パク・ヘナ

[MUSICAL]韓国ミュージカルをオンライン視聴!②ソウル芸術団『失われた顔1895』『神と共に_冥途編』

[MUSICAL]韓国ミュージカルをオンライン視聴!②ソウル芸術団『失われた顔1895』『神と共に_冥途編』

 

『失われた顔1895』明成皇后役チャ・ジヨンと高宗役キム・ヨンハン

ソウル芸術団が、秋夕連休に向けて2本の舞台作品を有料オンライン配信する。
ソウル芸術団は、芸術の殿堂に本拠地を置く韓国公立の芸術団体のひとつ。専属団員のなかにはダンス専門俳優がいるため、舞踏に重きを置いたオリジナル作品を“創作歌舞劇”と称しミュージカルを中心に多数上演している。これまで年平均4作を1作品につき2週間程度の公演期間で上演してきたが、今年は新型コロナウイルス感染症の防疫措置により、他の公立団体と同様、上演期間の短縮や公演中止を余儀なくされた。
そこで、4月には「チャンネルSPAC」(※SPACはソウル芸術団の英名略)と題してNAVER TVを通じて過去作品の無料配信を実施。5月には無観客のオンラインガラコンサート、6月には『失われた顔1895』を感動後払いと呼ぶ、いわば“投げ銭式”の配信も行った。これらの収益金800万ウォンは民間芸術団体公演映像政策支援金として寄付されたという。

今回は『失われた顔1895』『神と共に_冥途編』と近年最も人気を得た2作を、観覧者の“後援”という形での有料配信が行われる。4Kカメラ9台に5.1chのサウンドミキシングと、ハイクオリティな映像で臨場感溢れる映像を堪能できるのも見どころだ。
数年前から、舞台作品の映像化プロジェクトが芸術の殿堂で進められていたこともあり、ソウル芸術団はコロナ禍となる以前より舞台の映像収録に取り組んでいたが、非対面でも観客と出会うことができる公演映像化事業の可能性をさぐる取り組みになりそうだ。

9月28日、29日配信『失われた顔1895』予告映像

9月28日、29日にチャ・ジヨン主演版を、10月にパク・ヘナ主演版を配信する『失われた顔1895』は、朝鮮王朝最後の王、高宗の后である明成皇后(閔妃/ミンビ)にスポットを当てた作品だ。皇后は本人と確証のある写真が1枚も残されていないことから、彼女の“顔”をテーマに激動の時代を生きた一人の女性として描いた創作劇に仕上がっている。
90年代から数々の演劇戯曲賞を受賞し、同芸術団の『七庶(チルソ)』も手掛けたチャン・ソンヒの重厚な脚本と、『ヘドウィグ』『ジーザス・クライスト・スーパースター』など多数のミュージカルをヒットさせたイ・ジナのドラマチック演出が相乗効果を呼び、2013年の初演から好評を得て、これまで3回再演された芸術団のレパートリー作品だ。

10月8日、9日配信『神と共に_冥途編』予告映像

10月8日(木)、9日(金)に配信する『神と共に_冥途編』は、韓国の神話や民俗伝承をベースにしたチュ・ホミンの人気ウェブトゥーン(ウェブコミック)が原作。原作は「冥途編」「現世編」「神話編」の3部作に分かれており「冥途編」はシリーズ第1部となる。ハ・ジョンウ、イ・ジョンジェらが主演した映画版が日本では広く知られているが、ソウル芸術団では映画に先駆け、2015年に舞台化。2019年にはシリーズ第2部「現世編」も舞台化している。
「冥途編」は、若くして死んだ平凡な男キム・ジャホンと、49日間の死出の旅を共にすることになる国選弁護士チン・ギハンが冥途裁判に向けた厳しいミッションを乗り越えていく様が描かれる。また、本来は死者を地獄へ送る役目であるカンニムら3人の死神と結果的に奇妙な友情を形成する様も見どころだ。
初演時から作品の世界観を見事に舞台に落とし込んだと評判になり、ストーリーや各キャラクター設定も映画版より原作に近いことから、舞台ファンのみならず、原作マンガファンにも評価されていた。今回配信される2018年版は3回目の再演キャストで、ジャホン役をチョン・ウォニョン、弁護士チン・ギハンをチョ・ヒョンギュン、死神カン二ムをソ・ギョンスが演じている。

有料配信はNAVER TVに設けられた「後援」機能を通じて視聴料を購入できる。視聴には韓国NAVERへのID登録と、ネット決済が可能な人に限られているため、日本国内在住者は残念ながら利用が難しい状態だ。公立劇団のため、支援という形での決済方法を取られているが、今後は海外のファンにも門戸を広く開けられれば、ソウル芸術団の作品がより多くの人に観てもらえる機会にもなるだろう。


『失われた顔1895』(2020年版)明成皇后役パク・ヘナと高宗役パク・ヨンス(後方)

【公演情報】
ソウル芸術団創作歌舞劇『失われた顔1895』(2020年版)オンライン有料配信

●9月28日(月)、29日(火) 各夜19時半配信(価格2万ウォン)
<出演>
明成皇后役:チャ・ジヨン/高宗役:キム・ヨンハン/ミン・ヨンイク役:チェ・ジョンス/フィ役:シン・サンオン/ソンファ役:キム・ゴネ/キム・オッキュン役:カン・サンジュン他

●10月25日(日)、26日(月) 各夜19時半配信(価格2万ウォン) 
<出演>
明成皇后役:パク・ヘナ/高宗役:パク・ヨンス/ミン・ヨンイク役:チェ・ジョンス/フィ役:シン・サンオン/ソンファ役:キム・ゴネ/キム・オッキュン役:カン・サンジュン他


創作歌舞劇『神と共に_冥途編』(2018年版)オンライン有料配信

●10月8日(木)、9日(金) 各夜19時半配信(価格1万5千ウォン) 
<出演>
キム・ジャホン役:チョン・ウォニョン、国選弁護士チン・ギハン役:チョ・ヒョンギュン、カン二ム役:ソ・ギョンス、ヘウォンメク役:チェ・ジョンス、ドクチュン役:キム・ゴンへ他

●視聴チケット購入サイト:NAVER「後援」
https://patron.naver.com/ntv/c/intro/spac1

※要韓国NAVER ID、決済時は韓国内住所入力および本人確認認証が必要なため、日本在住者は利用が難しいです。ご注意ください。

写真提供:ソウル芸術団

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イ・ホンイの「ソウルde演劇めぐり」Vol.4

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韓国版『デスノート』、ついに幕が上がる!

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制作発表での2ショット ホン・グァンホ(左)とキム・ジュンス ©CJeS Culture

いよいよ明日のプレビューからミュージカル『デスノート』が開幕します! 本公演は、6月20日から8月9日まで、約1800席の座席数を誇る、京義道・城南(ソンナム)市にある、城南アートセンターのオペラハウスにて上演されますが、チケット発売日にあっという間に全席完売を記録し、すでに韓国では上半期最高の話題作になっています。栗山民也演出、フランク・ワイルドホーン作曲、ジャック・マーフィー歌詞、アイヴァン・メンチェル脚本といった豪華なクリエイターたちとともに、夜神月(ヤガミライト、以下ライト)役にホン・グァンホ、L(エル)役にはキム・ジュンスがキャスティングされ、いま城南アートセンターには、まさにアメリカ、日本、韓国のミュージカル界のスターたちが集結しているのです。

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夜神月(ヤガミライト)役のホン・グァンホ ©CJeS Culture

作品のクオリティは4月に東京・日生劇場で上演された日本版ですでに証明されましたが、韓国版を制作するにあたり、少々変更された部分もあります。音楽の面ではキーが変わったり、弦楽器がさらに追加されたりしましたし、振付も俳優の役作りに合わせて修正したところがあります。この細かな変化を加えるために、日本版に参加していたスタッフたちがブロードウェイや東京から、ソウルに来ていたのです。そのため、今回私は久しぶりに通訳スタッフに変身して制作に参加しました。これまでコラムでは私が翻訳した作品を紹介してきましたが、それに負けないくらいの愛情を込めて本作品をお勧めします!

何より本作品はミュージカル化されることで、ストーリーはシンプルに、その代わりキャラクターはより鮮明になったと思います。まるでキャラクターの力でドラマが展開されるかのような気までしています。韓国版では登場人物を演じる俳優それぞれの個性によって作品の印象も大きく変わるでしょう。

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L(エル)役のキム・ジュンス ©CJeS Culture

例えば、少年のような明るさと集中する時の鋭さを両方持っているホン・グァンホさんは、「そこまで自分の信念に確信を持てるか」と思わせるライトの性格を、観客が納得できる方向に作り上げています。加えて、ライトの衣装は韓国にいるごくふつうの男子学生とそれほど変わらないため、普遍的な“目の前にいるひとりの人間”としても、リアリティのある人物像を感じさせます。一方、日本語がとても上手で日本の演出部とも自由に意見を交わしていたキム・ジュンスさんは、実存しないようなキャラクターをとても繊細に描いています。Lに感情が入っていくことで、彼の純粋さと狂気は客席の隅から隅まで届くことでしょう。この二人が自分の中の確かな何かを信じながら「我こそ正義(ネガジョンイダ/내가 정의다)」と歌い出すとき、それぞれの違う音色はパワフルな争いを連想させ、劇的な効果を生みだすはずです。

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爆発的なエネルギーに期待! 死神リューク役のカン・ホンソク ©CJeS Culture

ほかにも、死神リュークを演じるカン・ホンソクさんは、彼特有のはつらつとした愉快な人柄を生かし、ライトのパートナーになります。それからアイドル・スター、弥 美砂(アマネミサ)役のチョン・ソナさんと彼女を守るもう一人の死神レム役のパク・へナさんのケミストリー(化学反応)も絶対逃してはいけない見どころです!

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韓国版ミサミサはかなり大人っぽいキャラに? 弥美砂役のチョン・ソナ ©CJeS Culture

最高のエンターテインメントを見せてくれるはずの韓国版『デスノート』。しかしこの作品は「このような腐った世界を作った神」と「世の中の腐っている人たちを審判するキラ」のうち、どちらが正しいのか? という質問を投げかけ、今まで護られていた「正義」と「信念」という言葉に疑いを持たせます。現キャストの組み合わせでは今後見たくても見られない幻の舞台になるかもしれない韓国版『デスノート』ですが、超満席になっている客席を想像しながら、「ハラハラ、ドキドキ!」幕が上がることを楽しみにしております。

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韓国のイディナ・メンゼルの異名を持つ歌唱力に期待 死神レム役のパク・ヘナ ©CJeS Culture


【公演情報】
ミュージカル『デスノート』(데스노트)韓国版
2015年6月19日(プレビュー公演)、6月20日~8月9日(本公演)
城南アートセンター(⇒会場までのアクセス、劇場紹介)

出演:ホン・グァンホ、キム・ジュンス、チョン・ソナ、カン・ホンソク、パク・ヘナ、イ・ジョンムン、イ・スビンほか
演出:栗山民也/作曲:フランク・ワイルドホーン/作詞:ジャック・マーフィー/脚本:アイヴァン・メンチェル/音楽監督:キム・ムンジョン

写真提供:CJeS Culture ©韓劇.com All rights reserved. 記事・写真の無断使用・転載を禁止します。


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