナ禍の影響もあり2023年にずれ込んだ模様。
クンツェさんがベートーヴェンを「30代半ば、社会に適応できない抵抗家」として描くと発言しておりベートーヴェンの全盛期を中心に、『モーツァルト!』のごとく天才芸術家の苦悩と葛藤が描かれる作品になりそうです。

2019年当時の韓国メディアの記者会見記事(ブリッジ経済)は⇒こちら

また、ベートーヴェンが42歳のときに書いたとされる手紙のなかで“不滅の恋人”と呼んでいた相手は誰か? という謎は、舞台や映画にもなるほど有名なエピソード。“不滅の恋人”には諸説あるそうですが、このキャスト順からアントニー・ブレンターノと設定したことになります。ベートーヴェンとアントニーが知り合った当時、アントニーはすでに結婚していたそうですから、果たしてどんな展開となるのやら? 韓国ではエンタメ作品で不倫を大々的に取り上げると否定的に見られる傾向にあるので、さじ加減をうまくやらないといけませんね。

ベートーヴェンをはじめ各キャストを誰が演じることになるのか? 演出家やスタッフはどんな顔ぶれが? と興味は尽きません。ダンサーには「音楽の霊魂たち」と注釈が書かれ、アクロバティックや武術ができる人を募集しているので、『エリザベート』におけるトートダンサーズのようなキャラが出るのかも?

そして本作もまた過去のEMK創作作品と同様に、追って日本版が上演されることになると思います。

【5月16日追記】

プレスリリースが公開され、作品の概要が分かってきました。

ベートーヴェンは「厳格な道徳性と名誉を重視するが、慣習にこだわらない自由なアーティスト」として描くそうです。

そのほか、作品についての重要な説明が2点ありました。
①「楽聖としての姿だけではなく、時代を生きていく一人の青年である彼が内面の自我を訪ねていく過程を重点的に描く予定」
②「クラシック音楽の巨匠ベートーベンが誕生させた不朽の名曲を変奏または借用し、人間が持つ感情、本質、核心を表現する」

やはり『モーツァルト!』的な描き方になりそうですね。

ちなみに韓国では『ルドウィグ:ベートーヴェン・ザ・ピアノ(루드윅: 베토벤 더 피아노)』という小劇場創作ミュージカルが2018年から上演されています。
ベートーヴェンが見知らぬ女性マリーに息子ヴァルターへピアノを教えて欲しいと頼まれ、幼きヴァルターに自身の人生を投影するというフィクションですが、ベートーヴェンが晩年、弟カスパールの息子の後見人となり溺愛していたという史実をベースにしているようです。
この作品は2022年5月末まで上演中のEMK初の小劇場創作ミュージカル『フリーダ(프리다)』(⇒トレイラー映像)のチュ・ジョンファ作・演出&ホ・スヒョン音楽監督コンビの作品です。なかなか面白い作品だったので、再演された際にはこちらもチェックしてみてください。

●『ルドウィグ:ベートーヴェン・ザ・ピアノ』初演時プレスコール映像(約40分/聯合ニュース公式YouTubeチャンネルより)

文:さいきいずみ(韓劇.com)

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